狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『所さんの目がテン!』面白かった。

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4週間連続で狩猟採集民ハッザ族と生活するという『所さんの目がテン!』(日本テレビ)。1回目の放送を視聴しました。

男女2人のタレントがタンザニアの奥地に暮らすハッザ族と出会い、男性タレントが寝る小屋をみんなで建て、就寝するまでの、たった半日のドキャメントでしたが、狩猟採集生活の特徴を的確に捉えて列挙したのは見事でした。たとえば、少年が弓で射落とした小鳥を焼いてみんなで分けて食べる様子を映しながら、彼らが平等分配社会であると伝えました(VTRを見た所ジョージは、あんな原始的な弓で、大人ではなく少年が、獲物を簡単に捕えたことに驚いていました)。

うえの画像のふたつめの特徴「年齢の概念がない」は、時間の観念が稀薄だということです。きっちりと1年のサイクルを計算し、カレンダーを作ったりするようになったのは、播種や収穫を繰り返し計画的に生活しなければならなかった農耕生活以降のこと。1年がグルグルとループしない狩猟採集生活では、年齢という概念がないのでしょう。

「男女で役割を分けて生活している」ともありますが、母親はうちに籠もって子守りをしているという意味ではありません。彼らはたとえば、男は狩猟、女は採集というふうに役割分担をしている男女共同参画社会です。子育ては、母親や夫婦だけでなく血縁集団全体でおこなわれます。いまの「保守」のみなさんは「お母さんはうちで子育てせよ」とおっしゃいますけど、専業主婦なんて概念はつい最近できたものですよね。

この特集、来週以降も期待できそうです。監修者がいるんだろうとクレジットを眺めると、「津田塾大学 八塚春名」という名前があったので、メモ。