弓削田眞理子さん。
ランナーの神さまみたいですね。最近の私は、頑張る先輩ランナーの情報を集めて自分を鼓舞しています。60代の女性でサブスリーは彼女だけとのことで、世界マスターズ陸上のThe 2019 WMA Best Athletes(長距離部門→HP)に選ばれたそうです。素晴らしい。
いま売っている雑誌「ランナーズ」3月号を購入して、弓削田眞理子さんの記事を繰り返し読んでいるのです。「ランニングマガジン クリール」3月号にも登場されています。子育てなどで陸上を中断されたあと40代から本格的に走り始め、2017年、58歳で初のサブスリー。2019年のさいたま国際マラソンでは(あの、きついコースですよ)2時間56分54秒をマークしたそうです。
「ランナーズ」で弓削田さんの最大酸素摂取量(Vo2max)を計測したところ46.2ml/kg/minで、《サブスリーの目安とされる60mlよりも大幅に低かった》とのこと。それでも換気性作業閾値(VT)は4分00秒だったそうです。
それではなぜ弓削田さんは2時間56分で走れるのだろうか? 測定を行った山本雅彦先生は、「最大酸素摂取量が低くても、練習を積むことによって、マラソンのタイムを伸ばすことは可能です。弓削田さんは月600kmという、同年代の女性市民ランナーとしてはずば抜けて多い練習量、そしてそれを可能にする強靱な肉体を持っています。それがこの年齢・最大酸素摂取量でもサブスリーを出せる秘訣でしょう。驚異的な結果だと思います!」
月間距離を多くすることで、VTが上がるという経験、私もジョグ中心で月間400km以上走っていたころ感じていたんですよね。さすがに、500kmあたりが仕事に支障をきたさない限界で、それが私の頭打ちの原因だったのかもしれません。加えて弓削田さんはスピード練習もされていますし、レースに数多く参加されています。
今回の弓削田さんの結果には非常に驚きました。持久力の指標である最大酸素摂取量の46.2mlは60代女性の平均値と比較すると圧倒的に優れていることは間違いありませんが、一般的に男性の場合、サブスリーの目安は60mlとされています。また、これまでに私が知るサブスリーランナーもみな50mlを超えていました。(略)
61歳の女性が月500〜600km走れること自体がすごいのですが、週1回はインターバルトレーニングやペース走を行い、さらに毎週のようにレースに出場して全力で追い込んでいます。こうした速いペースで走るトレーニングは、心肺機能や速筋を鍛え、マラソンペースを向上させることに効果的ですし、年齢を感じさせない大きなランニングフォームで走れる要因にもなっています。
弓削田さんは定年後も埼玉県の高校に勤務し、陸上部の男子高校生と走っているそうです。