狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

高負荷インターバル・トレーニングの方法 ② タバタ式

◆タバタ式トレーニング

高負荷インターバル・トレーニング(HIT、HIIT)を語るのに、タバタ式を避けては通れません。タバタ式はいちおう知っています。立命館大学スポーツ健康科学部の田畑泉教授が考案し、海外のトレーニングマニアで普及したあと日本に逆輸入された、という話も耳にしていました。

このたび、きちんと本を読んでみました。立命館のHPに特設サイトもありました。

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング

 

 スピードスケート日本ナショナルチームヘッドコーチであった入澤孝一先生が考案した間欠的(インターミッテント)トレーニングを田畑教授が研究。運動生理学的にもっとも効率よく成果がでる運動時間と休憩時間の組み合わせを割り出した、とのことです。それが、

 高強度の運動20秒と休憩10秒 × 6〜7セット

でした。

《この数値のインターバルトレーニングを週4回・6週間行うことで、持久力をあらわす「有酸素性エネルギー(最大酸素摂取利用)」が10%、中距離の能力を示す「無酸素性のエネルギー(酸素借)」が30%も改善するという結果が出たのです》(13ページ)とあります。運動生理学的な理屈は、上記にリンクした本に譲ります。私もきちんと理解しているかどうか、あやしいし。ダイエット効果を謳う人もありますが、田畑氏はエビデンスがないと書いています。

さて、トレーニング種目は、大きな筋肉を使うものであればいいそうです。本には、バーピーなど、いろいろ紹介されています。

◆実践すると、浮気にならなのか?

知ってしまったからには試したくなります。

しかしなあ、4月29日の投稿で、《今後も田中先生の理論を実践し、証明するためだけに走ります》と書いているのですよ、私。事実、田中先生推奨の30秒ダッシュとか、1分急走+4分休憩12本のインターミッテント・トレーニングを1ヶ月ほどやったところです。

科学的見地に基づくトレーニングの実践という点では田中先生のスタンスを逸脱していませんが、たった1ヶ月で翻意し、浮気することにならないか……?

検索すると、こんな記事(朝日新聞デジタル、2017/9/6)を発見しました。『ケニア! 彼らはなぜ速いのか』を書いた忠鉢氏の記事です。

一部引用です。(太字は引用者)

「タバタ」は30秒から3分程度続く高強度の運動に効果があるとされ、陸上競技の中距離種目、競泳や球技などが当てはまる。しかし最新のトレーニング理論に詳しい福岡大の田中宏暁教授(運動生理学)は「タバタの後に負荷の軽いランニングをすることをマラソン選手に勧めたことがある。工夫すればいろいろな競技に取り入れられるはず」と話す。

おお、田中先生も認めておられる!

では、そのうち試します。

マンションの階下に響くかもしれず、部屋のなかでドタバタ飛び跳ねるのは味が悪い。スピンバイクを買おうかと一瞬思いましたが、坂道20秒ダッシュとかで代用しようかな、と考えています。

高負荷インターバル・トレーニングの方法 ①

田中先生考案のインターミッテント・トレーニングと坂道ダッシュを交互にやりはじめたところです。本日は、田中宏暁式坂道ダッシュ4本でした。決められた距離の、30秒坂道ダッシュですが、いつもより1〜2秒遅かった。しくしく……。

それらは高負荷インターバル・トレーニング(High-intensity interval training, HIT, HIIT)の一種なんだろうと思います。タバタ式トレーニングが有名ですね。

私がHITを知ったのはアレックス・ハッチソン『良いトレーニング、無駄なトレーニング』だった気がします。いま見返すと、「Q.週に七分間の運動でも効果ある?」(36ページ)にいくつかトレーニング方法が挙げられていましたので紹介します。


◆(30秒激しく運動+4分休憩)× 4〜6回

◎カナダの運動生理学者マーティン・ギバラらの実験
《30秒間できるかぎり激しくエアロバイク(自転車型運動器具)をこぎ、4分間休憩。この4〜6回の繰り返しを1セットとし、週に3回被験者におこなわせたところ、運動能力、筋肉の新陳代謝、心肺の状態に、週に5回、1日1時間の運動をした場合と場合と同等の効果が見られた》

