狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

TOKYO3177

今朝テレビを観たら、電波ジャックされたかのようにオリンピックばかりやっています。

選手がマスクなしで抱き合ったりするのを観ると、まったくのパラレルワールドですね。ザッピングしたら、始まったばかりのニュースがありました。ホッとしたのも束の間、「なんとかともる選手が銀メダルです」と言います。

オリンピックがほかの国際スポーツイベントと決定的に違うのはコンテンツが豊富にあることで、だからどのチャンネルにもたいてい日本人が映ります。どこかの局が「スポーツのチカラ」と画面に表示していましたが、スポーツの力って何でしょうか。少なくとも「コロナに対する免疫をアップさせる力」ではありませんね。

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きのうの感染者はTOKYO2848、本日はTOKYO3177。2日連続で過去最多を更新しています。全国で見ても最多の9500人超だそうです。

覚えていますか、6月に、組織委からこんなフワッとしたグラフ(「五輪開催で感染者が急増、東京1日1000人に…政府が試算 パラリンピック開幕を直撃」→東京新聞)が示されました。

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(略)6月以降、都内で人出が毎週5%ずつ増加すると仮定。大会を開催するケースではこれに、五輪時に1割、パラリンピック時に5%の人出増を加味した。

 ただ、ワクチン接種は5月末までの接種分しか考慮していないといい、実際には接種が進み、感染者数が試算より抑えられる可能性もある。

この表に、実際の新規陽性者をだいたい重ねてみました。(→NHKサイトより)

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組織委が示したグラフがどれだけ杜撰か、わかろうというものです。ちなみに「五輪入国『感染増は限定的』 無観客など人流抑制が必要 東大准教授ら推計」(→日経新聞)なる記事には別のグラフもあります。どれだけオリンピック・パラリンピック開催のリスクを低く見せたかったのか……。

オリンピックに合わせてつくった4連休で、多くの人が帰省や旅行で東京を離れたといいます。「感染拡大は人の接触や移動にともなう」は昔からの常識です。北海道や沖縄の感染増が4連休の影響であるのは間違いありません。

週末に用事があって出かけたりすると驚きます。マスクを着けている点が違うだけで、人出はコロナ前と同じようなものだからです。人出がガクッと減る要素はありませんから、しばらく感染者は増え続けるでしょう。お盆休みはどうなることやら。

ちなみに、菅義偉首相はきのうの記者会見で「ジンリューが減ってきている」と発言したそうですが、今日の閉会中審査(衆議院内閣委員会)で西村康稔大臣に否定されていました。

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ところで。こんなことをいう人がたくさんいるのです。

感染爆発はオリンピック開会式の前から始まっている。だから、第5波はオリンピックが引き起こしたものではない。オリンピック反対派は黙れ!

もう1度書けば、人の動きと感染リスクは相関性がありますから、渡航者により感染が拡大する可能性はあります。しかし私がオリンピックに反対している理由は「海外からウイルスが流入する可能性があるから」だけではありません。

  • 海外選手、スタッフ、記者たちが日本でコロナ感染し、持ち帰る可能性があるから。

1ヶ月ほど経て、世界のあちこちから「オリンピック株蔓延」と言われなければいいんですが……。ほかにも、開催を喜べなかった理由はありますよ。

  • 選手たちがマスクせずに喜び合ったりしているのを見て、市民の気が緩む。
  • 今回、事前合宿できなかったり行動制限されたりして海外の選手は心身ともに最高潮の状態で臨めない。スポーツに必須のフェアネスが確保されない。

危険であるだけでなく、たいへん不公平な大会に映るのです、私には。