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『賊軍の昭和史』

先日亡くなった半藤一利さんと、保阪正康さんの対談『賊軍の昭和史』を読みました。都合良く解釈しすぎだろうと思われる部分もありますが、官軍・賊軍という視点から歴史を検討するのは有用な試みであると思われます。

賊軍とは戊辰戦争の負け組のことです。とくに海軍は薩長閥が幅をきかせ、成績がいくらよくても賊軍出身だと出世できなかったらしい。ポツダム宣言を受諾し戦争を終わらせたのは鈴木貫太郎がたまたま賊軍だったからであり、最後まで薩長は「戦争だから負けることもある」という事実を受け容れようとしなかったとか。特攻作戦で二〇〇〇万人が死ねば絶対に勝つ」なんて言っていただなんて狂ってるよなあ。

明治から数えて150年以上経ちました。官軍も賊軍もないだろうという向きもあるでしょう。しかし、戦後の総理大臣を見ても官軍出身が多いのはなぜでしょうか。そのうち山口県出身は岸信介1241日、佐藤栄作2798日、安倍晋三が2822日。あわせて19年弱です。賊軍出身の総理大臣といえば長岡藩の田中角栄886日と、盛岡藩・鈴木善幸864日くらいかな。

さて──。東京オリンピックも、もはや特攻マインドで破局の道を邁進している気がします。安倍晋三はもとより、菅義偉の出身は秋田藩(久保田藩)で東北だけど官軍。森喜朗は曖昧藩の加賀出身。誰か賊軍地域出身の責任者はおらんのかなあ。

賊軍の昭和史

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