カナダ、ゲルフ大学のジェイソン・タラニアンらの研究では、筋肉や心臓に血液を送る主動脈の機能を、HITによって一般的な有酸素運動のトレーニングと同じくらい向上させられることがわかっている。また、脂肪も燃焼しやすくなり、その状態が日常生活での軽い運動で持続することも明らかになっている、とのこと。

◆(60秒全力+2分休憩)× 10セット

◎1954年、1マイル4分の壁を破った英国のロジャー・バニスターの主な練習
《ロジャー・バニスターの練習が、60秒の全力疾走と2分間の休憩を10セット繰り返すインターバルトレーニングだったことはよく知られる。バニスターは医学生で、トレーニングに使える時間が昼休みの30分に限られていた》

そんな練習してたっけ? と、『パーフェクトマイル 』でバニスターの練習法(164〜166ページ)を確認しました。1952年12月から翌年の2月までは、近くの学校のクリケット場でさまざまなトレーニングをし、「スタミナの養成に余念がなかった」とあります。お気に入りはファルトレクだった、とも。

3月からはトラック練習に入りましたが、勉学との両立のために「どんどん激しいトレーニングを考え出さねばならな」かった。「トラックでの練習はインターバル走だけに限った。この方法は以前もスピード養成に利用していたが、これほどの激しさでおこなったことはなかった。彼のトレーニング理論は単純明快だった。おなじ距離を週ごとにだんだん速く走る、というものだ。あるとき彼は、六三秒のペースでトラックを一〇周し、それぞれの合間の周回も二分から三分にしか落とさないようにした」とあります

これが上記の練習なのでしょう。「一日一日が、前日の結果に照らしてのテストだった」とあるから、毎日やったんですかね。

『良いトレーニング、無駄なトレーニング』に戻ります。

◆(30秒スプリント+4分休憩)× 3〜6セット

◎西オンタリオ大学による実験
《被験者を30秒のスプリント走を3〜6回、4分間の休憩を挟んでおこなうグループと、1度に連続して30〜60分走るグループに分け、それぞれ週に3回のトレーニングを6週間おこなわせたところ、両グループの持久走の向上と脂肪の減少はほぼ同じだった。
 ただし、持久力向上の原因は違った。長距離を走ったグループでは、血液から酸素を摂取する能力が、心臓が送り出す血液量が増えたことが主な原因であったのに対し、HITのグループでは、血液から酸素を摂取する能力が、筋肉の強化によって改善したことが原因だった》

アレックス・ハッチソンはこの練習と効果を紹介しながら、心臓と筋肉の強化はどちらも重要であるため、トレーニングをHITのみにするのは好ましくなく、「HITと持久力トレーニングを併用すべきでしょう」と書いています。また、数分で1時間と同じ運動効果を得るためにはリスクも伴う、と注意していますので、念のため。

田中宏暁先生が考案された30秒ダッシュ×4本およびインターミッテント・トレーニングに関しては、過去の投稿をご覧下さい。

 ★この話、続きます。

 以下、参考書です。

良いトレーニング、無駄なトレーニング 科学が教える新常識

良いトレーニング、無駄なトレーニング 科学が教える新常識

  • 作者: アレックス・ハッチンソン,児島修
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2012/02/11
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パーフェクトマイル―1マイル4分の壁に挑んだアスリート

パーフェクトマイル―1マイル4分の壁に挑んだアスリート

 

土日のこと(日曜日は追悼スロージョギング)

土曜日は聖蹟桜ヶ丘リレーマラソンの設営のお手伝いで、朝8時半くらいから15時くらいまで力仕事でした。知り合いが主催していまして、地域密着・完全手作りのイベントです。ハンマーで杭を硬い路面に打ちつける作業をして、クタクタになりました。大会当日もボランティアするつもりでしたが、別のイベントを入れたんです。

先日亡くなった田中宏暁先生を偲ぶメモリアルスロージョギングというイベントでした。5月27日に、世界でスロージョギングしましょうと呼びかけていたのは知っていたのです。個人でやるつもりでしたが、ちゃんと確認すべく25日に日本スロージョギング協会のHPを覗くと、東京でもイベントがあると告知されていました。

おそらく顔見知りは一人もいないんでしょうが、田中先生を信奉する身としては、スロージョギングも、その後の食事会にも参加せねば……と申し込んだ次第です。

日曜日は、朝7時前に出かけ、駒沢公園に向かいました。

スロージョギングは、歩くくらいのスピードでもいいから楽に走って、無理なくメタボ解消し、健康長寿を目指しましょう、というものです。

参加者は30人くらいでしょうか。もっとかな?

