狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

ルソー『社会契約論』

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者:ルソー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Kindle版
 

数十年ぶりに『社会契約論』を読み直しました。初読のときは『人間不平等起源論』を読んでいなかったので、理解しづらかった。ルソーはそもそも難解ではないうえに、古典新訳文庫の訳文はより平易です。

18世紀の哲学者ジャン=ジャック・ルソーは狩猟採集社会を「発見」した最初の人物かもしれません。16世紀に、エティエンヌ・ド・ラ・ボエシは原始社会のレポートを読んだかのような『自発的隷従論』を書いています。人類学者ピエール・クラストルも、ちくま文庫の巻末に掲載されている論考で同様の指摘をしていますが、推測の域を出ないようです。ラ・ボエシの本をルソーが読んで影響を受けているかもしれませんが、そちらも現段階で証拠はないのだとか。

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大航海時代、世界各地の未開の社会を見つけ、航海誌に記録しました。彼ら自然人(野生人)は野蛮でも好戦的でもなく、平等分配をしながら幸せに暮らしていました。当ブログを読んでくださった方にはお馴染みの社会です。ルソーは原始的な生活こそ自然状態だと認識します。ところが、私有財産という概念が生じました。貧富の差が生まれ、奴隷制度まで出来てしまった。時計を巻き戻すことはできませんから、制度で調整するしかありません。

そこで、ルソーは国家の成員が平等で幸せに暮らせる社会を模索し、政治哲学の一冊『社会契約論』をものしたのです。

本書を読むうえでのポイントは「人民主権」と「一般意志」です。共同の利益を目的とするのが「一般意志」です。個別意志が一致した「全体意志」は私的な利益を目指すものであり、「一般意志」とは明確に切り離されています。

誤解を恐れずに「一般意志」を簡潔にいってしまえば、「みんな等しく幸せで自由な社会を目指そう」です。自然人(野生人)のように、自由に、平等に暮らそうよ、とルソーは主張しているのですよ。たぶんね。

では、貧富の差はどのくらいに留めておくべきか。

富の平等とは、いかなる市民も他の市民を買えるほどに富裕にならないこと、いかなる市民も身売りせざるをえないほどに貧しくならないことを意味するものと理解すべきである。(111p.)

誰かが支配者になったり物乞いにならない程度にしましょう、と書いているのです。

新自由主義者がおこなったアベノミクスでは、潤った金持ちからのおこぼれがしたたり落ちる「トリクルダウン」が起きると言われましたが、タックスヘイブンなどで富裕層や大企業は税金を回避し、代わりに貧困層も支払わなければならない消費税が上がる一方です。

日本国憲法第25条は生存権について次のように書いています。

第1項 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

憲法は政治家や官僚が守るべきもの。私には彼らが遵守しているようには思えません。

 国家が解体する場合には、二つの道筋がある。
 第一の場合は、統治者がもはや法律にしたがって国家を統治せず、主権を簒奪した場合である。(174p.)

不幸にも失敗した人、生まれながらにしてハンデを負った人に向かって「自己責任だ」と、心ない言葉を浴びせる政治家や支持者を見ると、「一般意志」が霧消し「全体意志」が幅を利かせている気がしてならないのです。

