『東南アジア狩猟採集民の生活と……』展

東南アジア狩猟採集民の生活と子どもの発育発達東南アジア狩猟採集民の生活と子どもの発育発達https://twitter.com/otsuma_museum/status/1130301076874207238

 5月18日(土)に、『東南アジア狩猟採集民の生活と子どもの発育発達 ~文明は人の身体から何をうばうのか~』という展示を見に行きました。数日前に気づき、「なななんと、今度の土曜日が最終日だ!」とあわてて出かけたんですが、大妻女子大学博物館のツイート(こちら)によると、8月4日(日)まで会期が延長されたようです。
 JR市ヶ谷駅から歩いて5分強かな。まっすぐ行って右に曲がって左に折れて……。
 おおっ、ここだ。

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 私にとって狩猟採集民はアイドル。
 つまり、ここはアイドルの写真展なのです。握手会はありませんが。
 
 大妻大学・大澤清二先生たちのグループが長きにわたってフィールドワークされたミャンマーやタイの少数民族に関する展示です。
 入ってすぐ、Goldschmidt の Man's Way モデル(大澤清二先生が加筆)の表がありました。さらに私が整理したものを書きます。
 人間の歴史は以下のように変遷(私はあえて「進歩」と書かない)するそうです。

移動的狩猟採集社会
   ↓(定住革命)
定着的狩猟採集社会
   ↓(農業革命)
農村的村落社会(園芸的村落社会)
   ↓
農業的・国家社会
   ↓(産業革命)
産業的都市的卓越型社会

   ↓(情報革命)
高度の情報社会

 さて、この展示会には、①〜③にあたる民族のフィールドワークです。
 ① 移動的狩猟採集社会を営むミャンマーのサロン族。
 ② 定着的狩猟採集社会に移行したばかりの、タイのムラブリ族。
 ③ 農村的村落社会を営むミャンマーの山岳地帯に暮らすカヤン族など。
 日本でいえば、それぞれ、① 石器時代、② 園芸もおこなっていた縄文中期以降、③ 稲作をしていた弥生時代に対応します。
 
 アマンダン海を航海するサロン族(①)は、家船で生活し、小舟(丸木舟)で漁をし、女は干潟で採集するそうです。視力は2.0が普通。4.0以上も少なくないとか。ビックリだぜ。子供は泳ぎや潜水が得意で、小さな頃から平衡維持能力が高い。鉈を使い、火をつけ、調理をするなど、能力が早くから発達していると説明されます。
 最近タイ政府に誘導されて移動民から定住民となったムラブリ族(②)は、以前は他の姿を見せないことで有名だったとか。現在の主食はヤムイモ。雨季は筍などを食べ、肉、魚、虫など、タンパク質も豊富。子供は、思春期の発育スパートが認められないことがわかったのはこの研究チームの発見らしい。ムラブリの5人の足型がありました。1人の右足を除き、小指までしっかりプリントされていました。
 人類学的には、戦争は農村が発達してからだそうです(異論もあります)。
 農耕社会カヤン族、ナーガ族、ワラン族など(③)の場合、食糧の貯蓄が進み貧富の差が生じ、部族間戦争が起きているとか。狩猟採集生活では必要最小限の装いだが、こちらは美しい衣装を作る技術が発達しているそうです。戦闘服も飾ってありました。

 子供の発育が研究テーマであるらしく、私の興味のポイントとは若干外れるんですけど(研究者の方に質問したかった)、それでも充分面白かった。
 リンクの記事は、写真が多い。再度書きますが、展示は8月4日まで延長されました。わたしもまた行きます。