狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

あけましておめでとうございます。

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なにかひとつギャグを……と思っていたんですけど、浮かばないのです。

なんの変哲もないご挨拶で申し訳ありません。
 
 

 あけましておめでとうございます


 
三が日ですか?

飲んでました。狩猟採集民には暦の概念がなく、つまり正月も年齢もないんですけど、大きな動物が獲れたときなどはハレの日みたいに騒いで、食べ尽きるまで働きません。正月はそんな日だと割り切って(なんつっても締め切りの催促がないもんなあ!)世間に合わせてのんびりしました。初詣ではしませんし、お餅は炭水化物なので元日に雑煮を食べたきりです。

今年からきちんと筋トレすべく、1日から自重筋トレ。2日から走り始めました。本日4日からデスクワークしています。

今夜22時から、ゆる坂をジョギングしながら登っていました。スクワットをたくさんやっているので上り坂ではお尻が痛みます。

小雨が降ってきて、すぐに雪っぽくなりました。折り返して下り始めると、雹に変わります。向い風だったので、顔にバチバチと雹が当たるのです。ニット帽を目深にかぶり、ネックウォーマーで鼻まで隠しました。目はさいわいメガネで守れます。小人が射る小さな矢から目を守るため、ガリバーがメガネをかけたことを思い出しました。

 

【追記】写真は、先月からジョギングのときに履いているアシックス・ソーティ・ジャパンです。紅白で、なんかめでたいのでアップ。フラットソール(前足部と踵のアウトソールが一枚で繫がっている)タイプは初めて試したかもしれません。クッションがありすぎて私にはフワフワした違和感が拭えないのですが、700kmくらいは履きます。

↓リンクしましたが、サイズ注意。

ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

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12月24日の坂道ジョグ

坂道を登っていると「走ってる〜」っていうか、大袈裟に言えば「生きてる〜」みたいな気持ちになりますね。私だけ?

RUNNETのこの記事を読んで、坂道を選択したのでした。

「クリスマス・イヴはランナーが少ない」という私の説、やはり正しいのではないかな。今夜は2人。ひとりは帰宅ランらしき男性、もうひとりは若い男性。ランナーがいない代わりにクリスマスが盛り上がっている感じもない。

唯一ピカピカしていたのはここだけ。「J Smile多摩八角堂」……知らないところです。

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足を伸ばしてサンリオピューロランドや多摩センター駅に行けば、確実にピカピカが見られたんですけど、食事の時間に間に合わないので、やめました。

計11キロ(信号待ちなどをのぞいて)59分くらいでした。プラス、ダッシュ数本。

うちに帰ると、妻がチーズ・フォンデュをつくってました。魚を焼こうとした直前に、今日がクリスマス・イヴだと気づいたらしい。べつに私は和食でもいいんですけど、折角だからと、ワインを一本いただいたのサ。

クリスマス?

年々歳々、クリスマス・ムードが小さくなっていると感じるのは私だけではありますまい。バブルのころは渋谷かどこかのイルミネーションがどんどん早まって、10月1日にツリーが登場した年は腰を抜かしましたが、今は昔。

12月になるとガンガン流れていたクリスマスソングも確実に減っています。夜中ジョギングしてても街や個人宅のイルミネーションが点く時期が遅くなり、数も減っています。街のあの高揚感を醒めた目で見ながら「まだ年末じゃねえだろ。落ち着いて仕事させてくれ」と毒づいていた私ですが、クリスマスっぽさが減退するのもヤバい傾向だと感じます。

景気が悪くなり、ひとびとが高齢化しているということでしょうか。政府は景気が回復していると言っているんだっけ。もう誰も信じないでしょう。

うちは子供がいないこともあり、クリスマスと言っても普段と変わりません。あれは何年前だったかな、「今日は誰も走ってないし、歩いている人も少ないなあ」とジョギングしていたんです。あ、今日はクリスマス・イヴだった、と気づきました。一人だけ、若い女性ランナーとすれ違いました。一瞬目が合い、二人だけの秘密を共有した気になりました……なんちゃってネ。

今日も走って街を観察しよう。

『ごんぎつね』兵十の読み方が!?

