狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

「山奥ニートの結婚~一緒に赤ちゃん育てませんか~」

今年2月20日に放映されたフジテレビ『ザ・ノンフィクション』の「山奥ニートの結婚~一緒に赤ちゃん育てませんか~」を録画して見ました。

狩猟採集社会を知ってから、資本主義の外(お金のない世界)とはいいませんが、せめて隅っこ(あまりお金を稼がず、使わない世界)で暮らしたい私。山奥ニートに注目しているのです。

番組では、山奥ニートたちが暮らす「共生舎」でカップルになった2人を取材していました。夫は山奥ニートにはめずらしく定収入があるようです。出産後、産後の肥立ちがよくない母親は育児放棄気味に描かれ、父親がせっせと働きます。日ごろお世話になっている近所のおばあさんにあやかった名前を赤ちゃんにつけたことで、当のおばあさんが精神的負担を感じ、夫婦に子育てを説くシーンがありました。

新米お母さんの言動に関しては、一緒にテレビを観ていた妻も怒っていたし、私もあまりいい気分ではなかった。リンクの記事にあるように、ネットでバッシングされているようです。

悪意ある編集がなされたのかもしれませんが、あのおばあさんが涙を流し、夫婦の子育てを案じたのは嘘ではないでしょう。

──私の感想を簡潔に整理すれば以下のとおりです。

「共生舎」では、組織などに順応できない人たちが限界集落に集まり、ときおりバイトをしながら、ゆるくつながって生きています。ざっと見たところ上下関係もなさそうです。そこの生活に合わない人は出ていきます。そこそこ繫がっているものの、互いに干渉しすぎず、貸し-借りが少ない人間関係が構築されているような気がします。

しかし、自分にあやかって赤ちゃんに名前がつけられたと聞いたことで、おばあさんに強い義務感が生じました。少なくとも、おばあさんの側では、貸し-借り(返済義務)が生じたのです。自分が子育ての面倒を見なければ、と感じてしまった。そのことを若い夫婦は理解できているでしょうか。

彼らにはまず、おばあさんの心理的負担を減らす努力が必要です。

子育てに関しては、アロペアレンティング(代理養育)について調べてほしい。人間は、もともと夫婦だけで子育てするんじゃないんです。あるピグミーの集団では、1時間に7、8人の大人が赤ん坊の面倒を見ていたと、『昨日までの世界』上巻に書かれていました。血縁的な小集団のできごとですが、山奥ニートもできるはず。赤ちゃんって面白いからね。