狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

ロシアによるウクライナ侵攻

「何百年も前の人がこんなこと言っているってスゴくない?」

──こんなセリフをときどき聞きます。

10年くらい前かなあ、たまたま見たネット記事で、巷で賢いと言われている有名人がある哲学者の考えを紹介したあと、「200年前にこんなこと書いているってスゴくない?」と続けていました。

現代に生きるわれわれが悩むことは、過去の偉い人が脳みそに汗流して考え抜いていて、われわれはそれを読むことができます。2500年前の孔子やソクラテスの言葉も残っているのです。のちの人々は彼らの思想に触れ、難題解決の足がかりにしてきました。

だから「200年前にこんなこと書いているってスゴくない?」なんて読むと腰を抜かすりです。200年前だろうが500年前だろうが1000年前だろうが、偉い人がスゴいこと書いているのは当たり前でしょうよ、って。

しばらく考えて気づきました。そんな発言をする人は、時代が下れば下るほど人間が賢くなっていると信じているのです。人間は刻一刻と頭がよくなり、昔の人間はせいぜい中学生か小学生並みの思考しかできないと見下しているはずです。私は、江戸だって平安だって縄文だって、人間の賢さや愚かさは今と同じだと思ってます。1、2万年前の赤ちゃんを2022年に連れてきて育てれば、1人の現代人に成長するでしょう。(1、2万年前を生きるほうが幸せかもしれませんが)

考えてみれば、昔の賢人より今の自分は賢いと考えている人は多そうです。過去に私を混乱させた、SNSでの友人の発言がいくつか理解できるようにも思えます。たとえば、日本が超国家主義になり無謀な戦争に突入した過去を知っていながら、「現代人はあんな愚かなことしないだろう」とタカをくくる人がいるのです。だから彼らは共謀罪成立などを気にしていません。

人間なんて、ちっっっとも賢くなってないのに!

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国連の常任理事国であるロシアがウクライナに侵攻するという暴挙に出ました。アメリカの出方次第では大きな戦争に発展する可能性もあります。少なくとも、今後、世界のパワーバランスや、経済、エネルギー、食糧などの問題で混乱が生じるでしょう。

コロナが終熄しないなかでの戦争勃発です。第一次世界大戦とスペイン風邪の流行がダブっていたことを思い出します。英国によるイタリア侵攻、ドイツのポーランド侵攻、日本による満洲建国も想起されました。ロシアは日露不可侵条約を勝手に反古にしましたし、1950〜60年代にかけて、旧ソ連はハンガリーやチョコスロバキアに軍事介入しました。

日本には、あのプーチンから北方二島を返還してもらおうとしていた人がいたっけ……。あのとき経済協力としてロシアに貢いだ3,000億円はどこに流れたんでしょうか。

ここ100年で、科学は発達し、宇宙開発、交通インフラ、軍事テクノロジー、コンピュータ、情報インフラなどで大きな飛躍を遂げたのは事実です。しかし、前述のとおり、人間が賢くなっていません。ロシアのウクライナ侵攻をどう見なし、どう解決すればいいのか。「歴史から学べ」と言うしかありません。

そして、もう一言、当たり前のフレーズを。

「戦争反対」

国家って何様だ。