3月11日から9年間。そして今年の3月11日。

以前も書きましたが、東日本大震災では、東北に住む妻の親戚が津波被害を受け、何人か亡くなりました。半月くらいは連絡がとれず、存否確認に忙しかった。

あの日から私の人生観は確実に変わりました。定住、財産、所有などを根本的に疑り始めました。物欲も減りました。利他性について考えるようになりました。原発にはもともと反対でしたが、見て見ぬ振りをしていたことを悔やみました。津波の映像ばかり繰り返し流し、こまかい情報を流さないテレビを信頼しなくなりました。2011年12月に原発の事故収束宣言をした野田佳彦政権や、2013年に「アンダーコントロール」と嘘ついてオリンピックを招致した安倍晋三政権を憎み、権力を監視するようになりました。

去年気づいたんですが、ピグミーやブッシュマンをはじめとする狩猟採集社会とは、定住せず財産がなく利他的で、権力者のいない社会なんですよ。彼らは自然を改変したりもしなかった。

何十万、何百万年続いていた狩猟採集社会を学ぶことで現代社会を見直しています。

……と、これが、わたくしの9年間の歩みです。

ここからはマニア向け? 国会答弁のミステリーに移りましょう。上記のように、最近はテレビを見ないのでどの程度報じられているのかわからないのですが──森雅子法務大臣が迷走しています。東日本大震災と関係のある話ですので、いちおう書かせてください。(以下のセリフは正確な文字起こしではないので、動画でご確認ください)

【その1……2020/3/9 参議院予算委】

定年退職するはずだった黒川弘務検事長が突如定年延長された問題についてです。憲法はじめ法令無視・友だちに対する不当な優遇(当然見返りがある)などをおこなう安倍政権を見逃してきた検事長を延命させたいからなのです。今年中に検事総長にさせるという噂があります。

公務員法を適用して定年延長されたのですが、じつは、検事には公務員法の定年延長は適用されないという決まりがあり、ずっと徹底されていました。野党からそのことを追及された森法務大臣は「社会情勢の変化」を理由に、今般、急に法解釈を変えたと答弁していたのですが、立憲民主・小西洋之議員から「社会情勢の変化」とは具体的になにか、と言われて発言したなかに不思議な宇宙語がはさまれました。

森法務大臣「たとえば東日本大震災の時に検察官は、福島県いわき市から国民が、市民が、避難していないなかで最初に逃げたわけです。そのときに身柄拘束している十数人の方を理由なく釈放して逃げたわけです」…………はあ??

【その2……2020/3/11午前 衆議院法務委員会】

意味不明な宇宙語に注目したのが、立憲民主・山尾志桜里議員でした。少し前、元検事の山尾志桜里は弁護士でもある森雅子法務大臣をボコボコにしたことがあるのですが、それはまた別の話。

山尾志桜里「3月9日に、森大臣は『たとえば東日本大震災の時に検察官は、福島県いわき市から国民が、市民が、避難していないなかで最初に逃げたわけです。そのときに身柄拘束している十数人の方を理由なく釈放して逃げたわけです』と答弁した。ふたつ聞きたい。まず、これは事実なのか? そして今回の検事長定年延長に関係があるのか? まず、一点目は?」

森雅子大臣「はい、事実でございます。二点目はうんぬんかんぬん」

山尾「えっ? 検察官が最初に逃げたって事実なんですか?

森(だんだん小声になる)「そのときあのう、民主党政権だったのですが(←関係ない💢)うんぬん、最初に逃げたと今おっしゃいましたが(←お前が言ったんだよ💢)、どれが最初かっていう……逃げた人がたくさんいると思いますが……市民に避難指示が出されていないときに国家公務員たる検察官がですね、ま、福島地検いわき支部からですね、郡山支部があるほうへ、ですね、移動した。そのときに身柄拘束した、されていた十数人がですね、同時に釈放されたということですね、当時、報道にもあったと思います」

山尾「え、ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいね。東日本大震災のとき、いわき市から検察官が最初に逃げたと? これ事実だと言ったんですか? 理由もなく身柄拘束していた十数人を釈放した? これが事実なら法務大臣やめたほうがいいですよ。これ、法務省の認識なんですか? 裏づけが報道だと言いましたが、これが安倍政権の見解ですか?」

森「え、当時の政府は民主党政権でしたので(←関係ない💢)うんぬん……当時の個人的な見解でございます(←は? 個人的見解が検事長の定年延長の根拠になるのかよ!?💢)」

 

【その3……2020/3/11午後 参議院予算委員会】

これを受けて、本日午後、参議院予算委員会で立憲民主・石橋通宏がこんな質問をしたのです。

石橋「森大臣は検察官を愚弄、法務省を貶める発言をした。森大臣は3月9日、小西議員に『東日本大震災のとき、検察官は、いわき市の国民・市民が避難していないなかで最初に逃げた。そして、身柄拘束していた十数人を理由なく釈放して逃げた』と答弁した。午前の法務委員会で、これが事実かと山尾志桜里議員問われ、『はい事実でございます』と法務大臣として答弁している。森大臣、あなたは、法務省のトップとして、事実だと答弁したということでよろしいですね」

森大臣「ぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺら……(検察官が最初に逃げたという)3月9日の参議院予算委員会のあたくしの答弁は個人的見解を述べたものでありますが(略)不適切でありました。個人的見解を個人的見解であるという旨を示さず申し上げた。撤回します。ぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺらぺら山尾志桜里議員に対して『事実でございます』と申し上げたのは、これは(検事が最初に逃げたことではなく3月9日に)ご指摘の答弁をしたことが事実だと申し上げたものです

なんですか、これは? 森法務大臣だけではありません。現政権の閣僚は文書や議事録を残さず、野党とまともな議論をしないのです。よりによって3月11日にこんな答弁をしていることに怒りを覚えます。「個人的な見解(つまり事実と異なるウソ)」が根拠であったなら、定年延長そのものが認められないはずです。

本日の法務委員会も予算委員会も、彼女の答弁不能で散会となりました。

ランニングに関わらないことで長文になってすみません。これらの答弁は、私の震災後の生き方と(おそらく走ることや狩猟採集社会を学ぶこととも)直結しているんです。

安倍政権を支持する方は森大臣をどうやって擁護するんでしょう? ぜひ反論を聞いてみたいものです。