狩猟採集民のように走ろう!

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核の共有?

見てないんですが、安倍晋三と橋下徹がテレビで核兵器の共有について議論すべしと盛り上がったと聞きます。ロシアは核をちらつかせてウクライナを脅しているそうですが、それにかこつけたんでしょうか。愚かな発言をしたものです。以下は、リンク記事(毎日新聞 2022/2/28)からの引用──。

米国の核兵器を国内に配備し、日米共同で運用する「核共有」政策の導入について、安倍晋三元首相が27日のテレビ番組で「議論すべきだ」と発言したことに対し、広島の被爆者らから「非常に危険」と猛反発の声が上がった。

広島県民は怒りますよ。オバマ元大統領と一緒に平和記念公園にやって来て、《核兵器のない世界を必ず実現する。その道のりがいかに長く、いかに困難な者であろうとも、絶え間なく努力を積み重ねていくことが今を生きる私たちの責任であります》(→産経ニュース)とスピーチしたのはこの口か!?ってほっぺたをムギューッてやりたいはずです。

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翌日の参議院予算委で立憲民主党・田島まいこ議員が安倍氏の「核共有」発言について質問すると、岸田文雄首相はこう言いました。(→日テレニュース

「平素から自国の領土に米国の核兵器を置き、有事には自国の戦闘機等に核兵器を搭載運用可能な体制を保持することによって、自国の防衛のために米国の抑止力を共有する枠組みを想定しているものであるとすれば、非核三原則を堅持するという我が国の立場から考えて認められない」

非核三原則とは《作らず、持たず、持ち込ませず》。1967年、佐藤栄作首相が表明したものです。

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「非核三原則を堅持」は当然ですし、頼もしく聞こえます。

しかしこれもマヤカシです。アメリカが日本に核兵器を持ちこめるのは、すでにみんな知っていること。2009年には、「核密約文書を保管 「合意議事録」 佐藤元首相の遺族」というニュースが報じられました(→中国新聞2009/12/24)。国会でも以前から密約について話し合われています。

矢部宏司『知ってはいけない』『知ってはいけない2』は、アメリカと対米従属・日本のタブーをいくつも明らかにした本です。不確かな陰謀論ではなく、アメリカの公文書に基づいています。

核の密約のほかにも、例えば矢部氏は、日米地位協定では、日本のどこにでも米軍基地を置けることになっていると書きます。

安倍首相が一時期、北方領土返還を夢見てせっせとプーチン大統領と会っていたのをみなさんご記憶でしょう。日本のメディアは、少なくとも二島は返還されそうだと期待を煽っていました。

私は、「日本に北方領土を二島返還したら、ロシアと日本の国境に米軍基地ができる。ロシアがそんなことを許すはずがない。安倍氏とメディアはさも二島が還ってくるような口ぶりだが、アメリカと交渉して、北方領土にだけは米軍基地を造らないこと合意したのか? アメリカが譲歩するとは思えないけど……」とハラハラしながら見ていたんです。

すると!

2018年11月14日、衝撃的な動画が流れてきました(→テレ朝ニュース)。プーチンは地位協定の密約を当然ながら知っていて、「二島を返還したら、そこにアメリカが基地を造るんだろう(つまり、返還なんてしないよ)と切り札を放ってきたのです。アメリカの了解を得ていないであろう安倍氏がオロオロして否定しましたが、それで全てがご破算となりました。

──戦後、対米隷属を始めたのが岸信介とその実弟・佐藤栄作です。彼らを総理大臣にするためにCIAから巨額なカネが流れたそうです。岸&佐藤が決めた対米隷属の形を、より強固なものとしたのが岸の孫・安倍晋三。みんな山口選出。長州支配は悪い夢です。

今日もひとこと。戦争反対。