狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

松原みき『真夜中のドア』の歌詞

ブログのテーマとはいっさい関係ない雑談です。

最近、ラジオで数回、「真夜中のドア」を聴いたんです。直近は先週の金曜日。岩崎宏美・八神純子・花田千草によるカバー曲が、NHK「高橋源一郎 飛ぶ教室」で流れました。シティポップの代表みたいな曲で、いまなお東南アジアで(?)聴かれているという噂は聞いています。

10日くらい前でしょうか、たまたま聴いたTBSラジオ「これが宮治でございます」で、松原みきが歌うオリジナル曲がかかり、曲が終わると桂宮治がこんなことを言うのです。

「真夜中のドアをたたき/帰らないでと泣いた──って歌詞があるけど、女の人、部屋の内側にいるの、外側にいるの? 知ってる人がいたら教えて」

私はきちんと歌詞を考察したことがなかったんです。ざっと検索したところ、「真夜中のドアをたたき」に定説はないようです。室内からドアを叩いている、室外からドアを叩いている、タクシーのドアを叩いている、などなど解釈が分かれています。

何度か耳にしているうち、気になってきちゃいました。「真夜中ドアをたたき」じゃないんだから、本物のドアを叩いているとは限りません。曲のタイトルになっているくらいだし、「真夜中のドア」は隠喩かもしれないなあ……ふむふむ、と一晩長考しました。

みなさん、私にはわかっちゃったかもよ。

松原みき「真夜中のドア」
作詞・三浦徳子
作曲・林哲司

To you…yes my love to you yes my love to you you…to you

私は私 貴方は貴方と
昨夜言ってたそんな気もするわ
グレイのジャケットに見覚えがあるコーヒーのしみ
相変らずなのね
ショーウィンドウに二人映れば

stay with me…
真夜中のドアをたたき
帰らないでと泣いた
あの季節が 今 目の前

stay with me…
口ぐせを言いながら
二人の瞬間を抱いてまだ忘れず
大事にしていた

恋と愛とは違うものだよと
昨夜言われたそんな気もするわ
二度目の冬が来て離れていった貴方の心
ふり返ればいつもそこに貴方を感じていたの

stay with me…
真夜中のドアをたたき
心に穴があいた
あの季節が 今 目の前

stay with me…
淋しさまぎらわして
置いたレコードの針同じメロディ繰り返していた……

stay with me…
真夜中のドアをたたき
帰らないでと泣いた
あの季節が 今 目の前

stay with me…
口ぐせを言いながら
二人の瞬間を抱いて
まだ忘れず 暖めてた

手短に結論を書きましょう。

まず、「離れていった貴方の心」とか「心に穴が空いた」とあるとおり、二人は別れています。しかし、彼女は男のことが忘れられません。「To you…yes my love to you」なのですから。

1番と2番の2行目に「昨夜言ってたそんな気もするわ」と「昨夜言われたそんな気もするわ」とあります。別れているから実際に会っているわけはありません。前夜に彼が出てくる夢を見たのではありますまいか。夢だから記憶があやふやで、「そんな気もするわ」と表現されているのだと考えます。

「二度目の冬が来て離れていった貴方の心/ふり返ればそこに貴方を感じていたの」の「そこ」は冬もしくは非現実的な夢の世界か。「あの季節が 今 目の前」は、夢のなかはあの冬のままという意味じゃないでしょうか。「置いたレコードの針同じメロディ繰り返していた」は時間が停滞していることをあらわしていそうです。

さて、本題。「真夜中のドア」とはなにか?

冬に近づいた昨夜、貴方を夢に見たのですから、真夜中の、夢の世界につながる扉を意味するはず。彼女はそのドアをノックして彼に会ったのです。夢のなかは冬で、そこにいた彼は以前のままでした。

これ、間違いないと思うんだけど、どうでしょう? 桂宮治に教えるべきでしょうか。