きのう、人の少ない場所を選びながら20km走ったんです。TBSラジオ『久米宏 ラジオなんですけど』を追っかけ再生していました。
昨年3月、この番組のゲストコーナーに「8割おじさん」と話題の西浦博教授が出演しまして、そのまま流していました。 ↓ 頭出ししておきました。
西浦氏は翌日に久喜マラソンを走るため上京、番組に出演されたそうです。久米氏にGPSウォッチの説明したりしていました。
さて、感染症の話です。私の理解では……。
感染者1人につき何人に伝播させるのかを「基本再生算数」と呼び、それが3、すなわち1人あたり3人に伝播させるのだとすれば、感染者は1、3、9、27、81……と増えていきます。しかし、3人のうち2人以上に効くワクチンがあれば、「実行再生産数」を1以下に抑えられ終熄に向かう、という説明です。つまり感染拡大が3倍ならば、感染者を3分の1に抑えるワクチンが必要だ、ということでしょう。分母と分子が入れ替わるんですね。
WHOは、新型コロナの基本再生算数を暫定値で1.4~2.5としているそうです。悪いほうの2.5を基準にすれば、実行再生算数を1以下に抑えるためには、(1-1/2.5=0.6)となります。計算上、6割減でいいんですけど、以下のような説明で8割と言っているようです。
【なぜ8割の行動制限が必要なのか】
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) 2020年4月7日
北海道大学 西浦 博より解説します。
行動制限する人(p)の割合を、欧米の例を参考にR0(基本再生産数)と Re (実効再生産数)から導き出すと6割です。
なぜ8割としたかを解説しています。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/I6uRw4u6ri
しかし……これはワクチンではなく接触減という対策です。この長いトンネルの「出口」はどこなのでしょうか。実行再生算数が仮に0.5になり、新規感染者が日々減っていき、ついに新規感染者が0になり、それが2週間続くまで? ワクチンなり特効薬なりができたとき?
ワクチンも薬もない場合、感染者が少しいる段階で通勤やイベントを再開したら、第二波が襲います。そしたらまた8割減に戻して自粛するのでしょうか。
台湾はいちはやく中国からの入国規制など防疫を徹底し、水際作戦に成功しました。韓国は徹底的に検査して隔離をし、国民の行動をたどって(←これは日本ではやれないし、やるべきではないと思いますが)感染経路を明らかにしました。
多くの国がロックダウンをし、その代わり手厚い補償をしています。
ブラジルは論外。スウェーデンはさほど行動制限をせず、集団免疫を獲得する戦略をとりました。そのため現在では、人口比率では中国やアメリカを上回る死者を出しています。
しかし、どれが正解なのかは、事態が終熄するまでわからないのです。中国や韓国で第二波が襲わないとも限りません。最後に集団免疫を獲得したスウェーデンがじつは良かったということになるかもしれません。
ただ、日本の対策は結果的に、感染増加を抑えるとともに国民の生活を守り社会経済をうまく循環させることができるでしょうか。私はかなり悲観的です。
検査は不充分ですし疫学調査もしていません。接触8割ルールがいつまで続くのか、どんな状況で自粛解除するのか示されず、ゴールのない戦いとなっています。休業や失業を余儀なくされる人に充分な補償がありません。現政権はひとりにつき10万円を支払うと決めましたが、エイプリルフールと揶揄された布マスク2枚さえ家庭に届かないのに、いつ支払われるんでしょう。野党がさんざん要求していますが、中小企業や個人商店、貧困家庭、失業者、文化芸術にかかわる人たち、学生、ホームレスやネカフェ難民など弱者を手当するつもりはなさそうです。いずれ倒産したり路頭に迷ったり自殺する人が出てきます。
思えば、安倍政権は物価2%とかトリクルダウンとか拉致問題とか、まあなんでもいいんですけど、なにも実現していないんですよ。やったことは自分たちや友だちや支援者に都合がいい法案を通すことや、不正がバレそうになると脱法的行為をしてでも保身に図ったことです。国民の暮らしを圧迫してきた為政者が急に国民のために何かしてくれるわけがありません。
そうこうするうちに、台湾ではプロ野球が始まり、そろそろ観客を入れるかどうかを検討しているらしい。ネット配信をした試合にはアメリカからのアクセスが多かったといいます。韓国も5日に無観客試合がスタート。日本はいつまで開幕しないの?……台湾や韓国に新たな感染者が出て野球興行が休止になる可能性はありますけど、とにかく私はプロ野球を始められた国を暫定的に評価します。