狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

映画『森のムラブリ』

いつか見たいと思っていた金子遊監督のドキュメント『森のムラブリ』が、Vimeoにアップされていたのでした。

ムラブリは昨年『東南アジア狩猟採集民の生活と子どもの発育発達』展で知りました。

かつてはタイの山岳地帯に暮らし、木の枝と大きな葉でつくる、雨だけはしのげそうな簡易なテント(映画では「クンラオ」と呼んでいます)に住んで移動する狩猟採集民でした。慎重な人々で近寄ってみるとクンラオは残っているけど、誰もいなかった──なんてことがあったそうです。近年、政府により定住化されています。

映画は、ムラブリ語を研究する伊藤雄馬さんとスタッフが、1990年代に定住をはじめたムラブリに昔話を聞くところから始まります。現在、400人いるそうです。正直少し退屈しましたが、村の年寄りにかつての生活を再現してもらうところから徐々に面白くなってきました。

このおじいちゃん、脱いだら筋肉隆々でした。

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後半は、タイのムラブリが怖れるマカオのムラブリを「発見」します。撮影するのは世界初だそうです。村との交易により米を得てシャツを着ていますが、彼らはノマド的狩猟採集生活を続けていました。

ムラブリは網猟で川魚を捕り、塩焼きにしていました。主に食べているのは掘り出したイモみたいです。マカオのムラブリは直火で焼いたあとのイモを竹に押し込んで、さらに蒸し焼きにしていました。タイの高齢のムラブリは、かつては鹿、亀、穴熊、熊、猪も食べたと言っています。現在、彼らは市場で加工品や肉を手に入れていましたが……。