走ることにも狩猟採集民にも関係のない、ただ思い出した冗談です。

昔、「タモリ倶楽部」の空耳アワーに出そうかな、と思ったネタがあったんです。

曲は、ビートルズ「ヘイジュード」。ラストでポール・マッカートニーが「ジュッジュード、ジュ、ジュドジュドジュド……」と合いの手を入れるあたり(→YouTube 4:58)です。あのリフレイン、たしか17回半続くんですよね。

組み合わせますのは新美南吉・作『ごんぎつね』のラストシーンです。私の拙い絵コンテともにご覧下さい。

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おわかりでしょうか。

空耳アワーに投稿したらバカ受けだぞと1人で悦に入り、いちおう『ごんぎつね』のテキストを見ると、あらビックリ、兵十に「ひょうじゅう」とルビが振ってあるんです。てっきり「へいじゅう」だと思っていました。というわけで、このネタはボツ。

たまに思い出して友人に確認したら、「へいじゅう」派ばかりです。私だけの勘違いではないらしいのです。ははん、と私はそれで気づいちゃった。

Wikipediaによれば、『ごんぎつね』(正確には『ごん狐』)は「赤い鳥」1932年(昭和7)1月号が初出。教科書に載ったのは1956年(昭和31)だそうです。

1946年(昭和21)年に告示された当用漢字表を見てみました。1981年(昭和56)に常用漢字にとって代わられるまで、当用漢字表は新聞の表記、新生児の命名までに影響を与えていました。むろん教科書もそうです。

すなわち、基本的に当用漢字表に載ってない文字載ってない読み方は使わない方針なのです

漢字制限の歴史にはいろいろなエピソードをうみました。たとえば、代用字。「反撥」の「撥」が使えないから「反発」にしておこう、というようなものです。「臀部」が「殿部」、「顚倒」が「転倒」とか、いくらでもあります。

当用漢字表に「兵」は載っていました。だけど、というか、やはりというか、読み方は「ヘイ」だけでした。教科書や新聞は当用漢字に従わなければならないので、新美南吉が「ひょうじゅう」とした「兵十」を「へいじゅう」に変えたのです。

ついでに言えば、けものへんも大幅に削られていて、狐とか狸とかもないのです。したがって、タイトルも「ごんぎつね」にしたんですね。

私は作者の決めた読み方や表記をこんなことで改めるべきではないと考えています。空耳アワーのネタのひとつくらい、どうでもいいわ。

新美南吉童話集 (岩波文庫)

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新国立競技場の光と影

前々回、オリンピックは光ばかりではないと書きました。影の部分をもうひとつ。

船尾修『循環と共存の森から 狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵』(新評論)にこんなことが書かれています。

──ピグミーが住むアフリカの森がタイの業者によって伐採されるかもしれないという噂が流れてきた。著者もピグミーも(読者の私も)そんなことはさせたくない。狩猟採集民と動植物が生態系を保ちながら暮らす森なのです。しかし、と著者は書きます。日本も、東南アジアから大量に木材を輸入し、原始的な生活を営む人びとの森を奪っているのだ。

私はハッとして本を置き、部屋のなかの木製製品や家具を眺めました。

むかし仕事で京都で北山杉に関する取材をしたさい、安い輸入木材に太刀打ちできない、と伺いました。北山杉も原価はさほどでもないんですが、流通過程で高くなってしまうとのこと。輸入木材は1964年(東京オリンピックの年)に完全自由化されました。1955年に94%だった木材自給率は現在は32%だそうです。林業が衰退すると山林の管理がおろそかになり、災害を引き起こすことにもなります。

さて。新国立競技場の木材について書きたいのです。

《新国立競技場を「国産木材の利用による世界に誇れるスタジアム」として世界に発信していくためには、「すべての日本人が心を1つにするナショナルスタジアムにする」(隈氏)との判断から、日本全国から木材を調達することを決めた。軒庇は、スタジアムの方位に応じて、北側から南側にかけて、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州、沖縄地方の木材を使用する。/エントランスゲートの軒には、北側と東側ゲートは東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の各県の木材を、南側ゲートは熊本地震で被災した熊本県の木材を使う。/材種はスギ(沖縄はリュウキュウマツ)とし、軒庇とエントランスゲートの軒に使う全木材は持続可能な管理が行われているとして認定を受けた森林認証材を使用。各都道府県での調達量は、1自治体当たり1.5-3m3。合計145m3となる。このうち、被災県については4県で40m3となる。》

……ほう。47都道府県の木材を使った、と最近もどこかで読みました。

国内の材木は、見えるところに使われているのでしょう。いわば「光」。

では、「影」とはなにか。

《2017年5月、「熱帯材の使用を直ちに中止してほしい」と声をあげたのが、ボルネオ島の先住民族プナンの人々だった。世界中から14万件以上の賛同署名が集まり、支援団体によってスイスとドイツの日本大使館に届けられた。》

なんてことだ。

我々はたった数週間のお祭りのために、伐ってはならない森林の木材を大量に輸入してしまったのです。そしてそれらを見えない部分に使用した。私は頭を抱えました。森はプナンと人びとや動植物にとって必要不可欠なものです。

