狩猟採集民のように走ろう!

狩猟採集民について学びながら、現代社会や人間について考えるブログ

『「みんな違ってみんないい」のか?』

「みんな違ってみんないい」のか? ──相対主義と普遍主義の問題 (ちくまプリマー新書) 作者:山口裕之 筑摩書房 Amazon 「おいおい、多様性に喧嘩売ってんのかよ」と、書店でツッコみ(もちろん心の中で)、でもまあ勝負してやるかと購入した本、山口裕之『「…

11月のラン

10月は月間走行距離、たったの90km。 11月は、ゆるジョグで月間距離は100km。最長不倒記録は11kmというお粗末でした。16日しか走っていません。 12月の目標は120kmにします。1日6kmで、20日走りたい。でも、ゆるジョグなら、1回に最低でも8kmくらい走ら…

『「利他」の生物学』と『緑の哲学』

「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ (中公新書) 作者:鈴木正彦,末光隆志 中央公論新社 Amazon 『「利他」の生物学』に教わったことのひとつ。 ★ ★ ★ 植物の三大栄養素は、窒素、リン酸、カリウムです。以下、リンと窒素について。 リン──植物の…

『「利他」の生物学』

「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ (中公新書) 作者:鈴木正彦,末光隆志 中央公論新社 Amazon 10日前にも触れましたが、狩猟採集生活の本を読んでいると、「利他」というテーマにも突き当たります。 ★ ★ ★ いろんな動物で、血縁者のあいだでは、…

大谷とジャニーズに関して誰も触れないこと

東京オリンピックに腹が立ったあまり、広島カープの試合以外はほとんど見なくなりました。今年は、WBC、ラグビー、バスケットボール、卓球……ええっと、ほかにもあったっけ。日本は一年中大騒ぎでした。今日から大相撲やってるらしい。駅伝やマラソンは毎週で…

知性、利他のことなど

長沼毅「ヒューマニティの未来」(「現代思想」特集=変貌する人類史 2017.6)から、メモ。 ★ ★ ★ スタンフォード大学のジェラルド・クラブトゥリー(1946〜)の論文「われわれの脆弱な知性」(2013)によると、人間の知性や感性は2000〜6000年前(もっとも…

道路を歩行者に返せ(後編)

コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫) 作者:イヴァン イリイチ 筑摩書房 Amazon 自動車の社会的費用 (岩波新書 青版 B-47) 作者:宇沢 弘文 岩波書店 Amazon 社会的共通資本 (岩波新書) 作者:宇沢 弘文 岩波書店 Amazon 五輪と戦後: 上演として…

道路を歩行者に返せ(前編)

先日、マラソン愛好家に知られる方が次の記事を紹介していたのです。 記事がなくなるかもしれないので、引用。 福岡県那珂川市の市道をランニング中に、ぬれたこけが原因で滑ってけがをしたとして、県内の50代男性が市に1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判…

E・M・トーマス『ハームレス・ピープル』

店名は内緒ですが、ある古本屋には人類学関係の本がたくさん置かれています。そこで、E・M・トーマス『ハームレス・ピープル──原始に生きるブッシュマン』(1977、海鳴社、原著は1959刊)を見つけたのでした。 エリザベス・マーシャル・トーマスの母ローナ…

小国善弘『戦後教育史』

戦後教育史-貧困・校内暴力・いじめから、不登校・発達障害問題まで (中公新書 2747) 作者:小国 喜弘 中央公論新社 Amazon 10月はいろいろあって90kmしか走っていません。来月は100kmだ(苦笑)。仕事が落ちついてきたので、ここ1、2ヶ月考えていること・…

藤井聡太、八冠すべてを制覇

藤井聡太八冠が誕生。八冠独占の偉業、おめでとうございます。 王座戦五番勝負第4局、ジョギングを忘れて観戦していました。 ★ ★ ★ 将棋のタイトルは八つあります。 竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖(序列は優勝賞金による。多分) 藤井は…

国立民族学博物館

大阪で一泊。朝4時ごろ目が覚めたので、時間をつぶすのに骨が折れました。御堂筋線とモノレールを乗り継いで、目的地へ。ミャクミャクくんがラッピングされたモノレール車両がありました。あんなヘドロの妖怪みたいなのを、みんな毎日見せられているなんて…

通天閣から、大阪ディープサウスへ。

9月3日、オダサク散歩──炎天下2万歩コース──のあと、クタクタになって安ホテルにチェックイン。この日、昼メシになにを食べたんだっけな……まったく思いだせない私。朝・昼は抜いたのかもしれません。(追記=朝、早く出かけすぎてしまい、広島市内のファ…

オダサク文学散歩

夫婦善哉 正続 他十二篇 (岩波文庫) 作者:織田 作之助 岩波書店 Amazon 六白金星・可能性の文学 他十一篇 (岩波文庫) 作者:織田 作之助 岩波書店 Amazon 9月3日(日)に、広島から大阪へ。新大阪から梅田に行きました。人が多いのう。 いま、大阪と資本主…

平和公園の直線

9月1日から4日にかけて、広島と大阪に行きました。今回は広島の話です。 昨年、こんな記事を書きました。 丹下健三は、平和記念公園の資料館、慰霊碑、原爆ドームなどを一直線上に配置し、さらにその直線を北の方にまで伸ばそうとしていました。旧広島市…

