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参院選投票日まで時間がない……誰に投じる?

まず、「ゆ党」の説明

今回の参院選が終わったら、その後3年間、選挙で民意を示す機会はなくなります。私も、まだ誰に投票するか迷っています。

まず、ちょっと注意が必要。現代日本には与党と野党以外に、与党補完勢力の「ゆ党」があります。

 与党 自民・公明
 ゆ党 国民民主・維新
 野党 立憲民主・共産・社民・れいわ

ゆ党は純粋な野党ではありません。改憲勢力でもあり、すぐに与党と合流できます。あなたが自公にお灸を据えるつもりで自民から国民民主や維新に鞍替えしても意味がないのです。「自民バーでさんざんボッタクられた。維新バーで飲み直しだ」と店を替えて、さらにボッタクられるようなもの。自民と維新は不祥事や失言した人も多い。気になる候補は検索してみてください。

参院選投票日まで時間がない……誰に投じる?

私は選挙ウォッチャーです。予算委員会の野党質問はだいたい見ます。各委員会も気になる議員の質問はチェックしますし、社会問題にも関心があるほうです。本当は、経済とか外交とか、さまざまな不祥事などの情報を総合的に判断して投票すべきだと考えています。

でも、参院選投票日が迫っていて、選挙には行きたいものの普段あまり政治に興味がないし公約読んだりすると頭がごちゃごちゃする方も多いでしょう。そんな方々に、投票先を戦略的に投票に決める方法を教えましょう。

簡単なことです。代々自民支持だとか、会社から自民に投票するように言われているとか、地元の祭で握手したことがあるとか、そんなの無視。最近の与党政治で、自身やその周囲の生活がラクになったかどうかだけを判断基準にしましょう。経済対策とか、格差拡大とか、円安とか、防衛費倍増とか、環境保護とか、ジェンダー問題とか、LGBTQ差別とか、個別に考える必要はありません(ひとつだけ個別の政策で言えば、中小規模事業主、フリーランスの方、またはその人たちの業界の方々は、今回はインボイス制度反対の党を入れるべきです)。とにかく、

ここんとこ、自身やその周囲の生活がラクであるなら与党(自公)に投票を。
生活が苦しくなったのなら野党(立民・共・社民・れ)に投票すべし。

「野党が増えても、どうせ政権交代しないんだから意味がない」と考えている方、違います。「与党政治で国民が生きづらくなったら、与党の議席が減った」という事実を見せつければ、少しは彼らも考えを改めるかもしれません。苦しくなっても自民を支持するだなんて、奴隷根性です。

さて、戦略的に野党に投票する人は、

選挙区では当落上の野党候補(立民・共・社民・れ)に。
比例は、野党のどこかに投じましょう。

たとえば、「大阪選挙区 情勢」などで検索すると、各新聞社が分析した選挙情勢を公開していて、三春充樹さんが note にまとめてくれています。

 三春充希(はる) ⭐第26回参院選情報部|note

私は、野党にも好き嫌いがありますが、あまり好きではない野党でも、戦術上、投票することがあります。国会ウォッチャーとしては、いい質問をする議員を一人でも多く確保したい。

言葉の自動機械にならない

フォロワーの少ない私のアカウントにからむ人もたまにいます。先日も、ある自称保守タレント某の YouTube 動画をリンクし、「某さんは、野党に投票すると日本人の人権が侵害されるというが、どうするのか」と問われました。しぶしぶ動画を見て、いくつかの論理の飛躍を指摘しました。たとえばある最高裁判決を示して間違いを指摘しましたが、動画をすすめてきた人は自分で両者を照らし合わせることをしません。

街角インタビューなどで「野党は自民党の批判しかしない」とか「野党は対案を示せ」とか、誰かの意見をコピペして、何かイッパシなことを喋った気分になる人がいます。野党が自公の提案した法律に7、8割賛成してきたことや、いくつも議員立法を提出していることを知るだけでも「批判ばかり」が間違いであることはわかるはずですが、自分で確かめたりしないのです。

宮台真司はこういう人を「言葉の自動機械」と呼びます。

野党候補が「消費税を減税します」と言ったら「財源はあるのか」という一般の人がいます。しかし、「防衛費を倍にします」と言っても「財源はあるのか」と問わないのです。なぜなら、与党議員や与党に近いメディアが、国民の税負担を減らすときだけ「財源はあるのか」と言うからです。

私は、丸山眞男がこんなことを言っていたのを思い出します。

 ──自由主義・民主主義・社会主義という系列のイデオロギーは、思想史的に見て多かれ少なかれ理論や哲学に裏打ちされている。それぞれ封建制社会や資本制社会の体制的な変革をめざすために賢い人たちが考え抜いたものだから。
 一方、封建制社会や資本制社会を擁護する側は、考えに考え抜いて論理武装する必要はない。体制に内在する習慣化した生活様式や惰性的な政治意識(殆ど無意識になった政治意識)にアピールすれば足りる。──

古い固定観念に凭りかかり、態度を変えない人たちはラクなんです。「男女平等とか、LGBTQとか、セクハラやパワハラとか、昔はなかったよなあ。アッハッハ」と笑っていれば、なんにも考える必要がないからです。霊長類最大の脳みそにカビが生えます。

Don't feel, think!