狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

フォームと日々のジョグ

拾ってきた画像です。右は、NHKが2012年に放映したハイレ・ゲブレシラシエ選手。左の一山麻緒選手と前田穂南選手は、2020年の大阪国際女子マラソンです。一山選手は厚底、前田選手は薄底ソーティマジックを履いています。

今回は前田選手のフォームを中心に考えます。

★   ★   ★

過去に何度か、ランニングフォームに関して自己流の考えを書いてきました。

みなさん、その場に立ってみましょう。猫背の人は骨盤を前傾させて胸を張り肩胛骨を下げます。その姿勢から、肩胛骨の間を押されたように鳩尾辺りを突き出すと、だんだん爪先に重心がかかり、しまいには倒れる感覚が得られます。おそらくそれが正しい「前傾」です。猫背になって首を突き出したり、お辞儀をしても前につんのめったりしなません。「初めまして」とお辞儀したときに、おっとっと、と前に数歩進んだ人はいないのです。

厚底シューズを履いたことがない私がよく言うよ、ですが、おそらくあれらのシューズはカーボンのふくらんでいるところ(フォアフット部分)を直につぶすことでより反撥力を得られるはずです。

ゲブレシラシエ選手と一山選手は私の考える正しい前傾ができています。フォアフット着地したあと、ぐっと胸を突き出して重心を前に出せば、支持脚を上体が素早く乗り越え、身体は前に向かって弾んでくれます。それは厚底カーボンプレートシューズ限定のフォームではありません。速く走る基本的なランニングフォームだと考えています。現に、ゲブラシラシエ選手は薄底シューズです。

対照的に、2020年の前田選手は骨盤がそれほど前傾していません。一山選手と比較して重心が少し後ろにあるため、着地して得られる反撥力はやや上方に逃げる(=上に跳ねてしまう)ことになります。ベクトルを前方に向けられないフォームです。

彼女が厚底シューズを履かなかった(履けなかった)のは、前ではなく上に弾んでしまうからでしょう。素晴らしい選手でありますが、わずかな推進力の差が、42キロ分積み重なると勝負に響くはずです。

今年5月、前田選手は初めて厚底シューズを履き、仙台ハーフで優勝。7月には、函館のハーフマラソンで自己ベストを更新(1:08:28)しました。フォームも改善されて背中に反りができ、動画を見ると、着地もフラット気味になっています。

厚底の前田選手。腰が入った、ダイナミックなフォームです。26歳ですから、伸びしろは充分あると思っています。少し痩せすぎじゃない?

★   ★   ★

さて──。第2のランニング人生をはじめた私の話です。

第1のランニング人生では、ひたすら月間300〜500km走っていたところ、それなりに走力がつきました。しかし、日々のジョギングでは腰が落ちたひどい走り方をしていたんです。当時の私は、ジョグでは距離を踏むことが主たる目的でした。小さな筋肉でもゆるジョグはできますから、腰が落ち、末端の筋肉を使ってタラタラ走っていたものです。もったいないことをしました。

最近スタートした第2のランニング人生では、キロ6分〜7分半くらいのペースで走っているものの、鳩尾から臍のあたりを前に出し、骨盤を前傾して走っています(骨盤の前傾に関しては個人差があり、前傾しすぎている人もいるらしい)。翌日ダメージを感じるのは、お尻やハムなどの大きな筋肉です。

「日々のジョグが大切」とよく聞きますが、第1のランニング人生から約20年かけてその意味がわかっただなんて、自分の頭の悪さがつくづく悲しゅうございます。

走る距離こそ減ったものの、私は筋力の低下などを感じていません。やる気次第でまたタイムを更新できそうな気がします。やる気が出るかどうかは、今はわかりません。