狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

ナイキ旋風

【前書き】私はナチュラルラン派ですしシューズに金をかけたくないこともあり、数百キロしかもたないといわれるヴェイパーフライを買うつもりはありません。ズームフライは安売りしているのを買って試したことはあります。扁平足に間違われるほど足裏の筋肉が発達している私は、土踏まずのところが盛り上がっているズームフライは合わず……。結局、最近はずっと足袋とかサンダルとか、アルトラか、アシックス・ソーティです。

もうひとつ。私はニューイヤー駅伝も箱根駅伝もハイライトしか見ていません。

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これは、1月4日の楽天セール(だったかな)での、ジョギング・マラソンシューズのランキングです。ズームフライが人気ですね。

元日にはニューイヤー駅伝で旭化成が、2、3日には箱根駅伝で青山学院が、ナイキ ズームXヴェイパーフライ ネクスト%(→公式サイト)を履いて大会新記録を叩き出しました。かつてアディダスブームを牽引してきた青学までが……とは思いましたけど、背に腹は変えられない。箱根駅伝でのヴェイパーフライ率は84%だったとどこかで読みました。おそらくシューズのおかげもあり、いろんな大会で記録が更新されています。

ナイキの戦略は売り上げにも直結していると思われます。

もはやIOCはこのシューズを道具のドーピングとして禁止しないと思います。各社もこの手の高機能シューズを開発しているとも噂されていました。下にリンクした記事の、ミズノの白シューズが謎めいていて面白かった。

下にリンクさせてもらったblogでは、ミズノの白い謎シューズを履いたのは7人。結果は、

 創価8区・鈴木大海選手=区間10位
 創価10区・島津雄大選手=区間1位(区間新)
 法政5区・青木涼真選手=区間4位
 日大1区・横山徹選手 =区間15位
 日大4区・武田悠太郞選手=区間18位
 日大9区・橋口大希選手=区間20位
 国士舘5区鼡田章宏選手=区間20位

とのこと。山登りの5区で2人が履いたんですね。
最後にリンクした記事では、《現在発売されている「ウエーブデュエル」シリーズの後継モデル(プロトタイプ)であり、内蔵されているのは陸上界で噂されているカーボンプレートではないそうです》とあります。

www.rikujyokyogi.co.jp

辺見庸『永遠の不服従のために』

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要らぬ前置きをすると、私は狩猟採集民の話を読み、彼らの生活や心境を鏡にして現代社会や自分自身の常識を疑っているのです。みなさんが海外旅行をすることで、日本のおかしさに気づかされるようなものです。現代に残るわずかな狩猟採集民の生活を見ると、労働時間は短く、上下関係はなく、平等分配をします。定住する前は、おそらく人間はそういう社会を生きていたのです。

獲物がとれたら自分や自分の家族だけでなく所属する血縁的小集団で均等配分するのがあたりまえだった初期の狩猟採集社会からすると、格差が広がる今の日本社会は異様です。財産がないし、人口密度が低いので戦争が起きることもないのです。

私が政治や社会問題に対して意識的になったのは、恥ずかしながら東日本大震災以降のことです。四十代半ばまでは、半径10メートルくらいしか見ていなかった気がします。パッと見、あたりが幸せならば、それでよかったし、自分の生活を安定させるために汲々としていたのかもしれません。日本にも日本以外の国にもふしあわせな人がいて自分たちとつながっている、という当たり前のことが想像できなかったのです。

辺見庸『永遠の不服従のために』を読みました。2001年から翌年にかけて「サンデー毎日」に連載されたエッセイです。

世界を無茶苦茶にするブッシュ、アメリカの言いなりになり憲法を無視する小泉純一郎首相と安倍晋三官房副長官、まったく機能しないメディアについて、筆鋒鋭く批判していきます。

やっと最近、私も勘づきました。新自由主義(ネオリベラリズム)とは、権力を持つ金持ちがもっと稼げるように、自分たちでシステムを作っていく社会です。一方で、弱者への再配分(社会保障など)はどんどん削り、本来救済されなければならない人に向かって「自己責任だ」と言葉の礫を投げつけます。しかも昨年は、逆進性(金持ちにとって有利な税制)の高い消費税を上げました。

