狩猟採集民のように走ろう!

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大竹まこと『俺たちはどう生きるか』

俺たちはどう生きるか (集英社新書)

俺たちはどう生きるか (集英社新書)

 

20年、いや25年くらい前でしょうか。朝まで飲んだ翌日の昼間、もさもさ起き上がってテレビを点けると、収録番組を放映していました。アイドルっぽい女の子が「栗ごはんをつくってきました」とスタジオの出演者にふるまっていたんです。大竹まことが「なに? ごはんに栗を入れて炊いただけ? こんなの栗ごはんじゃねえ!」とブチ切れました。私は、あれ、違うの? と感じましたが、ほかの出演者も異論をはさまない。さんざん女の子を罵倒して番組は終了しましたが、最後にテロップが出ました。「帰って妻にきいたら、◎◎さんの作り方で良いそうです。ごめんなさい。大竹まこと」……一連の流れはひどかったけど、大竹まことって謝罪する人なんだ、と意外に感じました。狼藉者というイメージだったので。

ここんとこ、13時からは「大竹まこと ゴールデンラジオ」を聴いています。ときどき私の感想ツイートやメールが読まれます。

ラジオは、人格がそのまま伝わるメディアです。大竹氏は、冷静にものを考え、権威に屈せず正義漢に溢れ、わからないことはわからないと表明します。若い人の意見にも素直に耳を傾けます。若手芸人がゲストに来ても、イジり方が優しい。芸能界では成功したベテランでしょうけど、威張ったりしません。私は理不尽な上下関係のない狩猟採集生活にあこがれているくらいですから、偉ぶらない大竹氏のファンです。

新刊のエッセイ集も買いました。タブレット純(ゴールデンラジオの火曜日のレギュラー)の落書きがオビに載っています。タイトルは「君たちはどう生きるか」ではなく『俺たちはどう生きるか』なんです。年寄りが高圧的に小言を言うのではなく、あくまでも他人とフラット。自分の経験や社会のできごとを語りながら、答えの出ない問題をひたすら考えている古稀のおじさんの迷いを正直に書き記し、どう生きるべきか模索しているのでした。

息苦しい昨今。

俺たちは、さて、どう生きましょうか。

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