『時速250kmのシャトルが見える』より、朝原宣治選手の意識

 少し前、うちの本棚を整理していたら、佐々木正人『時速250kmのシャトルが見える』という新書が出てきました。2008年の初版。買った覚えないけどなあ、誰かにもらったのかな、とパラパラめくったのです。
 著者がいろんなスポーツ選手にインタビューして、競技の極意とか感覚を聞き出している本のようです。バドミントンの潮田玲子、サッカーの名波浩、卓球の松下浩二……など16競技の選手が登場します。
 中長距離の選手は登場しませんが、短距離・朝原宣治選手の話が私には面白かった。フォームについていくつか気になる箇所がありました。

 接地を漏らさない

朝原 そうですね。今年はもっと歩数を減らそうかなと思っています。昨年('04年)は五輪に向けて結構長い距離、300mとか250mを走りこんだのもあって、効率のいい走り方をしようと、刻みながら走ることをしていました。なぜ刻むかというと「接地を漏らさない」ためです。
佐々木 接地を漏らさない?
朝原 地面を蹴るのではなく、押すのです。足首をがっちり固める感じで押す。実際に意識としてはほんとに蹴らないですよね。蹴ると絶対、脚が後ろにいってしまう。脚が地面に着いたところから脚を上にではなく、重心を前にやる感じです。脚を着いたままで、です。(略)


 脚ではなく骨盤を動かす

佐々木 速く動かしているのは脚ですか。
朝原 いえ、動かしているのは骨盤です。骨盤を早くローリングさせて刻んでるんです。今年は小さく刻むというより、もう少し空中時間を長くすればそれだけ余裕が生まれるので、その方向でいこうと思ってます。
  (略)
佐々木 地面を摑んでなおかつ舗装が減るといちばんいいわけですね。その摑んでる、押すっていうときには、やっぱり腰から下ですか、その感じは。
朝原 いえ、もうほとんど真ん中ですね。昔は末端ばっかり考えてました。(略)最近は脚から下というのはあんまり意識せずにいます。意識的にはほぼもう真ん中から動き出すように考えてます。そうでないと、大きな力が出ないですから。真ん中ということをもっと言えば、骨盤ですよね。


 骨盤と頭を結ぶ軸

佐々木 末端よりも身体の軸、中心で動いているということですね。(略)その軸の太さはどれぐらいですか。
朝原 太さというよりも、1本その軸が見えるという感じではないんですよ。たとえば筒がある。その上にみかんとかボールでもいいですが、筒の上にのせるとします。そこでバランスをとってその筒をクッと後ろに引くと、そのボールが落ちようとするでしょう。それが頭と背骨の関係みたいな感じに見立ててるんです、感覚的には。
  (略)
朝原 軸がしっかりしていないと力が漏れる状態で地面に力が伝わりません。軸が大事というより、いかに力が地面に伝わっているかが重要なんです。


 ……むむ。
 その他、私がわりと最近意識していることが書かれています。
 刊行時にきちんと読んでいればよかった。

※ リンクはKindle版です。

時速250kmのシャトルが見える?トップアスリート16人の身体論? (光文社新書)

時速250kmのシャトルが見える〜トップアスリート16人の身体論〜 (光文社新書)