先日の受験改革の迷走をご覧なさい。利権を欲しがる文教族が特定企業とグルになり毎年50万人いる受験生を食い物にしようとしました。もちろん官僚の天下り先も用意されます。「何度でも試験を受けられる富裕層の子供に有利な受験方式ではないか」とシステムの不備を問われた萩生田光一文科大臣は「身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と言ったのです。つまり、貧乏人は不利だが、自己責任でやりたまえ、ということです。

レーガンやサッチャー同様、中曽根康弘はネオリベに舵を切り、その流れは今に続いています。国鉄民営化は労組解体を目的とし、結果、労働運動そのものが弱体化したために社会党は支持基盤を失い自民党の一人勝ちにつながりました。組合からの圧力がないんだから労働分配率は当然低下します。結果、JRのサービスは国鉄時代よりもよくなったかもしれませんが、赤字路線がどんどん廃線に追い込まれました。中曽根はローカル線はなくならないと言っていたのに。

辺見氏は、そういった歪つな政治に気づき、ずっと前から我々に警鐘を鳴らしていたのです。ああ、それなのに、私はなんてボンヤリしていたことか。

辺見氏のこのシリーズは『いま、抗暴のときに』『抵抗論 国家からの自由へ』と続きます。「不服従」「抗暴」「抵抗」「自由」などは、狩猟社会民を鏡にして現代社会を見る私にとって共感できるキーワードです。現代社会にあっかんべーをして「逃亡」する手もあるでしょうが、自分だけ逃げおおせればいいとは考えません。

永遠の不服従のために (講談社文庫)

永遠の不服従のために (講談社文庫)

  • 作者:辺見 庸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/05/01
  • メディア: 文庫
 

初の練習会

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入会したランニングクラブの練習会で、座学+LSD15km。
 
なかなか面白い講義でした。
 
とくに練習量の評価の仕方、たとえば今までは走った量を問題にしていたんですけど、同じ10キロ走でもペース次第で評価は変わりますし、ランニングに対してバイクを漕いだぶんや補助トレの運動量をプラスする計算方法などは面白かった。……有料かつクローズドの講座だから具体的に書けませんけど、工夫次第で自分なりの指標はできるかもしれませんね。
 
その後、15kmのアップダウンLSD。10年くらい前に何度か通ったアップダウンを走りました。いまは、もっと近くに適度なアップダウンを見つけたのでそちらを走りますけど、懐かしい。……今は10年くらい前と体重も走力も同じだし、やり直しだわ。
 
この春はレースも入れてないし、今月は準備期として脂肪燃焼に努める所存です。

GARMINの心拍計ストラップ、メンテナンスの方法

GARMINのストラップ、ときどき使っているうちに反応がおかしくなり、そのうち捨ててしまうんですけど、今回は長持ちさせたい。……とはいうものの、動画を見ると、私が過去にやっていた手入れと変わらないような。洗濯機に入れたことはありません。

 

心拍数見ながら走りました

ガーミンの心拍計のストラップを購入しました。以前もポイント練習などでは使っていたんですけど、そのうち壊れてしまうんですよね。デスクの抽斗を見ると、真ん中のセンサーの部分(発信部)は残っていました。ランニングダイナミクスを計測できるセンサーもあったんだけど、見つかりません。ひとまずあれは要らないか。通称「乳バンド」(ストラップ)だけ購入し、センサーの電池を入れ替えると、きちんとGPSウォッチと同期できました。

短距離ランナーの練習をしているうちにスピード持久力が劣化しました。酒に酔って入会ボタンをポチッてしまったマラソン練習会できちんと計測すると、ななんと、AT値(無酸素性作業閾値=無酸素運動に変わるポイント)が5:00/kmだった私。これから心拍数を測りながら、少しずつ上げていこうと目論んでいます。

時計は、GARMIN 630J です。手首で心拍を測るタイプも使ったことがあるんですけど、スピードを出すと、うまく計測できません。手首で心拍を計測するタイプを着けて運動させ、正しく計測できているか検証した論文をどこかで見ました。皮膚の色などに左右されるのか、ズレる人はズレまくっていました。手首計測タイプも改善されるかもしれませんが、心臓に近い部分で計測するほうがより正確だと思われます。

さて、私は安静時55bpm(拍/分)くらいで、走り始めたらすぐに140bpmくらいまで上がり、死ぬほど追い込んだら最大200bpmを少し超えます。安静時の心拍数が低くて目一杯スピードを上げても150bpmなんて方もあり、そういう人が体質的に持久走に向いていんじゃないでしょうか。私はもともと短距離向きなのです。

