狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』

エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』(1961)は英国の植民地政策を詳細に調べ上げた労作でした……が、専門的すぎておすすめしません。三角貿易とかね、アフリカ系の奴隷の重労働と引き換えに、稼ぎまくりましたね。ひどい話です。

イングランドの人々はティータイムを誇るべきイギリス文化と信じています。世界のどこかで黒人奴隷が働いているという自覚はあったにしても、砂糖や紅茶がどんな植物からできているか知らなかった。今の日本人も、どんなふうに生っているのか知らないフルーツをスーパーで買っていますけど。

世界をひとつの資本主義体制ととらえて考えることを世界システム論と言います。『資本主義と奴隷制』の解説を書いた川北稔の『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)が参考になります。世界システム論をより詳しく知りたいなら、ウォーラーステインを。

表面的には植民地や奴隷がなくなったものの、資本主義は労働者を奴隷として搾取しつづけている、という話を知りたければ植村邦彦『隠された奴隷制』(集英社新書)をお読みください。