今日も衆議院予算委員会を聞きながら仕事していたんですけど、

脱線しますが、安倍晋三首相、「募る」が「募集する」と同じ意味だと知らなかったのにはビックリ。椅子からずり落ちそうになりました

すくなくとも今の与党政治家は「一般意志」などお構いなしです。IR汚職事件で政治家に賄賂を渡したのは日本人カジノ客から金を巻き上げようとする外資系企業です。桜を見る会では、首相みずからが後援会を税金で接待していました(見え透いた言い訳をし、公開すべき公文書を廃棄する官邸や官僚が憲法改正を口にする不思議)。私人・昭恵さんからの推薦もあったとのこと。与党は教育費の無償化や給付型奨学金を検討する素振りもなく、まだ受験改革で利権を貪ろうとしています。民意を無視する沖縄差別もひどいものです。LGBTや夫婦別姓を認めることにより幸福になれる人もいる(不幸になる人いる?)のに、「生産性がない」「夫婦別姓がいいなら結婚するな」という政治家がいる。非正規雇用が増えているのに、正社員との同一労働同一賃金なんて夢のまた夢。働かざるをえないお母さんのための育児施設も足りていない。首相の友だちだと土地を安く払い下げられたり、大学の認可ももらえる。アメリカから何か要求されれば、日本の利害など関係なく応じます。下手に手を出した北方領土は、結局ロシアに譲り渡しました。拉致被害者は一人でも帰ってきたか? 「金委員長と条件なしで向き合う」と安倍首相が初めて発言してから1年半近くが経ちます。

国民を分断し、弱者を切り捨て、「全体意志」に従う日本の政治。

『社会契約論』の弱点は経済面かもしれません。アダム・スミスやカール・マルクスら、後の経済学者を待てということでしょう。

それでも、やはり本質を衝いている1冊でした。『社会契約論』からいくつかの警句を引用しておしまいとします。

 悪しき統治のもとでは、この平等は見掛けだけのもの、幻にすぎない。この平等は貧者を貧困の状態に放置し、金持ちを横領の状態に放置するにすぎない。実際に法律というものは、つねに持てる者に有利に、何も持たざる者に不利に働くものである。だから社会状態が人間にとって好ましいものであるのは、すべての人がある程度のものを所有し、誰も過剰な財産を所有していない場合に限られるのである。(57p.)

 こうして意見の違いが少なくなると、意志の一般性も低くなる。(66p.)

(略)世襲による貴族政は、あらゆる政府の中でも最悪のものである。(141p.)

 他人に命令するように育てられた人をみると、その人が正義感と理性を喪失してしまうべく、すべてのことが力を合わせているかにみえる。(152p.)

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)

人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫)

 
自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)

 

室内バイク

雨だの雪だの、という予報で本日は室内トレ。

私は、室内バイクをときどき使っていますが、漕いだぶんをどのように評価していいのかわからず、困っていました。ある日、そうか、心拍数で記録すればいいんじゃん、と気づきました。

……というわけで、ハートレートモニタの胸バンドを巻き、室内バイクにまたがりました。脂肪燃焼モードの心拍数をターゲットに、70分漕いだのでした。10〜11キロをゆるジョグした計算です。

使用している室内バイクは、下記のものです。細かい不満がないわけじゃないけど、静かなのは確かです。 

大阪国際マラソン、松田瑞生選手が優勝

日曜日の大阪国際マラソン、仕事していたんですけど、ネットでラップだけ見ていたら松田瑞生選手がトップらしいので、最後の30分くらいを視聴しました。

鈴木亜由子選手同様、松田選手に注目しているんです。トラック競技でスピードを養った選手に、マラソンでも頑張ってもらいたい。

テレビに映る松田選手、今日もニューバランスの多分 HANZO です。

私は初代 HANZO R(何回モデルチェンジしたか知りませんが)を履きましたが、前足部の外側が砂消しゴムみたいな素材だったんじゃないでしょうか。私のミッドフット着地だとすぐに潰れてしまった記憶があります。今は改善されているようですね。また履いてみようかなあ……。

今はラインナップが増えているんですね。ニューバランスのやる気のあらわれ? リンクしたのはAmazonですが、メンズ・レディース、サイズ、色などをご確認ください。

……松田選手、最後はきつそうでしたが、2:21:47の好記録。東京オリンピック出場のための設定記録2:22:23(設定タイムがそもそも松田選手の記録でした)を上回りました。レース後はいつものように大阪のおばはんみたいにはしゃいでいました。それだけトレーニングがキツかったのかもしれません。おめでとうございます。

MGC3位で、名古屋ウィメンズまで様子を見ていてもよかった小原玲選手はハイペースに振り落とされてつらいレースだったようですけど、果敢なチャレンジでした。途中棄権した福士加代子選手は名古屋に再挑戦するとのこと。日本人では2位だった市民ランナー・山口遙選手もすばらしかった。

当日と翌日との記事をいくつかリンク。

せ〜の、せこい!

