狩猟採集民から見た現代

『育毛物語』

狩猟採集民を見ながら、シャンプーや石鹸って必要なのか?──と考えはじめたシリーズ。人体実験のあと個人的には結論が出てているので、これでおしまいにします。私は現在、洗髪はお湯のみ、身体を洗うのは純石鹸です。 【第1弾】2018/11/28 シャンプー、や…

放送大学「総合人類学としてのヒト学」第4回

こないだ、放送大学で「総合人類学としてのヒト学」という講座を見つけ、聴き始めました。テキストも購入。 きのう、radikoで聴きながら走った第4回は、今村薫さんの講座でした。 彼女は、田中二郎『ブッシュマン、永遠に。』に登場します。1988年9月、田中…

ルソー『社会契約論』

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫) 作者:ルソー 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 数十年ぶりに『社会契約論』を読み直しました。初読のときは『人間不平等起源論』を読んでいなかったので、理解しづらかった…

辺見庸『永遠の不服従のために』

要らぬ前置きをすると、私は狩猟採集民の話を読み、彼らの生活や心境を鏡にして現代社会や自分自身の常識を疑っているのです。みなさんが海外旅行をすることで、日本のおかしさに気づかされるようなものです。現代に残るわずかな狩猟採集民の生活を見ると、…

『オカルト化する日本の教育』より。

年末、原田実『オカルト化する日本の教育』(ちくま新書)をザーッと読みました。 江戸しぐさや親学(シンガクじゃなくて、おやガクと読むんですね)などの創作された伝統を広めて教育現場にまで持ち込もうとする日本会議ら保守勢力や、彼らの抱く陰謀論を紹…

『火星のタイム・スリップ』

火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396) 作者:フィリップ K.ディック 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1980/06/01 メディア: 文庫 L・ヴァン・デル・ポスト『カラハリの失われた世界』(1958)の話をしたところ、ある知人がフィリップ・K・ディッ…

講座「人類は何を食べてきたか?」

先週の話です。「人類は何を食べてきたか?──フィールドワークから探る肉食の30万年」という講座を聴いてきました。世界中をフィールドワークされる池谷和信先生の講演で、イヌイットを研究される岸上伸啓先生がホスト役でした。 ハラリは、認知革命・農業革…

スポーツと戦争

未開社会の生業は段階的に変化してきました。エルマン・R・サーヴィスは『民族の世界』で次のように整理しています。 バンド(少人数血縁型集団)=移動的狩猟採集生活をする 部族(トライブ)=バンドより大きい。定住し、園耕や牧畜をする 首長制社会=人…

『民族の世界』

エルマン・R・サーヴィス『民族の世界──未開社会の多彩な生活様式の探究──』を読みました。初刊は1958年。伝統的な社会を段階的に整理してまとめています。翻訳は抄録で、23の社会のうち、10を紹介しているらしい。 目次は以下のとおりです。 ・バンド アン…

坂口恭平『TOKYO 0円ハウス 0円生活』感想

TOKYO 0円ハウス 0円生活 (河出文庫) 作者: 坂口恭平 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2011/05/07 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 107回 この商品を含むブログ (26件) を見る 坂口恭平『TOKYO 0円ハウス 0円生活』(河出文庫)を読みました。…

坂口恭平『独立国家の作り方』

独立国家のつくりかた (講談社現代新書) 作者: 坂口恭平 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2012/05/18 メディア: 新書 購入: 19人 クリック: 814回 この商品を含むブログ (89件) を見る むかしは「快適な家で好きなモノや家具に囲まれていたい」と思っていた…

『「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている』

「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている 作者: ジェイムススーズマン,James Suzman,佐々木知子 出版社/メーカー: NHK出版 発売日: 2019/10/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている』を読み終え…

『コイサンマン』1&2

『ミラクル・ワールド ブッシュマン』(原題:The Gods Must be Crazy、1981製作、南ア)を知っているのは50歳以上でしょうか。日本では1982年に公開され、土曜日のオールナイトを友人と見に行った記憶があります。興行収入は23億7000万円は、『E・T』の35…

『砂漠の狩人』

砂漠の狩人―人類始源の姿を求めて (1978年) (中公新書) 作者: 田中二郎 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1978/07 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る ──じつは、そろそろ純粋なレポートを読むのに退屈してきていまして、派生したテーマ…

『洞窟おじさん』

洞窟オジさん (小学館文庫) 作者: 加村一馬 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2015/09/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 世の中、新しくて便利なものが増えている。 "このままでいいのだろうか……"という疑問が頭にぽっこりと浮かぶんだ…

