狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『その農地、私が買います』

高橋久美子『その農地、私が買います』(ミシマ社)を通読。著者がなにかのラジオに出演されていたので知っていました。父親が売って太陽光パネルに覆われることになった愛媛の農地を、次女である著者が買い戻し、自然農法で野菜をつくる話です。

東京と愛媛の二拠点生活のつもりでしたが、コロナが流行して帰りづらくなり、農作物は妹や知り合い夫婦にほとんど任せています。いきおい、畑仕事の実践よりも、土地を買う手続きの話やF1種子についての考え、食文化に関する話が多めです。十勝の自給率1200%の町に行った話も良かった。

面白く読んだんですが、あとがき「長い追伸」に、田舎のオヤジ中心社会というか、田舎の代々の怨念というか、「ザ・ムラの掟」ともいうべき悪夢のようなエピソードが書かれていて、そこがいちばん強烈でした。現実はままならぬ。