10:00/kmのスピードで駒沢公園を2周しました。先生はおしゃべりできるスピードを「ニコニコペース」とおっしゃっています。10:00/km は、走り始めた方のニコニコペースということでしょう。

2部ではお店に移って会食。

いろんな方のお話を伺いました。先生の弟さんからは幼少期などのお話も。

最近走り始めたある参加者から「スロージョギングを続けていて、レースに出られますか」と質問されました。もちろん出られます。6年前、先生とお目にかかったとき、刊行されたばかりの『BORN TO RUN』を読んだと私がいうと、先生も「あれはいいよね」と激賞されました。

走るために生まれた(BORN TO RUN)のは誰でしょうか? 裸足同然で走るタラウマラ族? 100マイル(160km)の山岳レースに出る鉄人たち?

いえ、違います。

人間が他の動物より優れている点はただひとつ、持久力です。走るために生まれたのはわれわれ全員なのです。そのことを『BORN TO RUN』で知ったとき、開いたページから腕がにゅっと出てきて私を指さし、「走るために生まれたのはお前だ!」と言われた気がしました。比喩ではなく、ほんとうにそんな幻覚が見えたのです。

運動生理学者であった田中先生も、『BORN TO RUN』で紹介された、デニス・ブランブル「ランニングマン説」やダニエル・E・リーバーマンによる「踵着地で故障が増える説」に多いに共感されていたようです。ソールの薄い裸足感覚のシューズを開発されたりもしていました。

われわれは走る動物なのです。自分に合ったニコニコペースのジョギングで人間本来の能力を高めていけば、レースにだって出られます。ちなみに、田中先生はぜーハーいう手前までをニコニコペースと呼ばれています。それはつまり、フルマラソンを走りきれるペースまでふくむということです。

田中先生は50歳のときにフルマラソン2時間40分台で走られています。スロージョギングを提唱されるさいも「スピード出しちゃいけない」なんて堅苦しいこと言っていません。楽しみながら走るうち、いずれレースにも出られますよ、という考えです。(私、間違っていませんよね?)

その会でたくさん飲みましたが、1度家に帰って少し寝て、22時から自分なりのスロージョギングをしました。55分くらいで8キロだったかな。

あまり走らなかったけど、そんな二日間でした。

ランニングする前に読む本 最短で結果を出す科学的トレーニング (ブルーバックス)

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  • 作者:田中 宏暁
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  • 発売日: 2017/02/15
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シューズを選ぶ不便な足

木曜日はゆる坂ジョグ。どうも足に負担がかかるんです。ナイキのシューズを履いていたときほどじゃないんですが、ハムからふくらはぎにかけてダメージがあります。

以前、あるコーチと、ドロップ(爪先と踵の差)について話したことがあるんです。

私が、ドロップ差が大きなシューズを履くと、足がしびれ、ハムなど足の後ろが疲れると言いますと、

「40roさん(仮名)は爪先着地なので、踵の低いシューズが合ってるんでしょう。踵着地の人は、踵が高いシューズで着地すると踵を支点に前に倒れて前傾し、推進力が生まれます。40roさんの場合、ドロップ差のあるシューズを履くと、フォアフットで着地したあとガツンと踵がついてしまうんです。そのさい足が前にスライドして黒爪になったりするかも」(確かにそうです)
「コーチは踵の高いモデルでも走れるんですか」
「ぼくはそこまで繊細ではないので」と爽やかにニコッ。
(すまんの、神経質で。ムカッ^_^)

以下、余談。

「40roさん、絞れてシャープですね。175センチ58キロくらいですか」
「60キロあります」
「そうですか。走れそうな体型ですねえ」と爽やかにニコッ。
(遅くて悪かったの。ムカッ^^)

いまは、ジョグのときはランニング足袋「無敵」か、NBの HANZO R で走っているんです。前者はもちろんゼロドロップ(爪先と踵の高低差がない)で、後者もレスドロップを謳っています。

