狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

萩往還ウルトラマラニック、140kmの部

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 こういうの、140km走ったと記録していいのかな。たぶん100kmくらいしか走ってないけど……まあ、いいや。

 5月3日から4日にかけて、萩往還マラニック140キロの部に参戦しました。持病とも呼べない持病をかかえているので、心配性の家人はウルトラマラソンを許可しません。今回はちょっとごまかして走りました。

 スタートは3日18時。えいえいおーっと瑠璃光寺を出発。
 山口〜防府(英雲荘)〜山口〜萩市街〜山口、と走ります。瀬戸内海から、日本海まで山口県を縦断するわけですね。制限時間は24時間です。いつもどおりコースなどはまるで勉強せずに出発。みなさんはそんなことなさいませんように。防府の往復はフラットだろうと、なんとなく独り決めしていたのが大間違い。鯖山峠はなかなかきつかった。峠の上は街灯のない真っ暗なエリアがあります。ライトを持ってない人がいたので、私が持っていたハンドライトで前の道を照らして誘導しました。あのランナー、コンビニかどこかでライトを調達すると言っていたけど、どうしたかな。
 山口福祉センターに到着。体調が戻りきっていなかったようで、ここまでの50キロに5時間を要しました。イベントでこのペースは久しく経験したことがありません。かなり寒くなったので、あらかじめ荷物を預けていたでウエアを重ね着。GENTOSのヘッドライトも装着しました。

 
さて。ここまでは序の口。峠の連続が萩往還の本番です。

 日付が変わったころ萩往還道に入り、最初の長い下りをキロ4で飛ばしました。こういうのがいけなかった。70キロの部を走った昨年は、峠道を歩いて登っているうちに回復し、また売り切れる……を繰り返し、余裕を残してフィニッシュしましたが、今回は、夜が明けてから完全に足が終わってしまいました。
 夜中、一人で山道を走るのはほんとうに楽しい冒険でした。ヘッドライトを手で覆うと、夜空に霧吹きで吹いたように星がまたたいています。このまま横になり、星を見ながら寝たら気持ちいいだろうな、などと考えたりしました。
 ずいぶん寒かった。視界がくもり、ヘッドライトの光線がにじみます。ガスでも出てきたのかと思ったら、自分の吐く息が白かっただけでした。
 2度ほどコースアウトしましたが、一種オリエンテーリングみたいな大会だから自分の責任です。夜が明け、ザブーンと波打つ日本海に出ました。ここまで25〜30位くらいと聞いていました。少し脚が重くなったものの、11時間45分くらいで95キロ走り、まずまずかな、と感じていたところで……

 大失敗!

 虎ヶ崎という第3チェックポイントに左折する場所を素通りしてしまい、海沿いにずいぶん直進していたのです。リヤカー押しているおじさんに、「虎ヶ崎はこのへんじゃないんですか」と訊けば、私のはるか背後を指差します。私が振り返ると、
「ほれ、あれが虎ヶ崎よ。突き出たところが虎の顔に見えるじゃろう。あんた、ずいぶん遠くまで来ちゃったのう」
 との返事。
 がーん。目の前がくらくなりました。
 iPhoneで確認すると、3キロも進んでいたのでした。道理で、途中から誰もついてこないはずだ。「リタイアしよう」と決めてトボトボ歩き、往復で都合6キロ、1時間のロスです。しかし、ゆっくり歩きながらこんなことを繰り返し考えたのです。

 ここでリタイアすれば来年また挑戦するだろう。
 でも2度とこんな峠道を走りたくない。
 じゃあ、今回完踏すべきではなかろうか。

 20時間を切って走るつもりだったんですが、もう無理です。目標を完踏に切り替えるべきか、いやいや、来年きちんと準備してやるべきか……。
 虎ヶ崎のエイドでは、250キロの部の終盤を迎えた知り合いのウルトラランナーとバッタリ遭遇。もやもやした気分でしたが、まわりにいる250キロの部の人たちは明るい。「ここからフルの距離を12時間で移動すればいいんでしょ。もう完走したようなもんじゃん。カンパーイ」とビールを飲むのです。
 その人の注文にならって大盛りカレーを食ってやりましたわ。ビールまでは真似しなかったけど。がはは。明るい彼らを見ているうちに、少し気分が晴れました。怪我したわけじゃないもの、淡々とラン&ウォークすることにしよう。快晴続きの好条件で、完踏率を下げたら主催者に申し訳ないしね。
 105kmの最終チェックポイント・陶芸の里でもう一度着替えます。
 最後の25キロくらいは大腿四頭筋が痛んで、ほとんど走れず。21時間27分という惨敗レースでした。
 コースの把握や装備、走り方ふくめ、反省の多い大会でした。70キロの部はフルの延長でいけたものの、さすがに140キロは一味違います。アップダウンだらけなのでもっとソールの厚いシューズを選択するべきだったかも。ウルトラランナーではなくウルトラウォーカーになっちゃったんだな。

 次回はもっと上手く走れるはずですが、家人にウソをついて出るのもしのびないし、しばらくはフルで頑張りたいので、ウルトラはやめときます。
 同級生はじめ、一緒に参加したみなさん、途中でお話した方々、ほんとうにありがとうございました。ちょっと悔しいけど、非常に楽しい二日間でした。
(上の地図は、スタートから陶芸の里まで。上のほうに赤いラインが余計に伸びているんですが、ここが6キロ以上ロスした部分です。)


速報による記録は下記のとおり。
21時間25分12秒。61位/完踏292人(出走499人。完踏率56%?)

萩往還ウルトラマラニック、装備の覚え書き