読書
女性差別はどう作られてきたか (集英社新書) 作者:中村 敏子 集英社 Amazon ジェンダー研究の歴史について何か読もうと、書店で見つけた本です。著者は政治学者、北海学園名誉教授だそうです。福澤諭吉、ホッブズに関する著書、キャロル・ペイトマンの訳書が…
資本主義と奴隷制 (ちくま学芸文庫) 作者:エリック・ウイリアムズ 筑摩書房 Amazon エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』(1961)は英国の植民地政策を詳細に調べ上げた労作でした……が、専門的すぎておすすめしません。三角貿易とかね、アフリカ系の…
反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー 作者:ジェームズ・C・スコット みすず書房 Amazon ジェームズ・C・スコット『反穀物の人類史』(みすず書房)について。 私は読んでいませんが、C・スコットには『ゾミア』という大著があります。国家にした…
自由からの逃走 新版 作者:エーリッヒ・フロム 東京創元社 Amazon 超国家主義の論理と心理 他八篇 (岩波文庫) 作者:丸山 眞男 岩波書店 Amazon 本を読んでいると、同じような記述に出合うことがあります。エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(1941)を読…
自由からの逃走 新版 作者:エーリッヒ・フロム 東京創元社 Amazon エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(東京創元社)を読みました。フロムは社会心理学者で、本書は1941年に書かれています。市井の人々がナチスを支持してしまった心理を明らかにしようと…
もし、みんながブッシュマンだったら 作者:菅原 和孝 福音館書店 Amazon クア・ブッシュマン(自分たちを「クア=われわれ」と呼ぶブッシュマン)の回想。 「とうさん! ぼくはノア(ダイカー)の仔を打ち殺したよ」 とうさんはおれのほうをちらっと見て、そ…
Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 作者:ルトガー・ブレグマン 文藝春秋 Amazon Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章 作者:ルトガー・ブレグマン 文藝春秋 Amazon スティーブン・ピンカーは統計を操作し「人…
ホモ・ルーデンス (中公文庫プレミアム) 作者:ホイジンガ 中央公論新社 Amazon 以前、少年野球を観ながら、ふとこんな疑問が湧いたと書きました。 メジャーリーグやプロ野球に負けず劣らず、素人野球の観戦が楽しいのはなぜか? 大リーグはムキムキの男性た…
ホモ・ルーデンス (中公文庫プレミアム) 作者:ホイジンガ 中央公論新社 Amazon 読んでおかねばと、ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』(中公文庫)を通読。ホイジンガ(1872〜1945)はオランダの歴史家です。1938年に発表されたこの本では、人類はホモ…
自由論 (光文社古典新訳文庫) 作者:ジョン・スチュアート ミル 光文社 Amazon J・S・ミル『自由論』(1859)を再読する気になったのは、この本に照らして日本がどのくらい酷いかを確認するためでした。今回は光文社古典新訳文庫を読みました。 内容をひと…
はたらかないで、たらふく食べたい 増補版 ――「生の負債」からの解放宣言 (ちくま文庫) 作者:栗原康 筑摩書房 Amazon 1ヶ月ほど前、NHKラジオの高橋源一郎「飛ぶ教室」に栗原康がゲスト出演しました。栗原氏も(高橋氏もですが)私と同じタイプだとすぐにわ…
ルポ 大学崩壊 (ちくま新書) 作者:田中圭太郎 筑摩書房 Amazon しばらく前のこと。 外出先でビール飲みながら、買ったばかりの田中圭太郎『ルポ 大学崩壊』(ちくま新書)を読み始めたらクラクラしました。小泉政権、安倍政権下で、大学の腐敗がここまで進ん…
その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱 作者:高橋久美子 ミシマ社 Amazon 高橋久美子『その農地、私が買います』(ミシマ社)を通読。著者がなにかのラジオに出演されていたので知っていました。父親が売って太陽光パネルに覆われることになった愛媛…
緑の哲学 農業革命論: 自然農法 一反百姓のすすめ 作者:福岡正信 春秋社 Amazon 服部文祥『お金に頼らず生きたい君へ』に、福岡正信『緑の哲学』が出てきたので、積ン読本からを見つけて読みました。 冒頭から面白い。 脱学校や脱道路を唱えたイリイチ(イリ…
