狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

東京マラソンのPCR検査、など

本年10月17日に開催される東京マラソンは海外からのランナーを受け入れず、国内ランナーのみで行うとのこと。時事通信のこちらの記事(2021年06月17日 19:56)には、

今大会に出場するランナー、ボランティア、審判員には事前にPCR検査を実施する。

とあります。検査はいいことですが、当選した友人によれば、なんと、PCR検査費6,800円は自己負担とのことです。驚いて東京マラソンの「新型コロナウイルス感染症に関する検査実施について」(→PDF)を読むと、こうあります。

 対策の基本方針「ランナー、ボランティア、スタッフ等関係者の健康管理」・「3密を回避した運営」を柱に検討し、より一層の安全・安心な大会の実現に向け、東京マラソン 2021 開催にあたっては、 ランナー及びボランティア、審判員への事前の PCR 検査を実施することといたしました。また、ランナーの皆様には申込規約にて、新型コロナウイルス感染症対策費の負担の可能性があることをお知らせ していましたが、検査費用相当 6,800 円(税込)については、参加料に上乗せし、ご負担をお願いいたします。検査方法等の詳細については、決まり次第お知らせします。

ボランティアやスタッフ等の検査はさすがに無料でしょうけど、参加者は全額負担と読めます。みんなが検査をするのは参加者だけでなく主催者にもメリットがあると思うから、少しは費用を負担してもいいと思うんですけど。検査会場等も気になります。

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6,800円という金額の根拠もよくわかりません。

以下は、今年3月の参議院予算委員会( 2021/3/17→議事録)でのやりとり。政府がおこなうモニタリング調査では1人当たりのPCR検査にかかる費用を1万7、8千円と設定していると明らかになりました。

○浜口誠君 一件当たりの検査料は幾らでしょうか。

○国務大臣(西村康稔君) 予算の積算上は一万七、八千円程度であります。

○浜口誠君 我が党の検査は幾ら、二千円、二千円でやれるんですけど、何で一万八千円も掛かるんでしょうか。

○国務大臣(西村康稔君) 私ども、民間の検査費用を調べまして、検査一件当たり大体その程度の予算。これ、検査自体は一万六千五百円ですが、スタッフ代なども含めて一万七千円、七千五百円程度かな、と設定をしております。
 ちなみに、行政検査におけるPCR検査の保険点数も一万八千円でありまして、妥当な数字だというふうに考えております。

○浜口誠君 いや、二千円でできるところもあって一万八千円が妥当だという考え方がよく理解できないんですけども、何をもって妥当と御判断しているんですか。

○国務大臣(西村康稔君) まずは今申し上げたPCR検査の保険点数、それから何社かを加重平均して七十八団体を調査をいたしました。東京都における機関七十八団体の加重平均の結果が一件当たり一万六千五百円で、これに検査に伴うスタッフ代などを加えて一万七千五百円程度ということで設定をしております。
 精度であるとかそういったことも含めて勘案した結果でありますが、御指摘のように、もっと広がってくれば価格も下がってくることも想定されますので、数が増えてくればそれに伴う契約によって更に減ることも想定できますので、その辺りは臨機応変に対応していきたいというふうに考えておりますが、スタート時点ではそういった設定をしているところであります。

○浜口誠君 やっぱり高いと指摘せざるを得ません。高過ぎます。国民の税を使ってやる検査ですので、やはり適正な価格で実際やっていただくことを改めて求めておきたいというふうに思います。

西村大臣は、あれこれ言いますが、要は、まわりに合わせたというだけで、PCR検査の費用の詳細をはっきり示せないので。(東京都における機関七十八団体の加重平均の結果が一件当たり一万六千五百円って、これは民間の検査費用ではないのか?)。モニタリング検査は税金でやるんですから、またぞろ誰かの懐に大金が流れていないか、きちんと野党は精査してください。

新型コロナが流行して1年余り、手軽に検査できないという状況自体が行政の失敗だと思うのです。昨年は、テレビのコメンテーターの方々がさかんに「検査すると医療崩壊するぞ」と喧伝していたようですが、その理屈は厚労省が発信源だったとのこと(「PCRが受けられない」訴えの裏で… 厚労省は抑制に奔走していた→東京新聞2020/10/11)。妙なことばかり起きます。オリンピック選手村は毎日検査するそうですけど、医療崩壊しないのかね。(PCRではなく抗原検査だから大丈夫か)

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近年、堂々と利権をむさぼる人たちが出てきて、なんでもかんでも根こそぎ持っていこうとします。東京マラソンは明朗会計ではありませんし、PCR検査の妥当な金額すらわかりません。モヤモヤはおさまりませんが、せっかく参加されるみなさん、頑張ってください。