メリー・クリスマ
つむら。
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どうやら2009年のことらしいんですが、日が暮れてから多摩川沿いを走っていると、いつもより人が少ないのに気づきました。ランナーは見かけず、歩いている人も少ないのです。「そうか、今日はクリスマスイブだ」と気づきました。最後に、すらりとした女性ランナーとすれ違ったんです。一瞬、目が合い、ふたりだけの秘密を共有した気分になりました。はい、勘違いです。
以来、毎年観察しているんですが、「クリスマスイブにランナーが少ない説」は正しいと思っています。昨年は、1時間半走りましたが、すれ違ったのは2人だけです。
本日は18時にスタート。スクワットやりすぎてお尻がつらく、30分しか走らなかったんですけど、なんと、5、6人とすれ違いました。
「クリスマスイブにランナーが少ない説」敗れたり?……いや、コロナ禍で、みんなとワイワイ過ごす日ではないんでしょう、今年は。来年こそはランナーのいない12月24日になりますように。
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同じように、個人宅を電飾でピカピカさせる、うかれ電飾(by 大山顕)も定点観測しているんです。
自宅のなかからはキラキラの全貌が見えないはずだから、あれは歩く人に「ごらん。うちはこんなにハッピーよ」と誇示しているみたい。ケッと感じていました。
2011年は自粛の年でしたから、うかれ電飾はガクッと減りました。文字通り灯の消えたような新宿や、エスカレータが止まった駅、計画停電で街灯が消えた町──。そんなモノクロームな1年でしたが、年末、auかどこかのコマーシャルでは、街が未来都市のようにキラキラピカピカしていて、無理矢理もとに戻そうとしているなあ、と感じたもんです。
震災や原発事故のショックが薄まるとともに、うかれ電飾も増えると予想していたんです。しかし、一時やや戻ったあとで年々歳々減っていきました。ケッと思っていた私も、「少子化のせいかな」「景気が悪いからかな」と心配になってきました。
ところがですよ、今年は明らかに去年より多いのです。少子化に歯止めがかかったか? 景気がよくなったか? いや、単に「今年はうちのなかでクリスマスを過ごす」という意志のあらわれと見ています。