シャンプーやめて1年と2ヶ月

時事通信の記事(→こちら)より。

米ハーバード大の研究チームはこのほど、ストレスが白髪をつくるメカニズムを解明し、22日付の英科学誌ネイチャー電子版に論文を掲載した。

研究チームはマウスにストレスを与え、白い毛が生えてくる過程を観察。ストレスを感じると放出される神経伝達物質のノルアドレナリンが、毛根付近の細胞を過剰に活性化させることが原因だと突き止めた。

毛根付近にある幹細胞は通常、髪が生える過程で徐々に色素細胞に変化し、髪の色素を生成している。ところが、ノルアドレナリンによって過度に活性化すると、急速に色素細胞へと変わり、枯渇してしまうという。

……だ、そうです。

白髪が増えるメカニズムもよくわかっていなかったんですね。

髪といえば……「狩猟採集民やアメリカ先住民の年寄りは、それほど禿げてないし白髪の人も見ないよなあ」とふと考えたのが1年2ヶ月前のこと。彼らは水浴びをするくらいです。『所さんの目がテン!』で取材したハッザ族は温泉に入っていましたね(→リンク)。白髪の原因のひとつがストレスだとすると、彼らの生活はストレスが少ないと思われます。日々猛獣と命のやりとりをしているというのは先入観です。彼らは自然の一部として楽しく暮らし、労働時間は短いし、出世争いも学校もありません。

何でも読書から入る私。宇津木龍一さん、渡辺新さんの著書を読み、その後、おそらく男性読者を想定していない山口麻子さん、平野卿子さんの本までも読んで、「シャンプー、リンスは要らない」と考えるにいたりました。本来、皮脂や汗を分泌するはずの毛穴から、毎日大量の化学物質が取りこまれるのは不自然です。

液体シャンプー・リンスが大々的に売り出され、1日1回それらを使って洗髪するようになったのは1960年代です。すなわち、五十代の我々は「生涯シャンプー第一世代」なのです。

詳しくは過去の記事をご覧いただきたいんですけど、私は猫っ毛で、年とともにペチャーッと寝て地肌も透けていました。ところが、塩シャンプーを始めたら、一週間ほどで髪の毛が太くなり、自立するようになったから不思議です。

洗面台に短い毛が落ちていたら、妻が「剃ったヒゲはちゃんと掃除して」と言ったっけな。妻よ、私はヒゲを剃ってない。理髪店から帰ってきたところで、そこに落ちているのは理髪師が払いそこなった髪の毛なのだよ。たしかに私の髪は以前はヒゲより細かった。

髪が伸びるのも早くなりました。理髪店や美容院で、「シャンプー不要です」と説明するのが面倒だな、と感じていましたけど、街にたくさんある安い床屋さんってそもそもが洗髪しないのだと知りました。ラッキー✨️

塩シャンプーは塩っ気を落としきるのも難しいし、そのうちお湯だけにしました。丹念にシャワーをかけながら汚れを流します。髪の毛が増えたとはいいませんけど、太くなってボリュームが増えましたし、頭皮とともに健康的になったのは確実です。

身体は純石けんで洗っています。ただ、いまのところ皮膚に目立った変化はありません。
 
《過去の記事》

塩シャンプーで髪が増えた!

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  • 作者:渡辺 新
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2018/09/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
化粧品に頼らない素肌美人のつくりかた

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  • 出版社/メーカー: 主婦と生活社
  • 発売日: 2015/06/19
  • メディア: 単行本
 
最新版 肌断食: スキンケア、やめました

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  • 作者:平野 卿子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/03/27
  • メディア: 単行本
 

25キロゆるゆるジョグ、その他

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台風19号で橋脚が沈んでしまった立川市の日野橋。まだ通行止めでした。

風邪で一週間休んでいました。まだ、洟が出たりノドが痛んだりしていますが、熱も下がりましたし、九割方回復した感じです。筋トレ再開はまだ様子見です。

今はレースを入れてないのでオフシーズン同様ですが、以前はオフでも体重が62kg台だったのに、いまは65kg以上あります。私は糖質を摂らないほうです(ごはんや麵は1日1食以下で、砂糖の入ったものは食べません。料理にも砂糖は使いません)し、酒も糖質のない蒸留酒が多いんです。まあ、外食ではビールも飲みますけど。

