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里見香奈女流、合格ならず

注目していた里見香奈女流五冠のプロ編入試験、残念ながら3連敗となり、女性初のプロ棋士は誕生せず……。

前にも書きましたが、将棋の女流棋戦は女性のみで行われています。養成機関「奨励会」を勝ち上がってプロ棋士になったのは、男性のみです。3段リーグまで勝ち上がった女性は数人いますが、プロと認められる四段になった女性はいません。

里見は、トップ女流が参加できる棋戦で、男性プロ棋士に対して一定の勝率を挙げ、プロ編入試験(若手5人と対戦し、3勝すれば合格)に挑戦していたのでした。

ひとつには女性の競技人口が少ないことが挙げられますが、30〜40年前、「女は数学ができない」「女は論理的思考が苦手」といった根拠のない理由を持ち出し、「だから女は将棋が弱い」と言われたものです。男脳/女脳などという科学的裏づけがない本がときどきベストセラーになりますから、バイアスは根強いのでしょう。

昨日も、《「女性は優しい」、幼児期から ジェンダー思い込み―京都大など》というタイトルの記事(時事通信 2022/10/13)を読んだばかりです。

 ジェンダー(社会・文化的性差)に関する思い込みと子供の年齢について、京都大大学院の森口佑介准教授(発達心理学)らのグループが調べたところ、「女性=優しい」との思い込みは日本では4歳ごろから見られることが13日までに分かった。「男性=賢い」も7歳ごろから見られる可能性が示唆されたという。研究成果は11日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツにオンライン掲載された。

ジェンダーバイアス打破を里見女流1人に押しつけるつもりはありませんけど、口惜しい出来事でした。これからも応援します。