狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

ナチュラルとは、天賦の才のこと。

大学時代、友人との会話。

私 「おい、『生まれ変わったら何になりたい?』って訊いてみて」
友人「生まれ変わったら何になりたい?」
私 「加藤剛」
友人「なんだ、それ」
私 「もう一回訊いて」
友人「やだよ」
私 「お願い、もう一回」
友人「わかったよ。生まれ変わったら何になりたい?」
私 「ロバート・レッドフォード」
友人「…………」

 私、レッドフォード(加藤剛、似てるよね)が出演する映画をなるべく見逃さないよう心がけています。この映画も、観に行くでしょう。

テレビではなく、ロバート・レッドフォードの新作映画を初めて見たのは、浪人のときに公開されたバリー・レビンソン監督『ナチュラル』でした。

1920〜30年代のアメリカ。天賦の才を持つロイ・ハブスは大リーグ入りが決まり郷里を離れましたが、ある事件に巻き込まれ、消息を絶ちます。十数年後、ニューヨーク・ナイツに現れた35歳の謎の新人スラッガーが、そのロイでした。彼の活躍により低迷していたチームは躍進し始めます……。ちなみに、主役を演じたレッドフォードの実年齢は50歳近かったとか。

映画の構造は単純な勧善懲悪ですけど、チームを乗っ取ろうとする判事はじめ、八百長に引きこもうと誘惑する悪い奴ら、幼な馴染みで恋人のアイリス(グレン・クローズ)との再会などがストーリーに膨らみをもたせています。さらに古き良きアメリカの風俗、映像の美しさ、想像を超えるラストシーン。スポーツ映画特有の興奮とレッドフォードの格好良さが相俟って印象に残る作品でした。
 野球映画としては、のちに『フィールド・オブ・ドリームス』などもヒットしましたが、私は『ナチュラル』が好きです。日本の野球映画であれば、岡本喜八喜劇『ダイナマイトどんどん』です。スポーツ映画ではなく、チャカと刀をバットとグローブに持ち替えた任侠映画ですけど。

『ナチュラル』はわかりやすい映画ですが、当時19歳の私には「白」が幸運を「黒」が不幸をもたらす、といったことに気づきながら物語の分析に興味を持ち始めたのでした。映像上の仕掛けにも興味がわきました。のちに何度もビデオを見直して、ロイの初ヒットに伏線がある(◎◎がほつれている)ことを見つけたりするのも楽しい。

最後に見たのはいつだったかな。十回以上見た『ナチュラル』にも、まだまだ発見の余地がありました。こちらがマラソンを走るようになっていましたから、つい気づいてしまうのです。

ロバート・レッドフォードは、左足は踵着地だけど右足はつま先着地。

あれれ、こんな情報、不要でしたか?