骨盤の回旋と内転筋。

 あらためて、「骨盤の回旋」を意識して、いろんな本にあたっています。何度か書いた手塚一志『骨盤力』以外にヒントがないものか……。

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 深代千之『日本人は100メートル9秒台で走れるか』をよくよく読み直すと、骨盤の回旋について書かれているのでした。何度も読んでいるのに、問題意識が稀薄だったためピンときてなかったようです。
 著者は、大阪体育大学・伊藤章教授のフォーム解析(伊藤章『月刊陸上競技』2005年8月号)を紹介しながら説明しています(75ページ)。気が引けるので、掲載された図の一部だけ転載し、勝手に書き加えています。

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 短距離のトップスピードですから長距離走とは違うんでしょうけど、骨盤の回旋と足の関係が図解されていて大いに参考になります。
 黄色い部分、右脚が前に伸びているとき、すでに骨盤は逆に回っています。足と、同じ側の腸骨が一緒に前に伸びているほうがストライドが伸びるから有利だと思うのは素人考えなんですね。左側は腸腰筋が伸ばされたあと骨盤の捻りにつられて縮みはじめているところで、左脚が前に戻ろうとしています。
 つづいて、右脚は骨盤を追いかけて後方に戻りはじめ、骨盤の角度が最大20度になったころ接地、反対側の左脚は踵でお尻を叩いたあと前に振り戻されています。
 そして、いちばん右の図。最大20度あった骨盤の角度は12度くらいにまで減少しています。左脚は前に向かっているのに、腸骨はすでに逆方向に回旋しているのです。
 ランニングはまず骨盤がリードし、足がそれを追う運動なのだと思います。体幹周りの筋肉が起こす伸張短縮サイクルを利用しているのです。
 脚と骨盤が同時に前に出ては同時に戻るウォークの動きとは異なります。が、つい1ヶ月ほど前まで、私はお尻ごと脚を前に出すようなつもりで走っていました。ランジウォークのような意識でした。あのドリルの骨盤と脚の動きは文字通り「ウォーク」のものであり、ランニングではないのに。

 以下は99ページからの引用。

 股関節で脚を振る際、何が主導しているかというと腰の捻りです。肩をうまく振って腰の捻りにつなぎ、それが主導して脚をスウィングさせるといったことを、きわめて速い切り返しの中でしているわけです。
 腕を振るのは、腕を振ること自体が目的ではありません。体幹をねじるために振る。その動きをもとに股関節や骨盤につながって脚がスウィングします。そうすると、普通に走っているのにピッチは速くて、ストライドが伸びてくるのです。

 面白い。ちょっと前に書いた腕振りの考えも、ここに書いてありました。
 これ読んでも、なんにも気づかなかった以前の自分が恥ずかしい。
 
 べつのページで、著者は《目指す動作が具体的になれば、どの筋肉を鍛えればよいかということも明らかになります》と書いています。
 大臀筋とハムストリングス、腸腰筋や、アキレス腱のほかに、内転筋を挙げているのが興味深い。

 内転筋はおもしろい筋肉で、この筋が活動すると、大腿が前にあるときには引き戻し、大腿が後ろにあるときには前に振り出すといった機能が現れます。
 先述した大殿筋、ハムストリングス、腸腰筋に加えて、内転筋を鍛えることによって、股関節を中心に脚を前後にスウィングさせる動作が素早くなるというわけです。

 内転筋群は、どこからどこまで繫がっているのか、ググってみてください。

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 さあ、次なるシーズンにむけて、鍛えるべき筋肉がわかってきました。
 股関節のストレッチに加え、身体をねじるストレッチも必要です。

日本人は100メートル9秒台で走れるか(祥伝社新書)

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