かくなるうえは、「空腹ラン」だ。本日、全国都道府県対抗男子駅伝が始まる12時半スタート。気温は低かったようですけど、天気が良かった。心拍数が145bpmくらいの、私にとっては脂肪燃焼ゾーンを狙って走りました。私、3日連続糖質オフ+ロング走をやって以来、ここ数年、LSDでハンガーノックになったことはありません。

計25km、平均ペース6:34/km、平均心拍数143.5bpmでした。筋トレは自重。

少し移動して、16時から食事。糖質だけど、ビール飲んじゃう。

というわけで、わがふるさとで行われた全国都道府県対抗男子駅伝は見ていないのです。中学生も半分以上がヴェイパーフライを履くと、話題になっていましたね。いやまあ、都道府県の名前を背負って参加するからには、いつもの2、3倍の価格のシューズを履いてでもチームに貢献を……ということでしょうか。

結果、長野県が優勝。

6位までが大会新記録だったとか。選手のみなさんお疲れさまでした。

「ろんぶ〜ん」で紹介された論文

Twitterかなにかで、NHK「ろんぶ〜ん」(→公式サイト)という番組を知りました。さまざまな論文を紹介する番組らしく、その一週目が、ランニングとバッティングの動作解析の話とのことでした。

再放送を探して視聴しました。紹介された論文は木越清信、加藤彰浩、筒井清次郎「小学生における合理的な疾走動作習得のための補助具の開発」(「体育学研究 57」2012→PDF)です。

番組には、ロンドンブーツ田村淳と元巨人の仁志敏久が登場。おお、なつかしや筑波大学。つくばマラソン走ったあと、ここ通ってバス停に向かったものです。

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筑波大学の木越清信先生が登場。運動のコツを教わってもすぐに動作向上に結びつかないので、外部からの意識を変えることで走技術の向上を目指すという説明がなされます。《疾走能力の高い児童の特徴として,地面に接地していない脚(遊脚)の腿上げ角度が高いこと,および同じく遊脚の膝関節がより屈曲していること》(上記論文より引用)が知られているので、その2点を改善するために、手作りの器具を開発したそうです。

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下記のふたつがその器具です。

左の器具は、歩くたびにピコピコ鳴る子供用サンダルを改良したもので、マジックテープで腿の裏に装着します。ふくらはぎで叩いてピコピコ鳴らす外部意識をもつことで、足が流れず、引きつけがうまくなる、とのこと。折りたたんでコンパクトに引きつけることで、ピッチを上げることができます。

右の器具は、足首より少し上にマジックテープで……ええい、面倒くさい。ミズノから製品化されているそうなので、そちらをご覧下さい(→ダッシュビート)。番組はもっと下に装着していましたけど。腿上げが高くなれば、より大きな位置エネルギーを獲得できますから、足を振り下ろしたさいに強い地面反力を得られるのです。たぶんね。

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ふたつの器具をつけて、仁志氏が走った様子がこちら。

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仁志氏、50Mダッシュだったんですけど、軽く走っているのか、あるいは野球選手の特性なのか、スピードが上がって胸をはるような動作をしないんですよね(番組後半のバッティングの話では本領を発揮していましたよ)。足が流れていたのは明らかに改善されたようです。

論文に触れられていますが、腿裏にセットするピコピコは、もともと速い子につけさせるとかえって遅くなる場合があったとか。そのせいか製品化はされていないようです。

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ん〜と、噂に聞いていたロンブー淳の不思議な走り。動作が大きなわりに足踏みみたいになっていて推進力につながっていません。器具2をつけて走っていましたけど、なにかが劇的に変わったということはなかったようです。 

MIZUNO(ミズノ) キッズ ダッシュビート K3JKJ80109 ブラック

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  • 発売日: 2018/06/01
  • メディア: スポーツ用品
 