ボルネオの先住民族なんて知らねえよと思う方は、ぜひ半狩猟採集民(1980年頃までは移動型の狩猟採集生活だった)プナン族をフィールドワークした人類学者・奥野克己の『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』を読んで下さい。彼らの生活の雰囲気さえわかれば、少しは共感できるかもしれません。

最後まで言おう。

東京オリンピック反対。

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

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循環と共存の森から―狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵

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  • 発売日: 2006/10/01
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『いだてん』最終回、15分くらい見ました。

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「いだてん」の最終回再放送、カンニング竹山の登場シーンまで見ました。15分くらいでしょうか(その間、オープニング曲が流れなかった気がします)。ドタバタ喜劇風なのはわかるけど、私は阿部サダヲのハイテンションな喋り方がちょっと耳障りです。グループ魂のボーカルとしては大好きなんですけど。竹内力と本田博太郎の歌が好き。

おっと、脱線。

VFXの技術が素晴らしい。国立競技場がよく再現されていました。一瞬、解体前に撮影したんじゃないかと思ったくらいです。私はサッカーの天皇杯決勝など、何度かあのスタジアムでスポーツ観戦しましたし、解体間近に開かれた駅伝で通路や競技場を走りました。トップの写真はそのとき座席から見上げた聖火台です。

竹山は「水明亭」の常連で、奥さんが亡くなった主人を演じてほしいいう願いがクドカンに届いたそうです。ラジオで聴きました。

聖火の最終ランナー・坂井義則は、ああいうふうに店先ではなく、奥の座敷にいたはずです。1人で待ってたということもないはず。金栗四三が開会式当日どこにいたかは確認できませんが、あの場に現れたのはフィクションでしょう。

驚いたのはお店にお客さんがいたこと。営業していたんだ。

記録映画のチーフであった市川崑監督(三谷幸喜)はずっとタバコくわえてました。市川監督は前歯が一本なくて、そこにタバコをはめていたんですよね。

以上、今日の豆知識。

「水明亭」は皮肉なことに来年のオリンピックのため周囲の閉店しましたが、神宮球場内のお店はまだ続いているのかな。(今シーズンは健在だったようです)

『いだてん』最終回を1分くらい見た感想。

私、何度か大河ドラマ『いだてん』について書きましたが、金栗四三ファンからすると伝記との乖離が気になるのです。妻スヤと幼馴染みだったというところからモヤモヤします。「フィクションだからといって歴史をねじまげていいのか問題」について考え込んでしまい、結局、観るのをやめてしまいました。知り合いにはファンがいてSNSで情報が飛びこんでくるんですが、途中は人見絹枝や前畑秀子など、スポーツあるあるになった模様。私、スポーツ選手の伝記やオリンピックの歴史を読むのが好きですけど、やはり事実と異なることも出ていたようで、観つづけてたらずっとモヤモヤしていたに違いありません。

★   ★   ★

土曜日、高尾山口駅そばの『極楽湯』で汗を流し、一杯吞んでいると、『いだてん』再放送が大きなテレビに映っていて、ときどき覗きました。翌日(今日)の予告にカンニング竹山が映りました。

以前ラジオで聴いたんですが、竹山は1964東京オリンピックの最終聖火ランナーが実際に待機した「水明亭」の常連だったのだとか。「うちの店が『いだてん』に出るから死んだお父ちゃんの役をやってくれない?」と現店主のお母さんに言われていて、その希望が間接的にクドカンに伝わり起用されたらしい。

聖火ランナーが待機しているところに金栗四三が現れます。「そんな事実はないよな。たった半世紀ちょっとの歴史をねじ曲げるなよな」とまたもモヤモヤしました。

★   ★   ★

「水明亭」は去年閉店しちゃったんですよね。皮肉なことに、オリンピックによる再開発のためだと読みました。リンクの記事の動画を見ると、2017年の段階では「2020年も営業する気満々」じゃないですか。悲しくてやれんですよ。

1964東京オリンピックは高度経済成長とイメージが重なり、楽しいお祭りという印象ですが、もちろん光ばかりではありません。立ち退き問題も影のひとつです。首都高の突貫工事もあり、多くの人が立ち退きを余儀なくなれました。今回は、霞ヶ丘アパートもなくなりましたね。 

1964年大会では重要な場所であった「水明亭」が、2020年大会のせいでなくなるなんて、まさしくオリンピックの光と影。嗚呼。

走れ二十五万キロ マラソンの父 金栗四三伝 復刻版(第2版)

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KINUEは走る―忘れられた孤独のメダリスト

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