狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

股関節……今井正人選手の好走

東京マラソン、2時間7分39秒の好タイムで7位となった今井正人選手。自己ベストを2分近く短縮しました。
じつは私は箱根駅伝にさほど興味がなく(というか見る習慣がなく)、今井選手が「山の神」と呼ばれたことは知っていても山登りを見た記憶はありません。なに大学出身かさえ知らないのです。ごめんなさい。
今年の東京マラソンで今井選手を見たのは39.5kmくらいの地点。動画のちょっと前ですね。トップから離されましたが落胆した様子はなく、むしろ活き活きしています。PB大幅更新の手応えをつかんで意気軒昂と進んでいたのでしょう。

ところで。
今井正人選手の活躍を伝える記事に「股関節」という単語が頻出します。
脱!山の神 世界の今井だ7分台》(→nikkansports.com)から引用。

1カ月前に導入した新走法が奏功し「いつもよりも体が硬くならなかった」。膝を高く上げるのではなく、股関節から足全体を動かすイメージで残り10キロを 乗り切った。最後は出場選手中最高の2時間4分38秒を誇るケベデを抜いて、7位。「7分台が出たのは前進できる」。10度目のマラソンで、ついに殻を破った。

もう少し詳しい記事はないか……。《今井 笑顔の7分台 輝く「神」 日本歴代6位》(→東京新聞TOKYO.web)から。

1月中旬、母校の福島・原町高の同級生とともにフォームの映像をチェックした。「膝を上げるイメージではなく、股関節を意識した方がいいのでは」と指摘を 受ける。40キロ走で試すと自然と足が前へ出た。楽に走れる。「これはいいな」。これまでは30キロ付近で足が重くなり失速してしまう。ところがこの日は 35キロ付近まで足も体も軽い。研究の成果だった。

もう一丁。 《股関節意識の動きで覚醒、2分短縮…今井、マラソン復権へ「高い目標持って」》(→産経ニュース

新たな体の使い方がはまった。30キロ以降の苦しくなる局面、今まではひざを上げようとして肩にも力が入っていた。そこで、1カ月半前から股(こ)関節の動きを意識し始めたところ、地道に鍛えてきた体幹と相まって楽に脚を運べ、腕も振れるようになったという。

股関節と股間を混同する人が多いそうですが、実際はここです。

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いままで、股関節を動かさずによう走れたな!……まさか。冗談です。

今井選手は「股関節を動かす」をどういう意味で使っているのでしょうか。
動きの「イメージ」や「意識」は人それぞれではっきり伝わりません。同じ動きをしていても、人によっては全然違う言葉で表現したりもしますしね。
だからこれだけの情報だと憶測になってしまうのですが……。
《膝を上げるイメージではなく、股関節を意識した方がいい》とありますから、膝ではなく体の中心部を意識するということかな。つまり大腿二頭筋(太腿の前面)ではなく大腰筋・腸骨筋を使う、という意識。《地道に鍛えてきた体幹と相まって楽に脚を運べ》という発言も理解できます。インナーマッスルの大腰筋・腸骨筋は、大腿二頭筋より太いんだそうですよ。見たことないけど。
骨盤を前方に大きく出す意識を持つことで、脚を長く使えるというメリットもあるのかもしれません。

レベルは全然違いますが、私がいま取り組んでいるフォーム改造(の一部)とも重なるんじゃないかと思うのです。私は可動域を広げるところから始めているわけですが……。伸びしろがたくさんあると考えましょ。
今井選手の場合、1ヶ月後に結果を出した、というのが心強い。ちょっとしたきっかけで大きく変わる、ということはあるんですね。