或る一生

 何年間も部屋に引きこもり、好きなもの食べてのほほんと幸せに暮らしていたのに、ある日突然むくむくと外に出たい衝動に駆られ、うちから這い出てみればやたらと暑いので服を脱ぎ、ガラガラ声を張り上げて「ようようねえちゃん」と歌を歌うと女が寄ってきたもんだから、よろしくやったのが運の尽き、日増しに力が抜けてきて、道ばたにコロリと転がり空を仰ぎながら「ああ、俺の人生はなんだったんだろう。この炎天下、うちから出るんじゃなかったな」とぼやきながら意識が遠のいていく。
 ……といった状態のセミがあちこちに転がっていて、私が近くを通ると、最後の力を振り絞ってジッと飛び立ち、いろんなものにバチバチぶつかるのです。脅かすな。

        ☆

 上記の駄文を某SNSに書いたところ、セミがお亡くなりになることをセミファイナルと呼ぶのだと、ある人に教えてもらいました。うまい。^^
 セミファイナルといえば、10秒05の自己ベストは見事だったけど、決勝に進みたかったな、山縣亮太選手……。