狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

もしも「TOKYO2020」の2020が……

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前夜、「どうかマドリードかイスタンブールに決まりますように」と祈りながら寝た私は、2013年9月8日の朝に目覚めてテレビを点けました。

愕然としました。

IOCロゲ会長が「TOKYO2020」と書いたカードを見せ、招致委員会の面々が湧き上がる映像が映ったからです。現小泉大臣夫人の「お・も・て・な・し」とか現前総理「アンダーコントロール」とかいうスピーチも繰り返しワイドショーで流れていました。

復興五輪と言いながら、福島などの被災地に割くべきマンパワー・資材・資金などのリソースをオリンピックに回すというのです。クラクラしてテレビを消しました。SNSを見ると、友人たちが明るい話題だと喜んでいました。

東北大震災からずっと、私は鬱々と生きているのです。愉しいこともあるけれど、毎日、あの日のことを思い出しています。

安倍氏の「アンダーコントロール」発言については、翌2014年3月3日の参議院予算委員会で、民主党・那谷屋正義議員とこんなやりとりがありました。(→国会議事録

那谷屋正義 [略]それ[引用者註=アンダーコントロール]をお聞きになった福島県民がどう受け止められているというふうにお考えか、それについてお聞きをしているところであります。(発言する者あり)

安倍晋三 今、後ろの方からふざけんなよという話がございましたが、先般も私は福島県に参りました際、例えば相馬市の市長からは、水産物が大変な風評被害を受けている中においてよく言っていただいたという話もありました。
 ただ、我々は決して収束したとは言っていないわけでございますが、ただ、まだ汚染水の様々な報道がある中において、報道でコントロールできていないではないかという方々もおられたんだろうと、こう思うわけでございますが、要は、英語のプレゼンテーションの中において、大切なことは、あのときは、まさに日本はちゃんと対応できていないのではないか、事態も全く掌握できていないのではないかという中において、そういう国にはオリンピックを任せることはできないねという雰囲気があったのは事実であります。それをいかに私は、日本の総理大臣としてその雰囲気を払拭することができるかどうかが私のスピーチのポイントでございましたから、そのところにおいて、私は責任者としてそれはしっかりと事実を掌握をして対応していますよという意味においてコントロールしていますよということを申し上げたところでございます。

 つまり、「あのスピーチのポイントは放射能の影響を過小に見せること」であり、「嘘も方便でした」と言っているのです。

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招致成功と聞いてショックを受けた朝から8年近くが経ちました。

「東京オリンピックの年まで生きていられるかね」という高齢の知り合いが何人かいらして、「彼ら彼女らの生きる張り合いになるなら、東京オリンピックがあってもいいかな」と感じたりもしましたが、ほとんど鬼籍に入られました。

今回の騒動で、「平和の祭典」とかいったお飾りは吹き飛び、欲望だけが剝き出しになっています。ほんと、こんなのでいいのでしょうか。

すでに一部の競技では予選がスタートしているようです。明日7月23日ははいよいよ開会式なのに、開閉開式のディレクター小林賢太郎が解任されたり、選手団にコロナ感染者が出たりと、バタバタが続いています。

この国にあっては、コロナウイルスもアウトオブコントロール。水際対策もバブル方式もできません。IOCは感染者が何人出てもいいんです。前にも書いたとおり、大会を開いてやりとおせば勝ち。放送権料などが入って来ます。菅政権は選挙のことしか頭にないので感染者が増えるのはちと困りますが、1人でも多くの選手にメダルを獲って国民が昂揚するのを願っているはずです。

東京都の新規感染者はぐんぐん増え、22日は1979人。

もしかして、ロゲ会長の「TOKYO2020」とは……新規感染者2020人という意味だったのかも!?  いやいや、失礼しました。悪い冗談です。

本日からオリンピックに合わせて4連休。ニュースでは、空港、新幹線、高速道路などが混雑していると報じられました。小池百合子都知事はうちにいろと言いますが、オリンピックやってんだもんな、みんな夏を満喫したいのです。来月初旬は地方の感染者も増えるでしょうが……。

オリンピック反対。

──東京オリンピックまであと1日。