狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

歌詞をきちんと聴く派

単なる雑談です。

以前、ラジオ番組「赤江珠緒たまむすび」で、「歌を聞くとき、歌詞をきちんと聴いているか、それとも聞き流しているか」という話題がありました。私は歌詞をきちんと聴く派なんです。洋楽でも、気になる曲は歌詞を確認します。……が、しかし、番組で集計をとったところ、歌詞をきちんと聴く派は4人に1人なのでした。(→TBSラジオ

ラジオでは、歌詞を聴かない派のカンニング竹山が松任谷由実『ルージュの伝言』をスタジオできちんと聴き、「こんな歌詞だったのか」と驚いていました。夫の浮気を知った妻が口紅でバスルームに脅し文句を書き残し、義母に言いつけにいく歌だということを、もちろん私は知っていました。なぜ『魔女の宅急便』で使われたのかは、わかりません。

ユーミンの曲では、荒井由実『卒業写真』に出てくる「卒業写真のあの人」が同級生の男だという勘違いも多い。……実は、私もかつては「あの人」を同級生男子だろうと思いつつ、モヤモヤしていたんです。「変わっていく私を(略)遠くで叱って」と言うけど「街で見かけたとき何もいえなかった」くらいの仲の人が「叱って」くれるもんだろうか、とか、「あの頃の生き方をあなたは忘れないで」だなんてずいぶん完成された高校生男子がいたもんだね、とか……。のちに「あの人」は女性教師を指すのだと知り、得心しました。

同じようなのが、さだまさしの『案山子』で、あれは男親が息子に語りかけている曲だとラジオで紹介されるのを何度も耳にしました。でも、そうすると、「手紙が無理なら電話でもいい/“金頼む”のひとことでもいい/お前の笑顔を待ちわびる/お袋に聞かせてやってくれ」って変です。お父さんが息子に向かって妻のことを「お袋」って言いますか。「かあさんに聞かせてやってくれ」ならわかるけど……。のちに、兄が弟に語りかけている歌だと知り、納得した次第。

松任谷由実に戻ると、冬が来るたび、『恋人がサンタクロース』はまだ放送禁止にならないのか? と感じるのです。クリスマスには男が貢ぎにやってくるのだと女たちが代々語り継ぐのもどうかと感じますが、そもそもテレビラジオは「サンタはいない」と言わないようにしているのに、あの曲だけは堂々と流すのです。「違うよそれは絵本だけのお〜はなし〜」

ときどき聴いて、つい笑ってしまうのは、西城秀樹の『ブルースカイブルー』です。なんだかスケールの大きな曲で、秀樹は「青空よ心を伝えてよ/悲しみがこんなにも大きい」と歌いあげます。人類愛でも歌っているのかと感じますが、ちゃんと聴けば、「人妻に恋をしたら引き離された。悲しい」という内容とわかるんです。青年は大いに絶望しているのでしょうが、「人生これから。いい彼女見つけなよ」と一杯おごってやりたい。

……と、こんなことをつらつら考えているのは、久しぶりに泉谷しげる『春夏秋冬』を聴いたからです。あの曲、第一印象は「哲学的な歌詞だな」でしたが、よく聴くと「いろいろありましたが、結婚しました。近くに来たら寄ってください」という主旨だとわかりました。ただ、検索のしかたが悪いのか、あまりそう解釈している人がいないんですよね。

歌詞をきちんと聴く派の私を混乱に陥れるのは、井上陽水です。たとえば『少年時代』を聴くと、「風あざみ」ってところで気持悪くなります。なんだよ、風あざみって。アザミの一種? それとも、あざむという動詞があるのか??