狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『感染症の世界史』

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数ヶ月前、書店にたくさん並んでいた文庫本『感染症の世界史』をなんとなく購入、先日読んでみると期待以上に面白い。情報が盛り沢山、雑学本のようにも感じました。著者は環境問題の研究者だそうです。2014年に洋泉社から刊行された本に加筆し、2018年に角川から文庫化されたようです。

たとえば、あるウイルスの系統を辿ると、アフリカを出て人類がどのように世界中に移動したかとか、日本列島では弥生人が縄文人を中央から押し出していったとか、そんなことが分かるそうです。

人類はアフリカを出て地球上に拡がり、定住・農耕を始めてからは動物に由来する病気が増えていきました。100年前、スペイン風邪が猛威をふるったときの世界の人口は18億円、現在は76億人。たった100年で人類は4倍まで膨れ上がっています。もはや世界から感染症がなくなることはなく、人口爆発、自然破壊、人の移動、貧困格差拡大などでむしろ増えていくのだろうと思います。

地球温暖化も問題です。たとえば、デング熱を媒介するヒトスジシマカは1950年頃、福島県にはいなかったのに、暖かくなった昨今、秋田県や岩手県まで分布しているそうです。

生まれてこのかた自粛するほどのパンデミックは日本では経験しなかったのですが、もしかすると、感染症におびえることなく一生を終えることのほうが珍しいのかもしれません。今後はできるかぎり罹患しないよう注意しながら感染症と共存していくしかないような気がします。