GO WILD 野生の体を取り戻せ! 科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス
- 作者: ジョンJ.レイティ,リチャード・マニング,野中香方子
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ジョン J.レイティ&リチャード・マニング『GO WILD 野性の身体を取り戻せ!』という本を読みました。
いまの私は狩猟採集民ブームなんです。
数十年前、「粗食のすすめ」みたいな本が流行ったりしましたよね。戦後、食事の西洋化がよくない、という話もさんざん聞きました。私が料理に関心をもつようになったのは丸元淑夫のシンプル料理でした。それらの思想はつまり、江戸の食事がいいとか、昭和中期の食事がいいとか、日本人は魚がいいとか、近視眼的な見方なのです。
もっともっと視野を広げてみます。
何百万年もかけて進化した私たちの身体は、農耕を始め、食生活が激変しました。農耕を始めたのは「たかが」1万年前。その間、人間は穀物や砂糖や熱したデンプンに対応できるように進化したわけではありません(虫歯になることでも明らか)。だから50年前や200年前の食事より、狩猟採集時代に食べていたもののほうが本来身体にいいんじゃないのか? 穀物などはむしろ食べないほうがいいのではないのか? 食事に限らず、生活のしかた全般、見直すべきではないのか?
……こういう考え方が広まってきたように思います。
では、狩猟採集民は何を食べ、どう暮らしていたのか?
穀物栽培もせず、電気もなく、定住する家もなく、ヒトが食物連鎖のなかに組み込まれていた時代、「人間本来の生活はなんだったか?」──そんなシンプルな問いかけをした本が何冊もあります。たとえば、クリストファー・マクドゥーガル『BORN TO RUN 走るために生まれた』、夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』、ダニエル・E・リーバーマン『人体六〇〇万年史 上』……。
『GO WILD』もまた、現代の生活に警鐘を鳴らし、人間本来の生活や身体はどんなものだったのか、を啓蒙する本でした。医学的な知見も多く出てきて、おもしろかった。マインドフルネスについてなんて、考えてみたこともなかったし。
現代、わずかに残っている狩猟採集民を研究すると、彼らには心臓病、脳梗塞、癌、高血圧、2型糖尿病、虫歯は見られないか、きわめて稀なのだそうです。主な死因は、蚊を媒介とした感染症や事故、喧嘩など、死亡率の高い幼児期を生き残れば70歳前後まで生きる、とリーバーマンの本で読みました。
なぜ、同じ人間の身体なのに、片方にだけ「文明病」が生じるのか?
それを知るには狩猟採集民の食生活、暮らしぶりを探るしかないのです。
こまかい内容については長くなるので、ときどき書きます。
私、職業柄、パソコンの前に座ってなきゃいし本も読まなきゃいけないなど、どうしても狩猟採集民にはなれない部分はありますが、それ以外は彼らの生活を参考にしたいのです。今のところ持久走をすること、タバタのようなHIIT(高負荷インターバル。たぶん狩猟採集民にはときどきダッシュも必要です)、床に寝ること、低炭水化物生活、と実践しているのはこの程度ですが、『GO WILD』で学んだことを反映させたいと思います。