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南海トラフ巨大地震について 1/2

8月8日16時43分、宮崎県沖でM7.1の地震が発生、最大震度震度6弱が宮崎県で観測され、宮崎県や高知県に津波注意報が出されました。

私はラジオによる災害情報を聞いていましたが、南海トラフ地震との関連を検討すると報じられたせいでしょう、17時過ぎにテレビを見ると、「南海トラフ地震が起きたらこうなる」みたいな映像が流れていました。天守閣からしゃちほこが落ちてきたり、夜の街であちこちに火の手が上がっていたり……。気象庁制作のCGでしょうか。煽りすぎじゃないかとテレビを消しました。

19時45分ころ、気象庁が記者会見。南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」というのが出ました。私は通常通りの生活をしますが(1週間分くらいの備蓄はあります)、Xなどを見ると、必要以上にビクビクしている人もいるらしい。

政府のサイトを見ると、南海トラフでは、西暦1400年以降、100〜200年に1度、広範囲の大地震が起きているとのこと。政府は、M8〜9クラスの巨大地震が、今後30年間に70〜80%の確率で発生すると予測しているのだそうです。

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さて。落ちつきましょう。動悸がおさまらない方は深呼吸を。

2020年1月、TBSラジオ「久米宏ラジオなんですけど」に東大教授ロバート・ゲラーが出演して、日本の地震予知はおかしいと発言していました。

同氏は、最近、東洋経済にこんなネット記事を書かれています。

地震予知なんかできないと学者はみんな知っているというのです。

南海トラフ地震も首都直下型地震も近いうちに起きることは間違いない。それはゲラーさんも認めています。ただし、ここで言う「近いうち」とは「明日」かもしれないし、「20~30年後」かもしれないし、「100年後」「1000年後」かもしれない。46億年という長い時間を刻んできた地球にとっては、これくらいの幅も「近いうち」の範囲なのだそうです。》(TBSラジオ)

筆者としては、地震発生というものは非常に複雑な非線型現象で、地球内部の詳細な応力分布などに敏感であり、予知することはできるはずがないと考えている。》(東洋経済)

繰り返しになりますが、政府は、過去1400年間の歴史を見ると、南海トラフでは約100〜200年の間隔で大地震が発生しているとしています。直近では、1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震がそれに当たるそうですが、するとまだ80年しか経っていません。「今後30年に70〜80%の確率で発生」ではなく、「今後120年のあいだに100%の確率で発生」というべきではないでしょうか。

不思議なことに、南海トラフや首都直下型地震ばかり強調されます。私が東京に出てきた30年近く前、友人が「東京は地震が多いから気をつけて」と言われたものですが、阪神淡路、新潟中越、東日本、熊本、北海道胆振地方、能登半島……と、別の地域で大地震が発生してきました。

どうやら、利権がからんでいるようなのです。

《(……)政治とマスコミも反省すべき点は少なくない。結局政治は防災利権を食い物にしたとのそしりを免れないだろう。またマスコミも、御用地震学者から得た情報を十分な裏を取らずに垂れ流していることが多い。新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震などが示したように、日本は地震国であり、いつでもどこでも地震は起こりうる。日本に住む者ならば誰でも、当面の地震対策として「想定外」を想定しておくしかない。》(東洋経済)

この話、もう一回続きます。

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念のため書きますが、私は南海トラフ巨大地震が来ないとは断言しません。ゲラー氏がいうように、南海トラフは明日来るかもしれないし、150年後に来るかもしれません。地球の時間は人間の時間感覚よりスケールが大きいのです。また、ほかの地域で明日地震が起きるかもしれません。あんまり限定的に考えず、地震大国・日本では、いつどこで揺れるかもしれません。そのための備えは必要です。