狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『いだてん』最終回を1分くらい見た感想。

私、何度か大河ドラマ『いだてん』について書きましたが、金栗四三ファンからすると伝記との乖離が気になるのです。妻スヤと幼馴染みだったというところからモヤモヤします。「フィクションだからといって歴史をねじまげていいのか問題」について考え込んでしまい、結局、観るのをやめてしまいました。知り合いにはファンがいてSNSで情報が飛びこんでくるんですが、途中は人見絹枝や前畑秀子など、スポーツあるあるになった模様。私、スポーツ選手の伝記やオリンピックの歴史を読むのが好きですけど、やはり事実と異なることも出ていたようで、観つづけてたらずっとモヤモヤしていたに違いありません。

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土曜日、高尾山口駅そばの『極楽湯』で汗を流し、一杯吞んでいると、『いだてん』再放送が大きなテレビに映っていて、ときどき覗きました。翌日(今日)の予告にカンニング竹山が映りました。

以前ラジオで聴いたんですが、竹山は1964東京オリンピックの最終聖火ランナーが実際に待機した「水明亭」の常連だったのだとか。「うちの店が『いだてん』に出るから死んだお父ちゃんの役をやってくれない?」と現店主のお母さんに言われていて、その希望が間接的にクドカンに伝わり起用されたらしい。

聖火ランナーが待機しているところに金栗四三が現れます。「そんな事実はないよな。たった半世紀ちょっとの歴史をねじ曲げるなよな」とまたもモヤモヤしました。

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「水明亭」は去年閉店しちゃったんですよね。皮肉なことに、オリンピックによる再開発のためだと読みました。リンクの記事の動画を見ると、2017年の段階では「2020年も営業する気満々」じゃないですか。悲しくてやれんですよ。

1964東京オリンピックは高度経済成長とイメージが重なり、楽しいお祭りという印象ですが、もちろん光ばかりではありません。立ち退き問題も影のひとつです。首都高の突貫工事もあり、多くの人が立ち退きを余儀なくなれました。今回は、霞ヶ丘アパートもなくなりましたね。 

1964年大会では重要な場所であった「水明亭」が、2020年大会のせいでなくなるなんて、まさしくオリンピックの光と影。嗚呼。

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