『仮面ライダー』『煙が目にしみる』その他

風邪ひいてたし仕事していたし、で、狩猟採集民の研究もランの練習も進んでいない日々でございます。だから、まったくの雑談です……💦 ふだんテレビを見ない私が、わざわざ録画までして見ている番組の話、をば。

まず、TOKYO MXでやっている『仮面ライダー』再放送(→MX公式サイト)。もともと1971年4月から放映されたらしい。広島でも土曜日の19時半からやっていて、親から「早く風呂に入れ」と言われながら、粘って見ていたものです。しかし、見終わってから風呂に入ると、ドリフの最初が見られないという……。

藤岡弘が撮影中のバイク事故で大ケガをしたため、第10話あたりから本郷猛(藤岡)の出演部分は過去の映像をつなぎ声を吹き替えにする綱渡り。ルリ子(真樹千恵子)がメインになり、むりくり藤岡の不在をしのぎました。ショッカーが「イー」と言い始めたのは12話目くらい。

14話目で一文字隼人(佐々木剛)が登場。仮面ライダー2号の登場にコーフンした子供時代を思い出すねえ! ショッカーが「イー」を連発し、「変身、とおっ」が始まり、立花藤兵衛が喫茶店からバイクショップに鞍替えし、滝和也がレギュラーとなり、山本リンダたちが登場し、主題歌を子門真人が歌い……やっと定番スタイルが確立しました。格闘シーンでスローモーションになるのも14話目からかな。今週見た15話でサボテグロンに勝ちましたが、私は仮面ライダーの最初の怪人がサボテグロンだと勘違いしていたくらい、仮面ライダーといえば一文字隼人登場以降だったのでしょう。

ウルトラマンほど社会性はありませんし、総じてつまらないので、そろそろやめます。

もうひとつ。BS12で週に2話ずつ再放送されている『煙が目にしみる』(→BS12公式サイト)です。1981年6月から7月にかけて放映された、NHK銀河テレビ小説。全20話で、今週は12、13話が放映されました。

プロ棋士の登竜門・奨励会は、当時、31歳の誕生日までに四段になけなければ退会と定められていました。主人公の信吾(川谷拓三)は、師匠の内弟子(以前は師匠宅で修行する弟子がいたのです)三段で長年足踏みしている奨励会員。恋人だった師匠の娘を五段の弟弟子に奪われ、失意のなか石和で知り合った子持ちのフラメンコダンサー(根岸季衣)と同棲するようになります。私生活のゴタゴタも影響し、なかなか勝てず……。

私が熱心に将棋を指していたのは中学1年の三学期から高校1年くらいです。高校1年の夏、高校将棋選手権の団体戦で広島県大会の代表になりました。1981年といえば、高校1年の地区大会予選の直前なのかな?

主人公のモデルは、長らく三段であった鈴木英春をモデルにしていると言われていました。大山康晴、花村元司、大内延介、青野照一、石田和雄ら、プロ棋士もちょくちょく出てきます。

ドラマとしても、なかなかのように思います。ジェームス三木は、将棋番組に将棋好きのアマチュアとして出てきて弱いところを露呈していましたが、さすが本職では人間味溢れる巧い脚本を書きます。松村達雄、賀原夏子らも達者。いまはあんな役者いませんよね。今回は松崎真が出てきましたよ。「手を挙げて横断歩道を渡りましょう」

ランニングに関する番組も録画して見たんだっけ。これは明日書きます。

ここからはテレビにも関係ない雑感ですけど、いいでしょうか?

坪内祐三さんが亡くなりました。20年くらい前かな、会社員時代、縁あって何度も飲んだんですよ。労作『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り』が出る前後です。当時、マイナーなブンガク界の、さらにマイナーなブンガク評論の世界で頭角をあらわした時代の寵児でした。

いま出ている雑誌「文藝春秋」で、坪内さんは、2019年の物故者について書かれています。坪内さんらしい世代論になっていますけど、まさか、その原稿を書いているとき、ご本人が亡くなるなんて露ほども予想しなかったのではないでしょうか。合掌。