お金に頼らず 生きたい君へ: 廃村「自力」生活記 (14歳の世渡り術) 作者:服部 文祥 河出書房新社 Amazon 1ヶ月ほど前に、服部文祥『お金に頼らず生きたい君へ』(河出書房新社)を読みました。 限界集落の廃屋と3000坪の土地を20万円で購入し(固定資産税は…
学びの本質を解きほぐす 作者:池田 賢市 新泉社 Amazon 「人材」「人的資本」「生産性」なんて単語を苦々しく見ていましたが、先史社会のことを考えるうち嫌悪感が増しました。現代人は人格全てが資本主義に取りこまれているみたいです。人間は材料でも資本…
学びの本質を解きほぐす 作者:池田 賢市 新泉社 Amazon 私はただいま57歳。微分積分とか三角関数とか、仕事上不必要なこともあり、私はいまだに理解していません。数学は崇高な学問と認識していますが、高校の数学を「ちゃんとやっておけばよかった」と後悔…
反「暴君」の思想史 (平凡社新書) 作者:将基面 貴巳 平凡社 Amazon 先日書いた将基面貴巳『従順さのどこがいけないのか』(ちくまプリマー新書、2022刊)は、『反「暴君」の思想史』(平凡社新書、2002)を若い人向けに書いた本だとあったので、しばらく前に…
日本の私立大学はなぜ生き残るのか-人口減少社会と同族経営:1992-2030 (中公選書) 作者:ジェレミー・ブレーデン,ロジャー・グッドマン 中央公論新社 Amazon 私が広島で浪人していた1980年代半ば、予備校の英語講師がこう言いました。 「数年後、◎◎市に私立大…
パンとサーカス 作者:島田雅彦 講談社 Amazon 島田雅彦『パンとサーカス』読了。550ページの長編エンタテイメント小説でした。作品に書かれたテロリズムが安倍晋三元首相の銃殺を連想させるのか、事件後、よく読まれているらしい。 パンとサーカスとは、2世…
従順さのどこがいけないのか (ちくまプリマー新書) 作者:将基面 貴巳 筑摩書房 Amazon 狩猟採集生活を知って驚いたことの一つは階級がないということです。リーダーさえいません。親も息子や娘に向かって「大人に従え」とは言いませんし、体罰もないようです…
コン・ティキ号探検記 (河出文庫) 作者:トール・ヘイエルダール 河出書房新社 Amazon 島泰三『魚食の人類史』で、簡単に魚が獲れる例としての話が出て来たので、ヘイエルダール『コン・ティキ号探検記』(河出文庫)を読みました。その昔、子ども向けの本を…
魚食の人類史: 出アフリカから日本列島へ (NHK BOOKS) 作者:泰三, 島 NHK出版 Amazon 島泰三『魚食の人類史』(NHKブックス)は、霊長類としての人間のニッチ(他種と競合しない食べ物)は魚であるということを前提に、人類史を俯瞰する一冊でした。島氏はサ…
ぼくは猟師になった (新潮文庫) 作者:千松 信也 新潮社 Amazon 私もいずれ罠猟をしながら生活できないかと夢想しています。 千松信也『ぼくは猟師になった』(新潮文庫)を読みました。著者がどうやって罠猟を始めたのか、どんなふうに猟をしているのか、が…
ギフトエコノミー ―買わない暮らしのつくり方― 作者:リーズル・クラーク,レベッカ・ロックフェラー 青土社 Amazon たった100〜200年の間に、産業主義・資本主義は指数関数的な人口爆発を生み、過去にないスピードで環境を破壊してきました。労働者や貧しい国…
大衆の反逆 (ちくま学芸文庫) 作者:オルテガ・イ ガセット 筑摩書房 Amazon 大衆の反逆 (岩波文庫) 作者:オルテガ イ ガセット 岩波書店 Amazon 読まなきゃ読まなきゃ、と思っていたオルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』を一週間ほど前に読了しました。オル…
増補 南京事件論争史: 日本人は史実をどう認識してきたか (平凡社ライブラリー) 作者:十九司, 笠原 平凡社 Amazon 積ん読本解消中です。あるニュースを見て、先日ちょっと触れた笠原十九司『南京事件論争史』(平凡社新書)のことをメモしておきたくなりまし…
黒いワールドカップ (現代プレミアブック) 作者:デクラン・ヒル 講談社 Amazon デクラン・ヒル『黒いワールドカップ』(山田敏弘訳、講談社)を再読しました。ドキュメンタリーとして面白いし、なによりワールドカップでの八百長が生々しく語られています。…
あなたの見ている多くの試合に台本が存在する 作者:デクラン・ヒル カンゼン Amazon 『黒いワールドカップ』の著書もある、ジャーナリスト・研究者デクラン・ヒルの『あなたの見ている多くの試合に台本が存在する』(山田敏博訳、KANAZEN)を読了しました。…
脱学校の社会 (現代社会科学叢書) 作者:イヴァン・イリッチ 東京創元社 Amazon イヴァン・イリイチ『脱学校の社会』(東京創元社)を読みました。原著は1970年刊行。(東京創元社の表記では、イリッチですが、イリイチに統一します。原題は、Deschooling Soc…