『贈与論』

贈与論 (ちくま学芸文庫) 作者: マルセルモース,Marcel Mauss,吉田禎吾,江川純一 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2009/02/01 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (82件) を見る マルセル・モース『贈与論』(ちくま学芸文庫…

君たちが来たので生返ったよ──『カラハリの失われた世界』

カラハリの失われた世界 (ちくま文庫) 作者: L.ヴァン・デル・ポスト,Laurens Van del Post,佐藤佐智子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1993/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 狩猟採集民の話を読み始めたら、常識が完全に覆されま…

『ブッシュマン、永遠に。』

積ン読本から田中二郎『ブッシュマン、永遠に。』を取り出しました。 たまたまですが、南米の狩猟採集民のレポートを読む機会が多く、アフリカに縁遠くなっております(ムブティ・ピグミーについて書かれた船尾修『循環と共存の森から』くらいです)。 ブッ…

『インディアスの破壊についての簡潔な報告』

インディアスの破壊についての簡潔な報告 (岩波文庫) 作者: ラス・カサス,染田秀藤 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2013/08/21 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 前回ちょっと触れたラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な…

NHKスペシャル『ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる』

NHKスペシャル『ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる』をオンデマンドで見ました。やはりジャングルって凄い。画面に映る自然に圧倒されます。集落の一人一人の個性などは、番組プロデューサーの国分氏が書いた『ヤノマミ』(新潮文庫)に詳しく、映像と本…

『ヤノマミ』

ヤノマミ (新潮文庫) 作者: 国分拓 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2013/10/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (11件) を見る 国分拓『ヤノマミ』(新潮文庫)を読みました。著者はブラジルのヤノマミ保護区・ワトリキに暮らす南米・ヤマノミ族のド…

『失われた足跡』で時間を遡る

失われた足跡 (岩波文庫) 作者: カルペンティエル,牛島信明 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/05/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (7件) を見る アレホ・カルペンティエル『失われた足跡』読了。奥野克己『ありがとうもごめんなさいもいらな…

『所さんの目がテン!』面白かった。

4週間連続で狩猟採集民ハッザ族と生活するという『所さんの目がテン!』(日本テレビ)。1回目の放送を視聴しました。 男女2人のタレントがタンザニアの奥地に暮らすハッザ族と出会い、男性タレントが寝る小屋をみんなで建て、就寝するまでの、たった半日…

『所さんの目がテン!』にハッザ族が出る!

明日10月6日朝7時から、『所さんの目がテン!』(日本テレビ/全国で観られるかどうかはわかりません。→番組HP)という番組にハッザ族が登場するそうです。なんと、4回連続で彼らを採りあげるとのこと。やれ、うれしや。最近、スポーツ中継くらいしかテレ…

映画『北の果ての小さな村で』

映画『北の果ての小さな村で』を観てきました。 旧デンマーク領であったグリーンランドは、現在、デンマーク王国のなかの地域のひとつであり、自治政府があるようです。 主人公である青年アンタセースは、デンマークからグリーンランドの小さな村に赴き、教…

『はじめての構造主義』

本日は5キロだけジョグと公園トレ(ボックスジャンプ、逆手懸垂、ランジウォークなどなど)。走る距離が半分くらいになったせいか、よく本を読んでいる気がします。ブログに来て下さるランナーのみなさんは辟易されているかもしれませんけど……。 ★ はじめて…

『人類の自己家畜化と現代』感想。

人類の自己家畜化と現代 作者: 尾本恵市 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 2002/07/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (3件) を見る 尾本惠市編著『人類の自己家畜化と現代』読了。国際日本文化センターの学際的研究プロ…

『循環と共存の森から』感想。

循環と共存の森から―狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵 作者: 船尾修 出版社/メーカー: 新評論 発売日: 2006/10/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る いよいよアフリカの狩猟採集民族の話です。 ★ 船尾修『循環と共存の森から 狩猟採集…

もう隷従はしないと決意せよ。『自発的隷従論』感想。

私は見てないけど、テレビは韓国の話題ばかりらしい。いくらむいても疑惑が出てくる「たまねぎ男」という韓国高官の報道に時間を割いているようですが、それを言うなら日本の現政権は「たまねぎ政権」ではありませんか。メディアはどうして採りあげないのか…

『服従の心理』

50年前に行われたS・ミルグラムの実験です。 イェール大学による教育プログラムのデータ収集のためと言い、一般の人を公募します。集まった人には報酬と交通費が支給され、実験は大学で行われました。 被験者には、電気ショックの罰を与えることで記憶力が…