『パラサイト 半地下の家族』

あたくしが会社勤めをしていたときによく行った中華料理屋の話です。20代のお腹すきすきマンだった私は、「チャーハンとラーメン」と頼むことがありました。店主のおじさんが「今日は半チャンラーメンの日じゃないんだよ」と必ず返します。

店に日替わりのサービスメニューがあり、週に一度「半チャーハンラーメン」でした。私はチャーハン一人前とラーメン一人前を頼んだのですが、店主は「半チャーハンラーメン」を頼まれたと勘違いしたのです。しかたがないので、いつからか「全チャーハン全ラーメン」と頼むようになりました。すると、店主は「あいよ」と鍋を振るのです。

ある日、私が「全チャーハン全ラーメン」と言ったら、隣に座ったおっさんが「俺も全チャーハン全ラーメン」と言ったからムカツきました。おじさん、あれは俺のオリジナルだぜ。

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おっと、半チャンではなく半地下の話なのでした。

ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)をNetflixでやっと視聴しました。公開されてすぐに見に行くつもりだったんですが、カンヌやアカデミー賞を受賞し、メジャー作品を敬遠するへそ曲がりな私が逡巡しているうちにコロナ騒動になり、見そびれていたのです。

出演 ソン・ガンホ、キム・ギウ、キム・ギジョン、チュンスク、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チョン・ジソ……とネットの情報を見て書いてますが、ソン・ガンホとチョ・ヨジョンしか知りません。ちょこっと、パク・ソジュンが出ています。

よくできた作品だと感じました。半地下の部屋に住む貧乏家族が、地上に住む富豪の家に寄生(パラサイト)するブラックコメディと聞いていましたが、もうひとつ、全チャーハン、いや、全地下に暮らす人も登場するのが、面白いアイデアです。ポン・ジュノ監督は、社会問題を戯画化・エンタテインメント化して描くタイプなのかもしれません。これ以上ストーリーを書いてはネタバレになりますが。

世は新自由主義。日本の格差問題も、なんとかしないといけません。岸田政権、新しい資本主義とか「聞く力」というなら、税金の応能負担と再配分を。