狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

悲しきオ利権ピック

あと50日でオリンピックが始まるそうです。

アンダーコントロールも復興五輪もコロナに打ち勝った証も完全な形での開催も全部吹っ飛んで、金もうけだけが剝き出しになりました。悲しいかな、オ利権ピック。ボランティア8万人のうち1万人が辞めたそうで、あとの7万人のみなさんも辞退してアルバイトに切り替えたほうがいいと思いますよ。バイト募集サイトで「スポーツイベント」と検索すると、時給1,500〜2,000円くらいでたくさんヒットします。募ったが募集もしています。

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東京裁判の話になります。

三国同盟に賛成だったかと問われた東郷茂徳(元外務大臣)はこう言いました。

私の個人的意見は反対でありましたが、すべて物事にはなり行きがあります

同じことを聞かれた木戸幸一(元政治家)の発言。

私個人としては、この同盟には反対でありました。(略)現実の問題としてはこれを絶対に拒否することは困難だと思います

なぜ戦争を「聖戦」と呼んだかと問われた南次郎(元朝鮮総督)。

その当時の言葉が一般に『聖戦』といっておりましてたのでその言葉を申したのです

1931年の三月事件に反対し、満洲事件の勃発を阻止しようとし、米国に対する戦争に突入することに反対を表明し、首相であったときにシナ事件の解決に努めたというが、それが本当なら、自分では一生懸命に反対したこれらの非常に重要な事項の指導者の一人になってしまったのだ、と問われた小磯國昭(元陸軍大将、総理大臣)。

われわれ日本人の行き方として、自分の意見は意見、議論は議論といたしまして、国策がいやしくも決定せられました以上、われわれはその国策に従って努力するというのがわれわれに課せられた従来の慣習であり、また尊重せらるる行き方であります

いずれも、個人ではなく既成事実に沿って行動しました、と言っているのです。

ところで。作家・菊村到が1964年の東京オリンピックに関してこんなことを書いていました。まったく興味がなかったオリンピックでしたが、《だんだん期日がせまってくるにつれて、われながら信じがたいことに、なんとなくそわそわしはじめてきたのであり》《こういう心理的な経過に、私は記憶がある。つまり、戦争にまきこまれていったときの、あのプロセスに似ていると思うのである》。

──おそらく今日も、日本によく似たパラレルワールドで聖火リレーをやっているのでしょう。現状、7、8割が東京オリンピックの開催に反対もしくは延期という意見だそうですが、テレビの特番などに感化され、「個人的意見は反対でありましたが、すべて物事にはなり行きがあります」となり、日本選手のメダルに一喜一憂し、菅義偉政権支持に転じるのでしょうか。誰かのオ利権ピック・パ利権ピックでも、同じアホなら踊らにゃ損、損、ナンテネ。