狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

一か月半くらい前のこと

東京はまだ自粛要請が解除されていません。日本でも世界でも、蟄居状態でドメスティック・バイオレンス(DV)が増えたと報道されています。報道によれば、児童相談所に寄せられた児童虐待の相談件数は、1月=1万4974件、2月=1万4997件、3月=2万5203件と、前年同月比で1〜2割増加したとのこと。もっとも、学校や職場に行けば行ったでイジメなど人間関係の軋轢があるわけですから問題は複雑ですけど。

4月上旬の話です。

22時過ぎにジョギングを始めて1キロくらい走ったところでちらりと瘦せた少年を見かけました。半袖Tシャツ姿で肩を丸めて歩いています。暖かくなったとはいえ夜はまだ涼しく、半袖で歩くほどではありません。すれ違ったあとで「このご時世、DVかなにかで追い出されたんじゃないか。声かければよかった」と、夜中の坂道を走りながら後悔しました。

1時間半近く走って同じ場所を通ると、なんとまあ、まだその少年がウロウロしているではありませんか。中学1年になるやならずや、という感じ。一回すれ違ったあと、やはり気になるので戻り、声をかけました。

「きみ、寒くないの?」と訊ねると「寒くないっす」と強がります。「うちはどこ?」とたずねたところ、よどみなく自宅の最寄駅を言いますが、歩いたら1時間以上かかります。「方角が分からなくなって……」というのを嘘かもなあと感じながら、方角を教え、金を持ってないというので千円札1枚渡して「これでなにか食べな」というと、会釈して小走りで去りました。

私の対応が正解だったか……。もっと突っ込んで事情を聞くべきだったか、交番に連れて行くべきだったか、咄嗟に判断がつかなかったのです。Facebookにその話を書いたところ、ある友人が「交番に言ってお巡りさんに『あのへんに少年がウロウロしている』と告げて補導してもらうべきだったのではないか」と言われました。そうだね、たぶんそれが正解な気がします。

どうしたかな、あの子。

(妻は別にして、ひとと1分以上直接話したことはあれ以来ないな、と気づきました)