狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

来週の「ガイアの夜明け」と、FLASHの記事

テレビ東京「ガイアの夜明け」で、来週、きねや足袋「MUTEKI」が採り上げられるそうです。『ゼロベースランニング』の著者・高岡尚司さんと、高岡さんが今年度から指導している熊本の高校にも取材しているとの由。ふだんほとんどテレビを見ない私も、録画予約済みです。

予約の動画を見るに、『陸王』や大学駅伝を「ツカミ」にしているようでやや心配です。だってMUTEKIと陸王は違いますし大学駅伝の選手も履いていませんから……。でも、取材陣は4月から丁寧に密着されているそうなので、内容に期待しています。

ドラマ『陸王』は初回だけ見ました。原作は読んでます。中小企業の大逆転劇が痛快なんでしょう、視聴率が高いんですってね。

こないだ、広島で、Toe-Bi という足袋型ランニングシューズでウロウロしていたところ、結構他人の視線を感じました(東京では見られてない気がするんですが……?)。夕方、広島のタクシーに乗ったら、運転手のおじさんから「陸王のシューズですか」と言われてビックリ。池井戸潤ファンだとのこと。運転手さんが、ドアに挟まないよう、客の足元をチェックしていることにも驚きました。

いま発売されている「FLASH」の記事《『陸王』の「気になる話」を追いかけた!》をdマガジンで読みました。ここにも「陸王」のモデルとされる「MUTEKI」の話が出てきます。

記事のなかで「ランニングマガジンクリール」前編集長・樋口さんが、『陸王』の薄型シューズと、厚底シューズ・ナイキズームウェイパーフライ4%を比較し、今のブームは厚底だと発言されています。HOKA ONE ONE の例もあるし、ランニング界の流れは厚底なのかもしれません(小説を読む限り、「陸王」は繭から作った特殊なクッションが張られていて、薄底ではありませんが)。

樋口氏は《厚底が記録を出し始めたのはこの半年》と書かれています。しかし本当に記録は出ているんでしょうか? ズームウェイパーフライ4%は、まだ顕著な記録を出していないようにも感じます。

NIKE Breaking2 では、外的要因に左右されにくい条件(もちろん記録は非公認)を作り出し、ズームウェイパーフライ4%を履いた3人のランナーが2時間切りに挑戦しました。結果は以下の通り。

2:00:25 エリウド・キプチョゲ(ケニア32歳/PB 2:03:05 ロンドン2016)
2:06:51 ゼルセナイ・タデッセ(エリトリア35歳/PB 2:10:41 ロンドン2012)
2:14:10 レリサ・デシサ(エチオピア27歳/PB 2:04:45 ボストン2015)

キプチョゲは、サブ2に迫るタイムを打ち出し、見事ナイキのマーケティング戦略に貢献しました。35歳のタデッセ選手もPBを上回りました。しかし、Breaking2 というプロジェクトだったことを考えれば、すべての好条件を揃えても、一人として2時間を切れなかったといえます。

ほかにも、大迫傑選手が初フル(ボストンマラソン)で2時間10分28秒を記録して3位になったり、全日本大学駅伝で東海大学の選手が履いて優勝したそうですが、衝撃の結果、という意味ではまだまだ弱い。品薄で市民ランナーにまで出回ってないこともあり、ナイキズームウェイパーフライ4%に関しては、個人的には判断保留です。ゼロドロップ(爪先と踵の高低差がゼロ)に近いシューズが好きな私にとって、10mmドロップというナイキのそのシューズは履きこなせないかもしれません。