卒業した大学が健康に関する長期追跡調査を始めました。対象は40歳以上の卒業生およびその配偶者とのこと。生活スタイル、ストレス、運動、食事などと健康長寿の関係、みたいなことだと思うのです。5年ごとに4回、精密検査や運動テストをします。事前アンケート&検査&運動テスト&1週間の生活記録などをやり終えたら500円分の図書カードをくれるらしい。
私、検査項目のなかに最大酸素摂取量(Vo2max)の測定があったので、迷わず応募しました。民間の施設では2万円以上かかりますもんね。
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応募が多いそうで、申し込んでから半年待ちました。
きのうが一回目の検査の日。朝6時半に起きて出かけるんですが、ふだん遅寝(!)遅起(!)の私が、急に早寝早起できるはずもありません。寝られず悶々としていましたが、そのうちきっぱり寝るのをあきらめ、仕事したり本を読んだりしていました。
徹夜です。でもまあ、馴れたもんよ。
寝てないためボーッとしながら受診。身長、体重、血圧、採血、血管の柔らかさ、骨密度、腹部・太腿・ふくさはぎのMRIなど……。
血圧は「2回測ります」と言われてベルトを巻かれました。上が165と出ました。2回目の計測は137くらい。下も高めです。
過去、上は120越えた記憶がないのに……。
(あとで、医者の友人から「寝なかったためでしょう」とあっさり言われました)
いよいよ最大酸素摂取量の計測です。このために行ったようなもの。
エルゴメーター(固定自転車)にまたがる検査です。運動選手のテストかなにかでご覧になった方ありますか? 苦しんでいるときに周囲がガンバレと声をかけ、オールアウトになるまで漕ぎ続けるのです。強度が増えていけば、どこかで有酸素運動から無酸素運動に切り替わります。そのポイントを、無酸素性酸素閾値(AT値)と言います。フルマラソンは、AT値すれすれ(主観的に、きついと感じる手前)のスピードを維持して走るのがコツです。さらに負荷を強め、きつい→かなりきつい→非常にきついギャーッ!!!!チーン、が最大酸素摂取量。ある本によりますと、成人男子の平均が 43ml/kg/min、成人女性の平均は 35ml/kg/min だとか。マラソンのトップ選手ともなると、80ml/kg/minを越えます。
マスクを装着され、医師の方にいろいろ問診されているうちに頭脳が覚醒したようで、俄然やる気が湧きました。
「徹夜で来ましたが問題ありません。心拍数200以上いけます」と言いました。学生スタッフには「君たちの声援にかかってるからな」と軽口叩きました。
エルゴメーターを漕ぎ始めました。1分おきに負荷を変える直前、ボルグの主観的運動強度を指さします。
10分漕いで心拍数は170近く。走っているとき、心拍が高くなる私は、ボルグスケールの「ややきつい」にはまだ到達していない。事実、横目でモニタを見ながら、無酸素性作業閾値に届いてないことを確認していました。
さあここからです!
と思ったら、突然終了…… ??????????
なんと、血圧が251を越えたらしい。危険だからやめます、と言われました。数分前から体がカッカッしていたのはそのせいか? 医師から「5年後はきちんと寝てきてくださいね」とたしなめられました。
学生くんたちは「最高記録が出ると思いましたよ」「ものすごい脂肪燃焼能力ですね」と慰めてくれたけど、運動してない人と比べられてもしかたない……。シクシク。
ああああ、なんのために来たんだ!
考えれば、2、3年血圧を測ってなかったし、もしかすると最近は血圧が高いのかもしれません。さすれば血液を毎日測り、高ければ下げればいいわけで、そう考えればいいヒントをもらったと言えなくもない……なんて考えた午前中でした。
2時間半ほどの検査がすんで、大学生のトラック練習を見ながら、もらった弁当を食べました。ひさしぶりにお米を食べましたわ。
夜は飲み会でした。電車とバスに乗って荻窪のスーパー銭湯に行き、ビール飲んで仮眠。備え付けの血圧計があったので、測ったところ 112/66 でした……。
ちょっと下が低い以外、見慣れた数字です。わずか30〜40分仮眠しただけでこんなに変わるのかな? 血圧計を買い、いろんな条件下で試してみます。
荻窪からさらにバスと電車で仙川に移動してしこたま飲み、0時近くに帰宅、という長い1日でした。
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前述の通り、大学の検査、まだ終わっていません。
歩数計みたいな測定器をつけて1週間過ごしつつ、手書きで睡眠時間や座った時間、食生活などを記録します。それを郵送したら第1回は終了です。高血圧が寝不足によるものであるなら、通常の体調でデータを提供できなかったことも申し訳ない。お詫びのつもりできちんとやります。
Vo2max の測定に関しては今度別の施設でやってもらいます。金がかかるがのう。
ランニングは科学だ。精進錬磨(by 織田幹雄)だ!