『日本人は100メートルを9秒台で走れるか』

 深代千之『日本人は100メートルを9秒台で走れるか』(祥伝社新書)を繰り返し読んでます。著者は東京大学教授でスポーツバイオメカニクスの研究をしている方です。内容は『〈知的〉スポーツのすすめ』(東京大学出版会)のスプリントに関する章とかなり重複するんですが、改めておもしろい。
《力学的に理にかなった走り方は一つしか》なく、すでに研究は進み、日本短距離界はその成果をもとにトレーニングしているのだそうです。桐生選手や山縣選手ら若手スプリンターが 擡頭する背景には、こうした事情もあるんですね。一方アフリカ系のジャマイカやアメリカの選手は、科学的な研究を反映させていないそうです。つまり彼らはもっと速くなるのかも……。日本人も近い将来9秒を切るのは間違いない。その具体的な走法に関しては本書をお読みください。私としては、高校の後輩である山縣選手にぜひ切ってもらいたいんですけど。

f:id:mugibatake40ro:20140411112405j:plain

 短距離走と長距離走も、フォームは基本的に同じと考えているので、いろいろと参考になりそうです。
 たとえば、《重要なのは、股関節を中心にしたスウィング動作だったのです》《腸腰筋(略)大臀筋やハムストリングスを鍛えて筋力をつければ、足が股関節を中心に速く回るようになるわけです》あたりは、参考になります。
  私、いまは骨盤がだいぶん緩んできたのを実感しています。骨盤を立てられれば、股関節の可動域が広がるという理屈もわかってきました。姿勢が良くなれば、インナーマッスルをピンと張れます。体幹トレーニングを正しくやれる準備がととのいつつあるのかも。
 著者は、
ボルト選手を理想の体型だと書いていました。体幹に筋肉があるが、手や足の先は細いんだそうです。検索して、写真をいろいろ見ましたが、大胸筋もさほど大きくなく、身体の中心から遠ざかるにつれて細くなっています。ランニングエコノミーが高いということですね。
 マラソンの場合は瞬発系の大きな筋肉は不要ですが、鍛える部分は同じはず。ハム、大臀筋、中臀筋、腸腰筋、腹筋、脊柱起立筋、広背筋、腹斜筋、あたりかな。
 
勉強になりました。

 それにしても、あれだよな。30年以上前の高校時代、正しい走り方をもとめて図書館や書店をまわったんですが、すくなくとも一般書ではほとんど情報を得られなかった。いまの子供は運動のハウツー本がたくさん出ていてうらやましい限り。

日本人は100メートル9秒台で走れるか(祥伝社新書)

日本人は100メートル9秒台で走れるか(祥伝社新書)