矮小化される、国連人権理事会の会見

今年8月4日に行われた、国連の人権理事会作業部会の記者会見。10日ほど経ちましたが、どうやらこの会見が軽視されているというか、矮小化されているようです。ぜひとも全部見てほしくて、リンクしました。 かねてより、国連の人権理事会がジャニーズの性加…

堀切直人『喜劇の誕生』

大学時代に読んだ文芸評論家・堀切直人『喜劇の誕生』(沖積舎、1987)にやたら「ノマド」が出てきたけど、あれはどういう意味で使っていたんだっけ……とたまに思いだそうとしていたんです。こないだ本棚から見つけて読んでみたところ、ズバリ、 狩猟採集民 …

新井貴浩監督の野球

不思議なことに、広島カープが1日だけ(7月27日終了時)首位に立ちました。 ほとんどのカープファンは、開幕前に優勝なんて意識したことがなく、「Aクラスになれれば御の字」と考えていたのではないでしょうか。前年から戦力はアップしていませんし。 新井…

魯迅「賢人と馬鹿と奴隷」など

阿Q正伝・藤野先生 (講談社文芸文庫) 作者:魯迅 講談社 Amazon 5月半ばのこと、魯迅「賢人と馬鹿と奴隷」ってどんなんだったっけと、出かけたついでに図書館でコピーしてきました(文庫には入っていません。多分)。魯迅は1881年生まれの中国の文学者。儒…

夏目漱石『坊っちゃん』と資本主義

坊っちゃん (新潮文庫) 作者:漱石, 夏目 新潮社 Amazon 簡単に書けば、資本主義とは、誰かが誰かを搾取して儲けることです。資本家が儲けるのは、がんばる労働者からピンハネするから。 政府は資本主義が好き放題搾取するのを許しちゃいけません。誰かが儲け…

「私の音楽は不要でしょう」に思うこと。

松尾潔がジャニーズ批判をしたことにより、スマイルカンパニーが契約を打ち切った。その決定には山下達郎も賛成した、という一件ですが……。 先日のラジオ番組で、山下達郎がこの件について釈明したそうです。いろんな人がきちんと批判しているので、あえて触…

ケストナー『飛ぶ教室』

飛ぶ教室 (新潮文庫) 作者:エーリヒ ケストナー 新潮社 Amazon 何十年かぶりに、ケストナー『飛ぶ教室』(原題 Das fliegende Klassenzimmer)を読了。池内紀訳の新潮文庫版でした。ええ話じゃったわい。おじさん、心が温まりました。 舞台は、ヨハン・ジギ…

『女性差別はどう作られてきたか』

女性差別はどう作られてきたか (集英社新書) 作者:中村 敏子 集英社 Amazon ジェンダー研究の歴史について何か読もうと、書店で見つけた本です。著者は政治学者、北海学園名誉教授だそうです。福澤諭吉、ホッブズに関する著書、キャロル・ペイトマンの訳書が…

エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』

資本主義と奴隷制 (ちくま学芸文庫) 作者:エリック・ウイリアムズ 筑摩書房 Amazon エリック・ウィリアムズ『資本主義と奴隷制』(1961)は英国の植民地政策を詳細に調べ上げた労作でした……が、専門的すぎておすすめしません。三角貿易とかね、アフリカ系の…

ジェームズ・C・スコット『反穀物の人類史』

反穀物の人類史――国家誕生のディープヒストリー 作者:ジェームズ・C・スコット みすず書房 Amazon ジェームズ・C・スコット『反穀物の人類史』(みすず書房)について。 私は読んでいませんが、C・スコットには『ゾミア』という大著があります。国家にした…

フロムと丸山眞男

自由からの逃走 新版 作者:エーリッヒ・フロム 東京創元社 Amazon 超国家主義の論理と心理 他八篇 (岩波文庫) 作者:丸山 眞男 岩波書店 Amazon 本を読んでいると、同じような記述に出合うことがあります。エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(1941)を読…

フロム『自由からの逃走』

自由からの逃走 新版 作者:エーリッヒ・フロム 東京創元社 Amazon エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』(東京創元社)を読みました。フロムは社会心理学者で、本書は1941年に書かれています。市井の人々がナチスを支持してしまった心理を明らかにしようと…

菅原和孝『もし、みんながブッシュマンだったら』

もし、みんながブッシュマンだったら 作者:菅原 和孝 福音館書店 Amazon クア・ブッシュマン(自分たちを「クア=われわれ」と呼ぶブッシュマン)の回想。 「とうさん! ぼくはノア(ダイカー)の仔を打ち殺したよ」 とうさんはおれのほうをちらっと見て、そ…

『Humankind 希望の歴史』

Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 作者:ルトガー・ブレグマン 文藝春秋 Amazon Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章 作者:ルトガー・ブレグマン 文藝春秋 Amazon スティーブン・ピンカーは統計を操作し「人…

『ホモ・ルーデンス』2/2

ホモ・ルーデンス (中公文庫プレミアム) 作者:ホイジンガ 中央公論新社 Amazon 以前、少年野球を観ながら、ふとこんな疑問が湧いたと書きました。 メジャーリーグやプロ野球に負けず劣らず、素人野球の観戦が楽しいのはなぜか? 大リーグはムキムキの男性た…