狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

愚痴です。

このブログ、知り合いはほとんど見てないはずなので、積年の愚痴を。

自分が認識している世界と、他人が認識しているそれが同じだなんてことはありません。私は資本主義や学校教育を否定していますが、世の中にそんなことを言う人は稀です。「新自由主義社会のなかで、勝ち組になりたい」と考え、受験勉強して一流企業に入り、自己啓発本やビジネス書を読んで努力する人は多いでしょう。与えられたフレームのなかで生きるのは現実に即した対応ですが、とりこぼされた人に思いを馳せたり、現代の社会システムを客観的に把握できてなければ、搾取されるだけの奴隷です。

ネットを見たり、話をしていると、「この人は逆さメガネをかけてるんじゃないか?」と驚くことが多々あります。とりわけ発話者・発信者が身近な友人だったりすると、ショックが大きい。

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以下、思い出すままに。ちなみに、登場する友人のほとんどは、一般的に優秀とされる大学を卒業していて、職種はいろいろですが会社員としてそれなりに出世しているようです。

安倍晋三政権を消極的に支持する友人と呑んだことがあります。友人は、「安倍政権に問題があるのはわかってるけど、現に、景気はいいんだし」と言いました。彼は、税制で優遇される富裕層ではありません。ちょうど、厚労省が毎月勤労統計の方法を変えて、好景気を盛っていたことが問題になっていました。

安保法制が強行採決された2015年のこと、ある友人は、デモの効果を疑問視したうえで、若者が意見を表明することを SNS で批判。「自分の娘が SEALDs に参加するといったら説教してやめさせる」とも書きました。彼は、のちに『スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む』を読んで感心していたので、飲み会で会ったとき「娘さんをデモに参加させないと書いていたけど、あの本の考え方と相反するんじゃないか」と言いました。「娘さんは成人していて親とは別人格なんだし。管理しようとするのはおかしい」とも。そのときは納得したようでした。デモに関して他に効果がある社会運動があれば教えてくれと言ったのですが、そちらは具体的な答えがなく。私はフラリとよくデモに行くので、内心バカにされているのかもしれません。

外資系の企業に勤める友人と、公益通報者が守られないことについて話したことがあります。彼は「世の中のコンプライアンスの意識はどんどん高まっていて、公益通報者はしっかり保護される」と主張します。「それは、自分の半径5メートルくらいの実感ではないのか」と質問すると、「社会全体だ」と彼は自信たっぷりに断言するのでした。しかし、その後も告発した人が逆に指弾された例は枚挙に暇がありません。最近では、鹿児島県警や兵庫県知事を告発した人が逮捕されたり自死したりしているではありませんか。ちなみに、この友人とはある災害のボランティア現場でたまたま一緒になったことがあります。

数ヶ月前、大学の先生とゼミの後輩2人(男女)とで飲んでいたんです。後輩男性が、ある話題について、こう語ります。「最近、男女平等がどんどんうるさくなって、男性への逆差別が起きてる」。先生も後輩女性もウンウン言いながら楽しく話していたんですが、「そんなことないと思うよ」と言いました。日本では、生まれたときにチンポコがついているかいないかで、スタートラインが違うのです。言う間でもなく有利なのは男です。「女による男への差別」だなんて、私はまだないと思うと表明したのです。その場は一瞬シーンとしましたが、会話が滞っても、ひとこと挿まなきゃ「逆差別」とやらに同意したことになるでしょ。

「よく『失われた30年』というが、誰の何が失われたのかわからない。 自分はこの30年充実し成長してきた。『失われた30年』という決まり文句を言う輩はみな呆けた顔をしている」と書いた友人がいて、私は腰を抜かしました。失われた30年とは、政府が大企業と一体化して新自由主義を推し進め、自分たちが潤うため、日本の庶民の可処分所得を奪ってきた時期を指します。政府の重要な仕事のひとつは再配分なのに、自公政権は逆に庶民を締めつけるのです。貧しくなったのはお前の努力が足りないからだと自己責任論を押しつけ、疲弊した庶民の税負担をますます高めます。少子高齢化が止まるわけはありません。一方で、自民党議員は裏金をつくって逮捕もされないのです。こんな状況ですが、友人は自分が成長したので問題ないらしい。彼は斎藤幸平『人新世の「資本論」』を読んでいたはずですが……。

今月頭、会社員の友人と会ったとき政治の話になりました。友人一家は自民党を支持していたんですが、さすがに見切りをつけることにし、家族で次なる支持政党を検討したそうです。結果、新たに支持するのは参◎党なんだそうです。そりゃちょっとマズいだろうと◎政党を批判すると、「サラリーマンの政治に対する意識ってこんなものよ」と言われました。

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こう列挙すると、自分のほうがおかしい気さえします。友人に過度に期待しているのかなあ。異なる意見を聞いて深く考えたい気持ちはあるんですけど、低い次元でひっかかっちゃうのです。

最近、信頼している友人から「ものごとがはっきり見えすぎてて、かえってつらくないか」みたいに心配されました。「そんなことないよ」と即答したんですが、わからなくなってきちゃった。

YouTuber 石丸伸二によって166万人もの都民がころりと騙される世の中です。テレビで誰かが言ったことを話すコピペ人間、1500ccの脳味噌を持つのになにも考えないホヤ人間がたくさんいるのはわかっているんですが、身近な人がピント外れのことを言うと不安になってしまいます……というお話でした。全部愚痴です。

王様の耳はロバの耳。

改めて、この本は必読です。