しかし、HANZO で、萩往還道の下りの砂利道を走ったら、前側が磨り減りました。痛みがではじめたのはそのせいかなあ。累計250kmしか使ってないのにね。

ジョグの半分をゼロドロップの足袋でやっていると、9ミリドロップのミズノのウエーブエンペラーも少しつらくなりました。HANZO もそろそろやばい。

スピード出すときに履くソーティは平気なんですけどね。

次のジョグ用のシューズはなんにしようかな。全部足袋にするか、アルトラやルナサンダルか……。

 

 

不便な足です。

日大のラフプレーと監督

私、テレビをほとんど見ないので動画を見るのが遅くなったのですが、例のアメフトのラフプレー、ビックリしちゃいました。本当にひどい。

日大の監督、雲隠れしているとか。

監督および日大の言い訳はまるっきり現政権の言い逃れと同じです。「自分は指示していない」とか「選手が勝手にやったこと」と監督は言っていると報じられています。麻生大臣は、財務省が勝手に改竄した、と発言しました。

今後、次のような発言が出てくるぞ。

「私やコーチが関係していたということになれば、これゃもう、え〜、まさに、こりゃもう、私は監督をもう、そりゃもう、間違いなく、監督も大学も辞めることは、はっきりと申し上げておきたい」
「ラフプレーをした選手はハメられた可能性もある」
「どのチームだって悪質タックルはありえる話だ。社会人だって大学だって、ああいうことをやろうと思えば個人の問題でしょうから」
「悪質タックル罪はない」
「ルールブックはアメフトの理想を書いたもの、でごじゃます」
「そういう、まるで私が関与しているような印象操作はやめてくださいよ」
「記憶の限り指示していない」
「お前NHK? 見ない顔だな」

無限にあります。

世の中が歪んでいます。仮に、指示してなくても辞任モノですけどね。「上が責任を取らない」のは日本の伝統です。

みなさんの職場でも、案外フツーにあるのでは?

脚本「減量とラン」

 萩往還ウルトラマラニックの前日、仲間7人くらいと飲んでいたときの会話。
 登場人物は、
 M=高校時代の同級生
 Yさん=前週、UTMFを完走した女性ランナー
 私
 です。

 ランニングと体重って、いうほど関係ないよな。
 ええっ、そんなことないよ。
 デカくて速い人、そこそこいるよ。
私 瘦せればもっと速くなるんじゃない?
M そうかなあ。
私 あのね、トレイル大会に出る人たちは装備を1グラム単位で軽くしてるんだよ。なんのためだよ? ねえ、Yさん。
Yさん Mさん、減量は必要だと思いますよ。
M う……うん、Yさんがそう言うなら、必要なのかもね。
私 論破されたな。
M うん、論破された。

以前も書きましたが、最大酸素摂取量(Vo2max)の単位は、ml/kg/minなのです。つまり体重が落ちれば、相対的にVo2maxは上がります。

減量とミトコンドリアの話をしたかったのですが、だるいのでこのへんで。

私、年末年始に2ヶ月走らず、遊びのつもりで65.0kgくらいまで増量しました。

こんな遊びしないほうがいいみたい。

なかなか減らずに困りました。やっと62.0kgです。通常60.0kgくらいなので、まだ体重オーバーです。ふう。

雨ラン

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雨。

しばらく前からやっと「走る気」が湧いてきました。

日曜日なんだから雨でも少しは走ろう、なんて気分、何年ぶりでしょうかね。

午後2時ごろ表に出ました。

昨夕のIMT(300mダッシュ)12本、「蹴らない」ことを心がけていたのでアキレス腱にダメージはない気がしますが、ハムとお尻が張ってます。

どうせ濡れるんだもの、裸足感覚のランニング足袋「無敵」を履いてスタート。キロ7分で水遊びすることになりました。ときどきすれ違う人が、ずぶ濡れの私を「アホか」という視線で見てました。

ふっ。馴れてるぜ。

多摩川と浅川の合流地点にさしかかると、大会のエイドらしきテントが見えます。今日は歳の鬼あし50KMだったと気づきました。いつもカンカン照りなので、曇〜雨は珍しいのではないかな。

別の場所はウォーキング大会のゴール地点になっていました。

15km走りました。下の写真はオオキンケイギクです、たぶん。

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