狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

東京の感染者増加と自己責任論

本日の新規感染者数は124人とのこと。2日連続で3桁となりました。この記事にもある表を見ますと、ちょうど3ヶ月まえ、すなわち4月に入ったころのカーヴを描いています。4月初旬はいまより検査態勢が不充分だったのでしょうし、検査に対する陽性率、重症者数なども見るべきなのでしょうけど、単純に数字だけを比較すると、よく似ています。4月の東京都は1日平均120人以上のペースで増え続け、5月の連休あたりでいったん落ち着いていきました。

政府が7都府県に「緊急事態宣言」をしたのは4月7日(ただし休業要請はなかった)。東京都が休業要請をしたのは4月11日からでした。東京の緊急事態宣言が解除されたのは5月25日、意味がないといわれたいわゆる「東京アラート」は6月2日に始まり、11日に解除されました。

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 今回、小池百合子都知事は「夜の街」を連呼することで仮想敵をつくり本質から目を逸らせています(数ヶ月前は「パチンコ店」がターゲットでした)けど、そもそも4割くらいは感染経路不明なんですよ。

5日は都知事選投票日です。下手に波風立てたくないのか、対策は打たないようです。

小池氏は「自粛から自衛へ」と言いました。オリンピック開催に執着して対策が遅れたのを必死に挽回し、都のお金を空費したとも言われています。自粛要請すると補償しなきゃならないので、あとは自分たちでなんとかせよ、というのです。所謂「自己責任論」。プチ鹿島によれば、はじめて「自己責任論」と言った政治家は小池氏だそうです(→文春オンライン)。さもありなん。

西村康稔経済再生担当大臣も、「もう誰も緊急事態宣言はやりたくないし休業もしたくないだろう。感染防止策をしっかり取って、何か異常があれば店を休んだり、調子が悪ければ会社にも出ず、遊びにも行かないなどを徹底していかないとまた同じようなことになる。一人一人の努力をお願いしたい」と言ったそうですね。これも自己責任論です。税金で給料もらっている人たちが口にするセリフでしょうか。

国というものは、遊泳禁止の海で泳いで溺れた人も助けるものなのです。「泳ぐなと書いてあったろう」と見捨てる人たちに税金を払う必要はありません。「自分たちでなんとかせよ」という人たちの顔をしっかり覚えておきましょう。