狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『「利他」の生物学』と『緑の哲学』

『「利他」の生物学』に教わったことのひとつ。

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植物の三大栄養素は、窒素、リン酸、カリウムです。以下、リンと窒素について。

リン──植物の根っこにはアーバスキュラー菌根菌が共生している。土のなかのリン酸はなかなか移動してこないため生育に支障が生じる。そのため、アーバスキュラー菌根菌が土中に広がり、リンを吸収してくれる。(今は、リン酸化学肥料に頼っているが、リン鉱石は限られている)

窒素──多くの植物は、落ち葉などが微生物によって分解された硝酸態窒素を使っているが、窒素成分が少ないところでは植物は育ちにくい。マメ科植物は根粒菌(バクテリアの一種)と共生し、待機中の窒素を土のなかに固定している。他の植物は、マメ科の植物の恩恵に与っている(空中の窒素を固定するハーバー・ボッシュ法により窒素肥料が開発される前は、飢饉が起きることもあった) 。有機栽培では、マメ科植物を植えると、次に植えた作物の収量が上げる。日本でも、ウマゴヤシやクローバー(シロツメグサ)が畑を肥やすと知られていた。

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ほうほう、そういうことか──。

福岡正信は米や麦をクローバーの種と一緒に播いていました。

緑肥草生の米麦作というのは、クローバーやレンゲの中に、米や麦を直播する方法で、豆科植物と禾本科植物の共生栽培である。(福岡『緑の哲学』83ページ)

クローバーもレンゲも豆科の植物なんですね。「豆科植物と禾本科植物の共生栽培」をする理屈を福岡氏は書いてなかったと思うのですが、窒素の確保のためだったのか。本を読んでいると、別の本と予想外につながることがあります。好きなんですよ、そういうの。