映画『サーミの血』(2016年/スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)を観ました。監督:アマンダ・シェーネル/出演:レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、ユリウス・フレイシャンデル。1930年代、スウェーデンの先住民族サーミの子供として育った姉妹の話です。主に姉の視点で描かれます。
サーミ人は北欧ラップランドで狩猟やトナカイ遊牧をしながら暮らしていました(狩猟採集民ではなく遊牧民です。念のため)。キリスト教国家に組み込まれ、迫害されてきた歴史を持ちます。
映画は、現在、都会に暮らすサーミ人の老女エレ・マリャが妹ニェンナの葬式に、息子や孫と向かうところから始まります。なぜ彼女は行くのを渋ったりサーミの伝統文化を嫌うのか? なぜ彼女が教会に入ったとき参列者が振り向き、彼女をじっと見つめるのか? 彼女の左耳に残る傷はなにを象徴するのか?──それらのナゾは、マリャの回想とともに明らかになります。
いろいろと考えさせられる映画です。途中、北大のアイヌ人骨事件や内国勧業博覧会(万博)での人類館事件を想起してしまい、グッタリしました。人類学という学問はかつて非人道的な手法で研究をしていたのです。
伝統民謡(?)ヨイクについて調べてみよう。