あなたは「風」(ふう)について、真剣に考察したことはあるか!?
- なになにスタイルの「風」
広島風お好み焼き、関西風お好み焼きの「風」は、広島や関西でつくられるタイプのお好み焼き。これらは概ね「なになにスタイルの」でいいようです。「古風な服だね」という場合も、古いスタイルの服だね、という意味ですね。 - 及び腰の「風」
インド風カレー、タイ風カレー……。このあたりの「風」はやや曖昧な表現です。堂々と、インドカレー、タイカレーと謳う店もありますから、少々自信がなさそう。「本場の味そのものかと言われたら、あの、その、もごもご」と及び腰に見えてしまう「風」です。 - ……ではありませんの「風」
ところが、そば屋の幟に書かれた「手打ち風」ときたらどうですか? この「風」は「手打ちではない」という否定の意味を確実に含んでいるのです!
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と、いつものジョークでした。
中国新聞の記事をリンクします。
広島風お好み焼きという呼称に違和感を持つ人の意見を引用します。
「広島風」に納得いかないのは東区の主婦(62)。「本流に対して亜流というニュアンス。関西のものがスタンダードと言われているようで…」。南区の40代男性も「大阪人に広島風と言われたら、必ず大阪風と言い返す」と、鼻息荒い。
「広島風」と呼ぶことは、《本流に対して亜流というニュアンス》なんでしょうか。となると、広島県民が「関西風」と呼べば、あちらが亜流になるんでしょうか。
広島出身の私。日常会話では「お好み焼き食いに行こうやあ」と言いましたが、昔から「広島風」を頭につける呼び方はありました。「お好み焼きゆうたら、広島のもんなんじゃけ、わざわざ『広島風』つけるなや、おんどりゃあ」という屁理屈は、私が上京したあとで蔓延したような……。
「広島風」はオーケーなんですが、一方で、昔は耳にしなかった「広島焼き」とか「広島流お好み焼き」という呼び方には反撥を覚えます。私は原理主義者ではありませんが、保守的なのです。「広島焼き」にいたっては原爆を連想しちゃいます。
ちなみに、広島のお好み焼きはキャベツや豚肉や焼きそばを重ねて焼きますが、具をまぜて焼く関西風お好み焼きチェーン「徳川」も地元で人気です。学生時代、帰省したときなどによく友達と行きました。ビール飲みながらワイワイ焼くのも楽しいもんです。
あ、思い出したのでもうひとつ──。ずっと前の話、女友達と2人で東京で広島風お好み焼き店に行き、同じお好み焼きを2枚注文したら「なぜ2種類のお好み焼きを注文してシェアしないのか」と不満げなのでビックリしました。広島の友人同士で分け合ったことなどありません。具やソースは基本的に同じだし、シェアなんてしなくていいんじゃなかろうか。