恥ずかしながら、レースのときに計測した心拍を……。

まずは、2014年10月の新潟Cityマラソン。f:id:mugibatake40ro:20200110114944p:plainこのときは、終始ほとんど4:30/kmで走り、3時間9分台でゴールしました。心拍数はドリフト現象で徐々に高くなり、ハーフあたりで170bpm前後になり、最後は180bpm以上でフィニッシュしています。

続きまして、2017年1月の駅伝。
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キロ4分くらいで3キロ走った記録です。1キロ走らないうちに180bpmを超え、最後の苦しいところでは200bpm超となっています。このころはマラソンに限界を感じていて、明らかに練習不足でした。

以上の結果から、私は170bpmあたりがAT値に相当するのでしょう。呼気による先日の計測でも、AT値5:00/km時の心拍は167bpmでした。すなわち、そのあたりをターゲットに走ればペースランニング、それ以上であればスピード練習ということになります。限界のスピードは200bpmちょい。

今夜は、ずっと心拍数を睨みながら、170bpmくらいを保って走りました。筋トレしすぎたせいもあるでしょうけど、5:10/kmでしたわ。やれやれ。ま、何年かかったってかまわない。あしたがあるぞ頑張るぞ。

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』で練習内容を検討

昨日、キロ5分がAT値という悲しい現実を突きつけられました。^_^

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』を読み直しています。約10〜12分間持続するレースの速度を最高有酸素的ランニング速度(見かけ上のVO2max)を著者は「VDOT」と名づけたうえで、それをトレーニング強度の設定に使います。割り出されるのは、

  • E(Easy)ペース
  • M(Marathon)ペース
  • T(Threshold=閾値)ペース
  • I(Interval)ペース
  • R(Repetition=レペ)ペース

の5種類です「ダニエルズ式ランニング用計算ツールの紹介」というサイトもあります)

仮に、AT値をフルマラソンペースだとする(実際はAT値より少し遅く走る)と、今の私の場合、VDOTは44.5くらい。すると、以下のように算出されます。

  • Eペース=5:50くらい
  • Mペース=5:00
  • Tペース=4:42
  • Iペース=(1,000mの場合)4:19、(400mの場合)1:43
  • Rペース=4:04

ふむ。インターバルは1,000mが4:20で、400mは103秒か……シクシク。ま、これが現実。過去のことは忘れよう。春はレースをなんにも入れていませんので、AT値をまず10秒分上げるためにイチからコツコツやることにします。AT値は減量でも向上するので、春までに4、5キロは瘦せたいと思います。

 
↓ 第3版なんてのが出てるんだ!? 買わなきゃ、かなあ。

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版

ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版

  • 作者:ジャック・ダニエルズ
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2016/03/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

悲報……AT値5:00/km

短距離ランナーになろうと思っていたのに、昨年末、酒の勢いにまかせて、わりと本気のランニングクラブに入会してしまったのですよ。クラブの参加に先立ち、主宰ジムでAT値を計測してきました。

以下、おさらいです。

ATとは、無酸素性作業閾値のことです。鼻歌交じりで走っているところからだんだんスピードを上げると、あるポイントからゼーハーするようになります。有酸素運動から無酸素運動に切り替わるのです。フルマラソンは、AT値の少し前のスピードで走ります。乳酸性閾値(LT)は血中乳酸が急に増えるポイントのことを指し、だいたいATと同じだと言われます。私はマラソン自己ベストのペースが4:29/kmなので、AT値の最高はそのくらいだったのでしょう。

で、計測しました。

呼気を計測するため漏斗のお化けみたいな轡(くつわ)を口に嵌め、呼気を計測します。その状態でトレッドミルを走りました。15分くらいでしたか。

AT値は、5:00/km。チ〜ン。

威張れることではありませんが、じつは主観的運動強度と合致します。持久走をサボっていて心肺が弱ったことが、数値としてきちんと出てきました。4:30/kmペースでマラソンを走っていたのがウソみたい。今は体重が3、4kgオーバーなので、そのぶんを削ればだいぶん改善しますけど……。

この実力なら、1kmを4:20〜30/kmでもインターバルになりますね(と思うと楽勝という気になってしまう情けない私)。6月くらいまではレースも入れず、筋トレに励み、スピードを磨きましょう。半年間で、インターバルの設定を30秒上げられるように頑張ります。

まあまあ、見ててくださいませ。
54ちゃい、ここから上げていきます!!